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ボルボXC60は一泊二日1000km以上でこそ本領発揮! 東京から美濃国へ|SUV長距離ドライブ

  • 2019/11/27
  • ニューモデル速報
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ボルボXC60の進化は驚くほど著しい。誰が見ても最新モデルである、と分かるほどの違いが新旧モデルの間にある。そんな最新のクルマで赴いたのは、日本の原風景が広がる美濃地方。初めてなのに懐かしく感じる、心のふるさとを訪れた。

TEXT●古川 裕(FURUKAWA Yutaka)
PHOTO●小林克好(KOBAYASHI Katsuyoshi)

※本稿は2017年10月発売の「ボルボXC60のすべて」に掲載された記事を転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

アイドリングストップも振動は最小限で快適性を確保

 結論から言おう。すこぶる快適で、疲れ知らずの2日間だった、と。付け加えると、たまにしか長距離運転をしない人間にとっても、である。

 ここ1年の間で、片道500㎞を超えるロングドライブへ出掛けたことが一度だけあった。ゴールデンウィークのど真ん中、2泊3日の行程で北陸地方へ。結果、身体のあちこちが痛んで、各地の温泉で疲れを癒したっけ……。そんなことを思い出しながら、初対面のボルボXC60に乗り込む。

 まず印象的だったのが、がっちりとドライバーを包み込むようなSUVらしい空間。センターコンソールが高く、分厚いドアパネルとともに堅牢なコクピット感を形成している。シートは身長180㎝超の筆者の背中も余裕で収めてくれて、居心地がいい。頼もしい相棒のおかげで、長い道のりへの不安は和らいできた。ボタンを押して始動というクルマが一般的である今日において、『ひねる』ことで始動するイグニッションスイッチも、旅立ちを迎えるテンションを盛り上げてくれる。

 朝、まずは同行するカメラマンを乗せて高速道路の入口へと向かう。今回の旅の相棒となる「T5」の2.0ℓエンジンにはアイドリングストップ機構が搭載されており、通勤時間帯で渋滞しがちな状況では、頻繁にエンジンが停止する。そして、ブレーキペダルから足を離すと再始動。この停止と始動時にガクンッ!と不快な振動を伴う車種も存在するが、XC60のそれは至極上品。ウトウトする助手席の同行者が、首をカクンッ!として不機嫌な顔で起きることはない。

 ちなみに、この段階での平均燃費は車載燃費計の数値で8〜9㎞ /ℓ。これは燃費スペシャルな「エコモード」ではなく、「コンフォートモード」での数値だ。車重が約2tのSUVとしては、悪くない数字だろう。

 関越自動車道の練馬インターチェンジに入ると、あとはひたすら高速道路を進んでいく。ここからは、全車速追従機能付きクルーズコントロールの出番だ。前車がいなくなると設定速度まで自動的に加速してくれるし、走行車線内前方に別のクルマが割り込んでくると自動的に減速してくれる。その加減速については、ほとんど人間が操作するのと変わらないレベルだ。2〜3年前のボルボ車に搭載されていたクルーズコントロールでは、加減速が急でちょっと怖い印象もあったが、もはやそんなことはない。

 結局、ジャンクションとサービスエリア以外でペダル操作をすることはほとんどなく、最初の目的地の最寄りである恵那ICに到着。宿泊地である郡上八幡へ向かう前に、まずは恵那市の観光スポットである日本大正村を目指す。国道257号線を通って約25㎞の道のりだが、恵那市街地を抜けると阿木川ダム湖のキラキラと輝く湖面が車窓に広がり、さらに進むとのどかな田園風景が広がる。このあたりは「農村景観日本一地区」と呼ばれるだけあって、本当にほっこりさせられる景色だ。

 最初の目的地まであと10㎞ちょっとというところで、「岩村城跡」の看板を見つけて急遽左折。気になる場所へフラッと立ち寄れるのは、クルマの旅ならではの醍醐味だ。城跡へ向かう途中にある岩村の街並みを通るのは、実は2度目。かつて城下町として栄えた町屋が軒を連ね、実際に人々が今も生活している。小高くなっている城跡方面から街道を眺めると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのようだ。電柱を地面に埋め込み、路面は無粋なねずみ色ではなく趣のある茶色に統一されていることで、街並みの雰囲気が一層引き立てられているのだろう。

大正ロマンの息吹を感じさせる街角

かつて町役場として実際に使われていた建物は、日本大正村役場として休憩場所などに活用されている。入場は無料。
初代村長の記念館でもある大正ロマン館。展示室には、地元出身の画家である山本芳翠の油絵などが展示されている。
城下町として栄えた岩村の街並み。この道をさらに進むと、女城主にまつわる逸話が残る岩村城跡にたどり着く。

