お便り キャブレターセッティングがうまくなりたいの件

投稿者:埼玉県/セッティングの沼本さん

チェンの回答

FI (フューエルインジェクション)全盛の現代で、キャブレター(以下、キャブ)のセッティングに励む沼本さんって素敵。チェンのレースマシンもキャブ車なのでなんだか共感しちゃいます。

バイクにPCやスマホを繋げて回転数やアクセル開度ごとに数字(燃料噴射量)を入力していくFI 車と違って、キャブ車は、ガソリンを抜いてキャブを取り外して、ガソリンの流量などを決めるジェットやニードルを交換し、時にはプラグの焼け具合も見てと、手を汚しながらガソリン臭が漂う昭和な雰囲気が醍醐味! ワビサビの世界ですよマジで。

そんなキャブの良いところは、ひとつの仕様変更が割と広範囲に効く(影響する)というところだと思う。メインジェットはアクセル開度の全領域に効くし、ニードルは開け始めから高回転への繋がりまでの部分に効いたりと、ひとつのセッティング変更でザックリとその周辺領域にも影響がおよぶ。逆に細かいところをピンポイントでのセッティングができないのが難しいとも言えるね。

前置きが長くなったけど、キャブセッティングのコツの話。まずはスロージェットでアイドリング近辺を合わせる。ここは一度合わせてしまえばそう変えることはない。たぶんセッティングにハマる時は混合気が濃いのか?薄いのか?が分からなくなっていると思うから、例えば三本目の電柱まで何秒とか、最高時速が何キロだとか基準を作ると判断しやすい。感覚のみでやると身体が慣れてしまい変化が分からなくなるので裏付けるためにも数値というデータがあると良い。

セッティング(燃調)が合ってくると出力は上がるので、通過タイムや最高速が良くなる。その際アクセルグリップにアクセル開度が分かるようなマーキング(印)を付けるとなおベター。全開領域はメインジェット、アクセルのツキと過渡特性の部分はジェットニードルのストレート径やクリップ段数で変わるからね。

近道を求めるのであれば空燃比計を使うのも手。濃い薄いが数値で分かるため、どうすべきかの方向性も一発で判断できるよ。

写真はホンダ・シャリィに大口径キャブレターを装着したカスタム車。
フレームからはみ出てしまう迫力ある見た目もカスタムの醍醐味。このようにミニバイクの世界では、キャブはドレスアップ効果もあるパーツなのだ。

まとめ

● 感覚ではなく評価の基準を作るのが大事

● A/F(空燃比)計の活用も◎

著者紹介 チェン

元レースメカニックで、カスタムビルダーや二輪誌編集部員のキャリアを持つ。現在はスーパーモトのレースに参戦し、ハイエースで全国を飛び回っている。

※この記事は月刊モトチャンプ2024年11月号を基に加筆修正を行っています