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VWパサート ヴァリアントTDIマイナーチェンジで最新の運転支援技術を投入。充分に鮮度を保っているのは、クルマの基本がしっかりしているから

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VWパサート ヴァリアントTDI R-Line 車両本体価格○584万9000円

VWのDセグモデル、パサートがマイナーチェンジを受けた。外観のリフレッシュとともに中身にも手が入り、最新の運転支援技術などを搭載。今回は人気のヴァリアント(ワゴン)のディーゼルエンジン搭載モデルの上級グレードR-Lineに試乗した。
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

ボディカラーはラピスブルーメタリック(3万3000円のオプションカラー)

フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは4月6日、「パサート」「パサート・ヴァリアント」「パサート・オールトラック」のマイナーチェンジ版を発売した。ヴァリアントTDI R-Line(車両本体価格584万9000円)をサンプルに、変更点を確認していこう。

全長×全幅×全高:4785mm×1830mm×1510mm ホイールベース:2790mm
車両重量:1610kg 前軸軸重930kg 後軸軸重680kg
最小回転半径は5.4m

マイナーチェンジ版には、最新のフォルクスワーゲン(VW)デザインが与えられている。フロントマスクの基本構成はマイナーチェンジ前を受け継ぐが、バンパー下部には「への字」のキャラクターラインが加えられ、フォグランプのベゼルが際立っている。細部の処理は異なるが、T-CrossやT-Rocが漂わせる雰囲気に近づいた印象だ。従来、フロントグリルやバンパーは横方向のラインが目立っていたが、マイナーチェンジ版は明確な格子状になっている。

新しいCIになったVWマーク
新採用となったLED マトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT(アイキュー ライト)”は、フロントカメラで対向車や 先行車を検知し、マトリックスモジュールに搭載された 32 個の LED を個別にオンオフの制御を することで、最適な配光を可能とした最新のヘッドライトシステムだ。

遠くからだとはっきりわからないが、VWのバッジは最新のフラットなデザインが採用されている。リヤはそのVWバッジの下に「PASSAT」の車名ロゴが配置された。フロントもリヤも大がかりな変更ではないが、充分に新しさを感じさせる。ヘッドライトは最新のLEDマトリクスヘッドライト「IQ.LIGHT」に置き換えられた。フロントカメラで対向車や先行車を検知し、LEDを個別に制御することで最適な配光を提供する。いわゆるアレイ式のADB(可変配光システム)だ。左右の方向指示がダイナミックターンシグナルになったのも、新しさを感じさせる要素である。

ステアリングホイールには静電容量式センサーを採用

インテリアもエクステリアと同様に、基本構成を受け継いでいる。小さな変更が施されているに過ぎないが、鮮度を高める効果は高いと感じた。例えば、ダッシュボードの中央にはこれまでアナログ時計が鎮座していたが、マイナーチェンジ版はバックライト付きのPASSATロゴに変わっている。たったそれだけのことだが、ずいぶん垢抜けたムードになった。

ステアリングの奥にあるメーターは従来からデジタルの設定があったし、センターのインフォテインメントシステムは地図の拡大/縮小を物理ダイヤルで行なうのではなく画面に触れて行なうタイプで、これも従来どおり。ただし、常時コネクテッドに進化している。マイナーチェンジ版はエアコンの操作パネルから物理ダイヤルがなくしてタッチパネル式とし、一段とデジタル度が増した。ダッシュボードに使っている素材は従来どおりのようだが古くささは感じさせず、充分に鮮度を保っていると感じた。

ボンネットを開けるとEA288型ユニットが見える。
エンジン形式:水冷直列4気筒DOHCディーゼルターボ 型式:DFH型(EA288型) 排気量:1968cc ボア×ストローク:81.0mm×95.5mm 圧縮比:9.3 最高出力:190ps(140kW)/3500-4000rpm 最大トルク:400Nm/1900-3300rpm 燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI) 燃料:軽油 燃料タンク:66ℓ
あまりご興味のある方はいらっしゃらないと思いますが、これがエンジンカバー
こちらが裏側。なかなか凝った造りになっている。

EA288型の2.0ℓ直列4気筒ディーゼルエンジンは従来どおりだ。新しい生産モジュールのMQBと同時に導入されたこのエンジンは、片側に吸気バルブと排気バルブが交互に並んでいるのが特徴だ。通常は片側に吸気バルブが一列に並び、反対側に排気バルブが一列に並んでいる。ところが、EA288は吸気、排気、吸気、排気の順に並ぶ「ローテーテッド」のバルブレイアウトを採用している。1本のカムシャフトが吸気と排気両バルブの開閉を受け持つわけだ。

