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ここを改善して!大人気のジムニーに乗ってわかった「ちょっと気になる」ところとは!?【スズキ・ジムニー偏愛連載・第2回】

  • 2020/07/01
  • MotorFan編集部
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2018年7月5日に発表・発売された現行型ジムニー。早くも2年が経とうとするが、触れる時間が長くなると、少しずつ気になる点が出てきたとと山崎さんは語る。

今でもバックオーダーを抱えるなど、人気が衰える気配を見せないスズキ・ジムニー。現行モデルは長寿だった先代から飛躍的な進化を遂げているが、乗ってみると、いくつか気になるところがある。ジムニーの世界に詳しい自動車ライターの山崎友貴さんに、ジムニーの「こうだったらもっといいのに!」なポイントを解説してもらった。

TEXT:山崎友貴(YAMASAKI Tomotaka)

モデルチェンジ直後は大感激! でも、時間が経ってみると...

現行型のJB64型ジムニーとJB74型ジムニーシエラが登場した時は、本当に感激したものだ。一般へのお披露目の前に『新型ジムニー/ジムニーシエラのすべて(三栄刊)』の取材でいち早く実車に触れる機会を得たが、20年ぶりのフルモデルチェンジということもあって、とにかく感極まるばかりだった。

しかしそれから2年半、様々な取材の機会をいただきながら試乗していると、「えくぼ」が「アバタ」だったことにも気づいてくる。

誤解のないようにお伝えしておくが、現行型ジムニーシリーズはいいクルマだ。開発陣が各部を丁寧にブラッシュアップ、もしくは新造しているだけあって、前代型のJB23/43型がチューニングしても及ばないドライブフィールを持っている。ただし、前代が20年間、1型から10型まで仕様変更を繰り返したことで極みに到達したことを考えれば、現行型はオフロード四駆のモデルサイクル、殊にジムニーというモデルで考えればまだ生まれたてだ。

新型車はどんなに優れた素性で生まれても、これから進化していく伸びしろを持っている。今回はこれからのジムニーへの期待を込めて、今のモデルに足りないものをお伝えさせていただく。多少、“重隅”になる部分もあるがご容赦を。

車内の収納スペースが不足気味。普段使いするのには不便な感あり

さて、現行型が様々な点で改善されていることは前回の記事でお伝えした通りだが、一方でバッサリ切られてしまった部分も少なくない。潔いと言えば潔いが、クルマを普段使いするには不便なこともある。

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そのひとつが、車内収納の不足だ。現行型のインパネは、いかにも四輪駆動車というデザインを採用しているが、実は想像以上に物入れがない。グローブボックスは車検証ケースでいっぱいになるのは必至だし、シフトレバー前の小物入れも位置が低すぎて使いづらいし、容量もさほど大きくない。自分のスマホはワイド画面なので、しっかり収まることがない。AT車のトレーに至っては走行中に物が滑ってしまい、その用途が掴めない。

潔い...というべきか、ジムニーの収納スペースは数・広さともに不足気味。

さらに、ドアノブのポケットもなくなった。先代には中のグリップ部分にトレーがあり、小銭などを入れることができた。ところが現行型では前席の膝回りの空間を確保するために、かつてあってウインドウスイッチをインパネ中央に移動させ、ドアグリップも小型化。これに併せてトレーも廃止されて、ちょっとした物入れがなくなってしまったのである。もちろん、下部にマップポケットは残っているが、デジタルガジェット全盛期の現代で、紙の地図やガイドブックを持つ人は希だろう。だったら、ペットボトルホルダーが欲しい。

グローブボックスの上にある物入れも、容量が大幅に縮小され、置く物を選ぶようになってしまった。大きな物を置くと、事故時にパッセンジャーに危険が及ぶという配慮なのだろうが、それにしても現行型のポケットは何をおけばいいか分からない。サイドブレーキの後ろにある小物入れも、小銭を入れるには深いし、スマホを入れるのには長さと深さが足りない。

さて、もっと切実なのはドリンクホルダーだ。センタートンネルの上に2個分のドリンクホルダーが付いているが、後部座席用は何とゼロ。リアのスペースユーティリティを向上させるため、先代にはあったタイヤハウス上の出っ張りを無くしたことは大いに評価する。だが、ドリンクホルダーまでなくなったのでは、3人以上でのドライブでは飲み物置き場の奪い合いが起こってしまう。

事実、4人でドライブに行った時は、キャップのできるボトルは自分の足元に置いて、コーヒーの紙カップなどのみをホルダーに置くという“協定”で、ことなきを得た。

画像では隠れているが、前席の座面後端部の間にセンターコンソールボックスがあり、2本分のペットボトルと小物が置けるスペースがある。

デザインを優先したがゆえに不足が生まれたのは理解できるが、先代よりも悪くなるのは何とも残念だ。当然アフターパーツメーカーも不足に気づいていて、すでにいくつかの対策商品が発売されている。オーナーの方はチェックしてみてはいかがだろうか。

