Aston Martin DB11 V8 AMG製V8ツインターボ、いいじゃないか! 乗り心地もジェントル。DB11 V8の世界観に圧倒された:アストンマーティンDB11 V8
- 2019/02/19
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世良耕太

「Hand built in England」で英国の誇りでもあるアストンマーティン。ドイツ製やイタリア製、日本製とは一線を画す良い意味での手作り感・英国風が魅力のアストンマーティンだが、DB11 V8のエンジンは、AMG製V8ツインターボである。それでも、アストンマーティンらしさは、英国らしさは満喫できるだろうか? ジャーナリスト世良耕太がアストンマーティンDB11 V8を試乗した。
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)


レースつながりでいくと、F1にもアストンマーティンの名前がある。レッドブル・レーシングのスポンサーを務めており、エントラント名はアストンマーティン・レッドブル・レーシングだ。しかし、2019年シーズンを戦うRB15が搭載するパワーユニットはホンダ製で、アストンマーティン製ではない。
にもかかわらず、ASTON MARTINのロゴと、コガネムシの仲間であるスカラベの羽をモチーフにしたエンブレムのほうが、HONDAのロゴとHマークより大きいし、目立つ。タイトルスポンサーなので当然だが、我が物顔だ。
WECに参戦する新型ヴァンテージAMRのエンジンはAMG製4.0ℓ・V8ツインターボエンジンで、量産ヴァンテージが搭載するユニットをベースにしている。今回試乗したDB11のV8モデルもやはり、AMG製4.0ℓ・V8ツインターボエンジンを搭載する。アストンマーティンらしさはどこにある? イギリスらしさは?
と疑問が湧こうというものだが、眺めても触れても乗っても、アストンマーティンであり、イギリス風味にあふれている。そして、ハンドビルドだ。手造りの安っぽさではなく、職人が手作業で作り上げた確かな品質の意味するハンドビルドである。大量生産された包丁と、刃物鍛冶職人がいくつもの工程を経て作り上げた工芸品的価値を備える道具くらいの差が、自動化されたラインで生産された量産車と、アストンマーティンとの間にはある。


「そうなんですよ」と乗り降りするたびに乗員に知らせているのが、サイドシルに貼られたシルバー(アルミ製)のプレートだ。「Hand built in England」と記してある。イギリスらしさを感じさせるステレオタイプな演出なのだろうか、トランクリッドを開けると床にこうもり傘がくくりつけてあるのが目に入る。トランクルーム(彼の地ではブートと呼ぶ)自体の使い勝手もよさそうだ。
インテリアはレザーが標準である。試乗車はブルーとホワイトのコンビネーションだったが、これぞイギリス的な高級感の醸し出しかただと感じたし、クオリティは高い。ドイツがやってもフランスがやってもイタリアがやっても、こうはならない。という意味で、実にアストンマーティンらしい空間である。


トランスミッション(8速ATをトランスアクスルで搭載)のモードセレクトはアストンマーティンにお決まりのボタン式で、センターコンソールの中央、空調ルーバーの下にある。ど真ん中がスタート/ストップボタンだ。深呼吸気味に息を整えてからボタンを押すと、V8ユニットは雄叫びを上げて目覚め、このクルマがハイパフォーマンスカーであることを思い出させてくれた。高級なムードに酔いしれている場合ではない。
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