そのうえで、片側(吸気マニフォールド側、搭載状態で車両前側)に可変バルブタイミング機構(VVT)を採用。冷間時の始動性を確保すると同時に、部分負荷ではNOxと煤の発生量を減らすような制御を取り入れている。NOxの浄化に関してはAdBlueを用いた後処理装置を備えているが、(高圧/低圧EGRも含め)燃焼そのもので有害物質の発生を抑える努力もしているということだ。

400Nmの最大トルクはやはり余裕を感じさせてくれる。

最高出力は190ps(140kW)/3500-4000rpm、最大トルクは400Nm/1900-3300rpmを発生。数値に変更はない。マイナーチェンジで変わったのは、トランスミッションだ。従来は6速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション、VWの呼称ではDSG)を搭載していたが、マイナーチェンジ版は7速DCTを搭載する。6速では1700rpm前後だった100km/h走行時のエンジン回転数は、7速化によって1400rpm前後になった。燃費の向上しろまでは確認できていないが、常用回転数が低くなっているのだから、悪くなってはいないだろう。低回転化はエンジン音の車室内への侵入に関しても恩恵をもたらす。高速巡航時はほとんど、いや、まったくといっていいほどディーゼル特有のノイズは気にならない。

シフトレバーの左側にある「MODE」切り替えのボタンを押すと、アダプティブシャシーコントロールのDCCを「エコ」「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「カスタム」に切り換えることができる(TDI R-Lineにのみ標準装備)。「スポーツ」を選択したときの効果はわかりやすく、スポーツグレードにふさわしい引き締まった脚に早変わりする。

運転支援システムも進化している。従来の渋滞時追従支援システムは、同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist(トラベルアシスト)」に進化した。加減速とステアリングの操作支援を行なう追従走行が全車速(0-210km/h)に対応したのが変化点だ。ドライバーがステアリングを握っているかどうかの判断は、ステアリングトルクで判別する方式と静電容量式センサーで判別する方式の2種類に大別できるが、パサートが採用したのは後者(スバル・レヴォーグも同様)。静電容量式は、力強く握らず、軽く手を添えているだけでも「握っている」と判別してくれるので、不意のアラートによって快適な移動に水が差されるケースが少なくなる。細かなことに感じるかもしれないが、実用上の影響は大きい。

タイヤ&ホイール:235/40R19
ピレリ製CINTURATO P7を履く。ランフラットタイヤだ。
写真は右フロントサスペンション。サスペンション形式はマクファーソンストラット式
左リヤサスペンション。4リンク式

ちなみに、ガソリンエンジン仕様は従来の1.4TSI(1.4ℓ直4直噴ターボ)から、1.5TSI(1.5ℓ直4直噴ターボ)に置き換わっている。見た目の刷新だけでなく、動力性能や安全性能、ITの点で技術の刷新を行ったのがパサートのマイナーチェンジだ。現行世代の国内デビューから約6年が経過しているが、充分に鮮度を保っているのは、最初の段階での作り込みがしっかりしているからだろう。最新技術を取り入れたことにより、一段と魅力を増している。

例によって、広大なラゲッジスペースだ。
ランフラットタイヤなので、トランク下にはスペアタイヤが入るサイズの収納スペースがある。
「SEAL INSIDE」と刻まれたタイヤウォール。ランフラットタイヤだが、乗り心地に硬さは感じなかった。
181km軽く走って燃費は181.km/ℓだった。WLTCモード(16.4km/ℓ)を楽に上回っている。

VWパサート ヴァリアントTDI R-Line
全長×全幅×全高:4785mm×1830mm×1510mm
ホイールベース:2790mm
車重:1610kg

サスペンション:
F|マクファーソンストラット式
R|4リンク式

タイヤ&ホイール:235/40R19

駆動方式:FF
エンジン形式:水冷直列4気筒DOHCディーゼルターボ
型式:DFH型(EA288型)
排気量:1968cc
ボア×ストローク:81.0mm×95.5mm
圧縮比:9.3
最高出力:190ps(140kW)/3500-4000rpm
最大トルク:400Nm/1900-3300rpm
燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI)
燃料:軽油
燃料タンク:66ℓ
燃費:
WLTCモード燃費 16.4km/ℓ
市街地モード 13.2km/ℓ
郊外モード 16.2km/ℓ
高速道路モード 18.4km/ℓ
トランスミッション:7速DCT

車両本体価格:584万9000円

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