一番改善を希望したいのはオフロードでのドライブフィール

さて、今回の記事の核心はここから。サスペンションが柔らかくて通勤時に気持ちが悪くなるとか、アクセルの踏み始めにトルクが出ないのでクルマの流れに付いていきにくいなどなど、世のジムニーオーナーが抱えている不満はいくつかあるだろう。

しかし、サスペンションはすでにいいアフター品が出ているし、オンロードで望ましいエンジンの特性はサブコンとスロットルコントローラーで何とか補うことができる。お金はかかるが、自分好みの1台に仕立てることは可能だ。しかし、現状でどうにもできないのが、オフロードでのドライブフィールだ。

並のSUVを圧倒するジムニーの悪路走破能力。しかし、オフロード愛好家からすると、要改善点があるという。

もちろん、サスペンションのトラベル量やロードクリアランスを増加させたいといったリクエストは、アフター品でも対処できるが、問題はエンジンなどの制御なのである。

周知の通り、現行型ジムニーは電子制御の塊になった。現代のすべてのエンジンがそうであるようにECU(エンジン・コントール・ユニット)で制御されるだけでなく、スロットルも電子式スイッチによって開閉される。さらに現行型に鳴り物入りで採用されたブレーキLSDトラクションコントロールというデバイスが、オフロードで制御系に介入してくる。

前回の記事でも書いたのだが、この電子スロットルとブレーキLSDトラクションコントロールというのが諸刃の剣で、いいように働くこともあれば、逆に邪魔で仕方がない時もある。オフロード熟練者なら大抵は後者だと思っているはずだ。

ジムニーの電子スロットルは、急激な駆動トルクの発生でタイヤのスリップを招かないように、ゆっくり開いてゆっくり閉じるようにセッティングされていると言われている。また、タービンの制御も、電子スロットルのアクセル開度に合わせての制御になっている。

オフロードを走ったことがある人なら分かると思うが、じんわりと駆動トルクをかけながら走りたい場合もあれば、瞬発的にトルクをタイヤに伝えて凹凸を乗り越えたいという場合もある。状況は必ずしもひとつではないのだ。

電子スロットルを採用する現行型ジムニー。ただ、悪路ではなかなか思い通りのスロットル操作ができないという。

とりわけジムニーのオフロードにおける制御は、ドライバーにとって邪魔なことが多い。例えば、急な登り坂を走っている時に、アクセル全開にしていると、いきなりブースト圧が落ち始めて失速。坂の途中で止まってしまい、怖い想いをすることが少なくない。あるショップオーナーに聞いたところでは、最大で0.9kPaほどになっているブースト圧が、アクセルを全開にし続けると0.6kPaまで落ちることが分かったという。

また岩場を走っている時、大きな岩の手前で一瞬止まって、乗り越えるためにアクセルペダルをグッと踏み込むと、いきなり制御が働いてエンストしてしまうことが多々ある。決して自分のペダルワークが下手なだけの事象ではなく、百戦錬磨のオフロードエキスパートでも同じようなことが起きるのだ。こうした事象は圧倒的にJB64型のMT車で発生し、トルクやパワーにゆとりのあるJB74型ではあまり聞いたことがない。

初心者には助かるブレーキLSDトラクションコントロール。しかし、エキスパートにとっては邪魔に感じることもあるようだ。

一般道の坂道でも時折いきなりの失速を感じるので、そもそもECUの制御に何かあるのではと予測できるが、オフロードにおいては出力をコントロールしてブレーキを利かせることでタイヤのトラクションを回復させるブレーキLSDトラクションコントロールの介入が、さらに状況を悪くしているような気がする。

以前、ジムニーのチーフエンジニアにお聞きしたところ、ブレーキLSDトラクションコントロールは4Hの時には全域で介入し、4L時に発進時のみ以外はカットされるということだった。しかし、止まるか止まらないかという超低速で走るクロスカントリーにおいて、走行中にデバイスの邪魔な介入を経験した人も多く、その真偽はどうもはっきりしない。

オフロード仕様のチューニングを得意とするジムニー専門店などでは、やはりサブコンやスロットルコントローラーの装着、スープアップパーツの交換で改善させているが、本来ならECUのデータの書き換えでラクにクリアできるはずだ。しかし、現状ではどのパーツメーカー、カスタムショップもJB64型のECUを解析できていないというから頭が痛い。

こうなるとスズキに改良を望むしかないが、未だ続くバックオーダーにコロナ禍の影響が重なり、直近での仕様変更は高望みなのかもしれない。とはいえ、希代のオフロード4WDであるはずのジムニーがこうした性能ではあまりに寂しい。

不足を補うことを楽しむのがジムニーワールドではあるが、ブラックボックスの部分に関しては2型登場以前にこっそりと改善して欲しいものだ。

誕生から2年の現行型ジムニー。今後の熟成がどんどん進んでいけば、「名車」の冠にふさわしい存在にもなり得るはずだ。

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