江戸時代の街並みから大正時代の街並みへ

 寄り道をして到着が遅くなってしまったが、お昼前に日本大正村へ辿り着けた。明知鉄道の終着駅である明智駅から徒歩圏内に位置する日本大正村だが、特に入口があるわけではない。街のあちこちに大正時代を感じさせる建造物があり、資料展示などもされおり、街歩きしながら気になった箇所をのぞいてみる、のが楽しみ方だ。先ほど立ち寄った岩村の江戸時代の街並みとは異なり、モダンな欧風テイストの建物が目を引く……かと思うと、庶民的な木造の町屋が軒を連ねている。

 そんな街中でXC60の撮影を行ったのだが、とにかく通路が狭い! 地元の人が運転する軽自動車はスイスイと走り抜けていくが、全幅1900㎜の車体だと、角を曲がるのも苦労を強いられる。と、ここで活躍したのが車両を真上から見下ろしたかのような画像を表示する「360度ビューカメラ」。目視では確認できない道端の石碑なども映してくれるので、狭い道でも安心して運転できる。使用頻度や使用したい状況を考えると、ワンタッチで起動できるスイッチがあると、なおありがたいのだが、本当に頼りになるデバイスだ。

 無事に撮影を終えると、いよいよ郡上八幡へ……向かう前に、美濃市へ向かうべくナビゲーションで目的地を設定。スマホ感覚で扱えるから、ほとんどの人が直感的に地図を操作できるだろう。もちろん、日本向けに最適化されているから、表示や操作方法に違和感はない。

 ナビに従い、瑞浪IC方面に向けて一般道を走って中央自動車道へ。東名高速に比べて起伏やコーナーが多い中央道だが、特にこのあたりは直線区間が少なく、高速道路としては比較的Rのきついコーナーが続く。ここで、ちょっと意地悪だが車線維持機能「パイロットアシスト」を使ってみた。コーナーで唐突に解除されることはなく、しっかりとステアリングをコントロールして車線を維持する機能は、実用性充分。もちろん、車速を上げ過ぎると物理的に曲がれない場合もあるだろうが、法定速度内であればほとんど問題なさそうだ。

 中央道から東海環状自動車道を進んでいると、「日本昭和村」の標識が見えた。大正の次は昭和か……と後ろ髪を引かれたが、撮影できる時間は限られている。泣く泣く(?)通過して東海北陸自動車道へ入り、美濃ICを下車して一般道で北上すると、「うだつの上がる街並み」という案内板が見えてきた。美濃の目の字通りに到着だ。

 江戸時代の建物という点では最初に訪れた岩村に近いが、ここの建物は1軒1軒が大きい。いわゆる豪商が、自らの富力や権力を誇示して造られた建物であることが、いま見ても感じ取れる。そして、この建物群の特徴は、なんといっても『うだつ』だ。「うだつの上がらない」の語源になったとも言われる『うだつ』とは、屋根の両端にある防火壁や小柱、装飾のこと。この『うだつ』を上げるためには、それなりの財力が必要であり、単なる防火という本来の目的とは別に、その意匠が重要な要素になっていったという。

 そんな豪商たちの見栄が詰まり、富が競われた街並みは、やはり煌びやかだ。外国人観光客にも人気のようで、平日の午後遅い時間帯にも関わらず、多くの人で賑わっている。

 しばらく街並みを散策した後で、すぐ近くを流れる長良川へ足をのばしてみた。現存する日本最古の近代吊橋である美濃橋、その近くにある船着場跡や石灯籠など、かつて交通の要衝として栄えた名残を眺めているうちに、夕日が眩しくなってきた。今日の撮影はこのくらいにして、宿へと向かうことにしよう。

豪商たちの半価を今に伝える街並み

「うだつの上がる街並み」を形成する各家のうだつは、それぞれに個性的。ほとんどの家が鬼瓦を備えており、多彩な装飾が施されている。
美濃市内に立ち並ぶ家々は、江戸時代から明治時代にかけてのもの。もうひとつの名物である美濃和紙のコンテストは、この街並みで行われる。
かつて上有知(こうずち)と呼ばれていた美濃町には、物資輸送の拠点として湊が開かれていた。船着場へ続く石段や石灯篭は、その名残だ。
鵜飼で有名な長良川のほとり。郡上市を水源としており、日本三大清流のひとつに数えられる河川で、いまも人々の生活に欠かせない。

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