アドレスが7.0psへ! 実用派が一気にホットモデル化【スズキ・アドレスチューン】

SUZUKI アドレスチューン|1988年発売
1987年に登場した初代アドレスは、シート下収納による高い実用性と6.5psエンジンを組み合わせた新世代スクーター。そのスポーティな素性をさらに引き上げ、翌1988年(昭和63年)に登場したのがアドレスチューンだ。
49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは最高出力7.0ps/7000rpm、最大トルク0.75kgm/6500rpmを発揮。チャンバータイプのマフラーを採用するなど吸排気系に手を加え、ベースモデルから0.5psアップを実現している。
足周りも強化され、フロントには油圧式ディスクブレーキを装着。タイヤも前80/90-10、後90/90-10へワイド化され、エンジン性能に見合う制動力と安定性を確保した。
それでいて、アドレスならではのシート下収納はそのまま。便利さを捨てず、走りを大幅に強化するという構成で、通勤・街乗りスクーターとスポーツモデルの境目をグッと近づけた1台となっている。
実用性の高いアドレスに“速さ”を加えるという考え方は、その後のアドレス系モデルにも受け継がれていく。初代アドレスで示した“便利で速い”というキャラクターを、より明確にしたモデルだった。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:7.0ps/7000rpm
最大トルク:0.75kgm/6500rpm
全長×全幅×全高:1675×610×1015mm
重量:65kg(乾)
タイヤ:80/90-10/90/90-10
発売当時価格:15万6000円
※主要諸元は編集部調べ
7.0ps+前ディスク! レースでも強かった【スズキ・ハイアップR】

SUZUKI ハイアップR|1988年発売
1988年(昭和63年)に登場したハイアップRは、6.5psの「ハイアップ」をブラッシュアップしたスポーツモデル。エアインテーク付きアンダーカウルをはじめとしたエアロパーツ、チャンバータイプのマフラーを装着し、見た目からしてかなりレーシーな仕上がりとなっている。
49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは、チューニングによって最高出力7.0ps/7000rpm、最大トルク0.75kgm/6500rpmを発揮。ベースのハイアップから0.5psアップし、50ccスポーツスクーターとして十分に刺激的な性能を手に入れた。
足周りも大きなポイント。フロントにはボトムリンク式サスペンションと大径162mmの油圧式ディスクブレーキを採用し、前後には80/90-10の偏平チューブレスタイヤを装着。スズキ公式でも、走行性能と乗り心地の向上がうたわれている。
ここからは筆者Sの体験談。実際にハイアップRを所有し、サーキットも走っていたが、印象に残っているのが独特のフロントサスペンションだった。バンク中のブレーキングでも姿勢変化が比較的少なく、全開のまま飛び込んでコーナーの奥までブレーキを残しやすい感覚があった。ノーマル車で走るミニバイクレースでは、この扱いやすさが大きな武器になっていた記憶がある。
さらにクランクケース周りが比較的スリムで、リヤに3.50サイズのタイヤを履かせてライバル車よりバンク角も深かったと記憶している。当時のノーマル車レースでは、上位にハイアップRが目立つ時期もあった。後にヤマハ・ジョグZなど強力なライバルが登場するが、それまでの間はコーナリング性能と最高速の両方を武器にできる存在だった。
最高速についても、ノーマルのままでメーター読み70km/h前後を示すことも。もちろんこれは実測値ではなく、あくまで当時のメーター表示と個人的な記憶。ただ、ノーマル状態でも“上が伸びる”印象が強かったのは間違いない。
そしてハイアップRといえば、エアダクト風の外装も外せない。見た目はレーシーでかなりカッコよかったのだけれど、サーキットでは邪魔になるので外してしまっていた。そんなところまで含めて、当時の50ccスポーツスクーターらしい1台だった。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:7.0ps/7000rpm
最大トルク:0.75kgm/6500rpm
全長×全幅×全高:1655×635×1000mm
重量:66kg(乾)
タイヤ:80/90-10/80/90-10
発売当時価格:13万9000円
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】