最低地上高のアップがハンドリングと乗り心地に対し明確に悪影響 新型ホンダ・フィットe:HEVクロスター試乗インプレ:デザイン・走りとも少なからず先代へ回帰した保守的な存在。積極的に選ぶ理由は?
- 2020/03/12
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遠藤正賢
新型四代目ホンダ・フィットに設定される5タイプのなかでも異色の存在であり新機軸と言えるのが、クロスオーバースタイルの「クロスター」だ。
こちらのe:HEV FF車には一般道でのみ、ごく短時間ではあったが、前回の「ネス」e:HEVおよび「ホーム」1.3Lガソリン車と同様、千葉県木更津市内で本誌の鈴木慎一初代編集長とともに試乗した。
なお、テスト車両には、メーカーオプションのルーフレール、コンフォートビューパッケージが装着されていた。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢、鈴木慎一、本田技研工業、ホンダアクセス
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「用の美・スモール」を開発コンセプトとした新型四代目ホンダ・フィットに設定された5タイプのうち、そのコンセプトを最も色...
新型四代目ホンダ・フィットに設定される5タイプのうち、「ベーシック」は「13G/同F」「ハイブリッド/同F」、「ホーム」と「リュクス」は「15XL」「ハイブリッドL」、、「ネス」は「RS」「ハイブリッドS」と、先代三代目にもそれぞれのルーツと思われるグレードは存在していた。しかしながら「クロスター」にはそれがない…かと思いきや、2017年6月に行われたマイナーチェンジの際、ホンダアクセスから「クロススタイル」という名のエクステリアパーツ群がディーラーオプションとして発売されていた。
だが新型の「クロスター」は、他の4タイプとは大きく一線を画しており、先代「クロススタイル」よりもさらに踏み込んだ差別化を図っている。具体的には、専用の前後バンパーやグリル、クラッディングを装着して全長を95mm、全幅を30mm拡大したほか、一回り外径が大きい185/60R16 86Hタイヤ&専用アルミホイールを装着。また最低地上高を、他の4タイプに対しFF車で25mm高い160mm、4WD車で5mm高い155mmとして、大きな段差やラフロードでも下回りをヒットしにくいよう配慮した。
なおインテリアは、「ネス」に設定されているものと共通で、グレーをアクセント色とした撥水ファブリックシート&ソフトパッドとなっている。
その実車を見てみると、「『用の美・スモール』は一体どこに行ったのか?」というのが率直な第一印象。シンプル・上質を良しとするはずの新型フィットが、この「クロスター」はSUVテイストをただデコレートしただけのエクステリアに退化している。言うなればこれは「引き算の美学」ならぬ「足し算の力学」だ。
だからこの「クロスター」は、事実としては新たなモデルタイプではあるものの、先代三代目フィットの世界観を色濃く踏襲した、本質的にはむしろコンサバティブ(保守的)なモデルである。そしてこれは、要素が多く押し出し感の強いエクステリアを「カッコイイ」とする日本および東南アジアの男性ユーザー、あるいは小さく見えることが商品力として致命的なマイナスになる北米および中国市場を主眼として作られたデザインである可能性が非常に高い。
しかしながらこうした挙動特性は、最低地上高がFF車に対し15mm高められている、他の4タイプの4WD車にも、共通して備わっている可能性が否定できない。一方、リヤサスペンションの形式が、FF車のトーションビーム式に対し4WD車はド・ディオン式となり、車重も70kg増加するため、走りが全く違うものになっていることさえ考えられる。
ともあれこの「クロスター」は、新型フィット全体の開発コンセプトを自ら否定し、その良さを少なからず損なったモデルと言っても決して過言ではない。「このデザインが圧倒的に気に入っている」、あるいは「この高い最低地上高がどうしても必要だ」というのでない限り積極的に選ぶ理由がない、むしろ新型フィットで唯一、選ばないことを強く推奨するタイプである。
【Specifications】
<ホンダ・フィットe:HEVクロスター(FF)>
全長×全幅×全高:4090×1725×1545mm ホイールベース:2530mm 車両重量:1200kg エンジン形式:直列4気筒DOHC 排気量:1496cc ボア×ストローク:73.0×89.4mm 圧縮比:13.5 エンジン最高出力:72kW(98ps)/5600-6400rpm エンジン最大トルク:127Nm(13.0kgm)/4500-5000rpm モーター最高出力:80kW(109ps)/3500-8000rpm モーター最大トルク:253Nm(25.8kgm)/0-3000rpm WLTC総合モード燃費:27.4km/L 車両価格:228万8000円
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