エンジン回転数を低く抑えて
効率よく走るためには
燃費を稼ぐには、アクセル開度を減らす、エンジン回転数を低く抑えるの2点が効果的。しかし、効率よく行わないとタイムダウンしてしまいます。そのため、いずれも求められる耐久レースの場合は、賢い走らせ方が必要です。
第36回メディア対抗ロードスター耐久に、レブスピード『R会』チームから参戦し、優勝しました。これはまさに、燃費とタイムの両立が求められるレース。使用できるガソリン(CNF)量が限られた中で、富士スピードウェイを3時間走行し、順位を競います。
タイムが速くなると、周回数が増え、それだけ燃費が厳しくなります。今回は雨のレースとなりました。どんな走り方をして、優勝に結びつけたか紹介していきます。
耐久ドラテク①
ストレートの後半はギアをニュートラルに
富士スピードウェイのストレートを6速で走行し、ストレート後半はリフト&コースト。アクセルOFFだけだとエンブレで失速してしまうので、ニュートラルに入れてアイドリング回転数で空走。1コーナーは2速に入れたいが、アクセルOFFのまま一度6速に入れてエンジン回転を上げ、そのあとに2速へシフトダウン。
いわゆるリフト&コーストです。ストレートの後半でアクセルを戻して空走させるのですが、エンジンブレーキが効いてしまうとタイムダウンになります。
そこで、ギアをニュートラルに入れ(またはクラッチを切り)、空走させ、コーナーが近づいたらギアを入れます。その際に、ヒール&トーのようにアクセルをあおらず、半クラッチを使ってギアをつなぎます。アクセルをあおるとガソリンを消費してしまうからです。
ここでポイントとなるのは、エンジンブレーキが効かないからとはいえ、通常のブレーキポイントに到着する頃には走行抵抗でかなりスピードが落ちていること。そのため、ブレーキ開始ポイントは奥に移動させる必要があります。
たとえば、富士スピードウェイの1コーナーであれば、全開時は110mあたりからブレーキポイントとなりますが、燃費走行時は50mよりもっと奥になることもあります。
また、ギアを入れる際にコツがあります。6速でストレートを走行して途中からニュートラルに、その後のコーナーを2速で回るとします。ニュートラルからそのまま2速入れるのではシフトショックが大きく挙動を乱してしまいます。クルマへの負担も大きいでしょう。
そこで、一度6速に入れてからクラッチをつなぎます。するとエンジン回転が上がりますので、それから2速に入れます。ニュートラルの間はエンジン回転数はアイドリングレベルに下がるので、そのまま2速に入れるより回転差が減り、シフトショックが少なく挙動が安定します。
じつはこの走り方はREVSPEEDのチームメイト、後藤比東至さんから習った走らせ方です。
耐久ドラテク②
止めるブレーキは強く踏むことを意識
リフト&コーストを意識すると、「止めるブレーキ」が弱くなってしまう人を見掛けます。燃費走行とはいえ、タイムを削るためには止めるブレーキはいかに奥で短く行うかがカギとなります。
燃費走行では、止めるブレーキは一瞬かのように短い時間となり、ある意味、全開走行よりも難しいドラテクとなります。当然ながら突っ込み過ぎは禁物ですが、それ以前に
ブレーキを強く踏めない人が多いので、ここは気をつけたいポイントです。
耐久ドラテク③
ブレーキでスピードを落とし過ぎないこと

前章の続きとなりますが、止めるブレーキを長時間掛けてしまい、スピードを落とし過ぎる人が多いです。落としたスピードを回復させるのには、多量のガソリンを使用しますので、タイムだけではなく燃費も悪化します。止めるブレーキは強く一瞬で、かつすぐ戻す。このようなイメージを持ってください。
耐久ドラテク④
オーバーテイクはブレーキング時に
ガソリンを使わずに抜くにはブレーキング時が有効です。通常と異なり、ライバルも燃費を気にしているため、立ち上がりにクロスラインで抜き返されるケースは少ないもの。楽々抜けると思います。
逆も然りで、ブレーキングで飛び込まれたあとに、立ち上がりで抜き返すには多量のガソリンを消費します。あえて、ライバルを前に出して、後ろから燃費を稼ぎながら追い上げる作戦に切り替えてもいいでしょう。
耐久ドラテク⑤
スリップストリームで走行抵抗を減らす

前車のスリップに入ると、通常より少ないアクセル開度でライバルに追いつきます。ここですぐに抜いてしまうのではなく、アクセルをより絞って、しばらくライバルに前を走ってもらい、燃費を稼ぎましょう。
できればライバルがミラーを気にして自由に走れなくならないように、こちらは気配を消して走行するとよいです。
耐久ドラテク⑥
ウエットラインと走行距離の兼ね合い

雨となった場合、ドライでのレコードラインが速いとは限りません。普段走らないアウト側の路面(ウエットライン)のほうがグリップして速く走れることが多いものです。
走行距離が延びてしまうので燃費を考えると本来はレコードラインを走るべきなのですが、ウエットラインにするとボトムスピードを下げずに走れる可能性があります。そのため、遠回りをしてでも燃費を稼げる可能性がありますので、ケースバイケースで考えましょう。
また、耐久レースの場合、走行時間は通常のスポーツ走行枠より長いでしょう。そうなると路面コンディションは大きく変化するかもしれません。走行開始直後はウエットラインがよくても、次第に乾いてきてレコードラインのほうが速い可能性もあります。
大切なのは、つねにどのラインが最適かを探ること。耐久レースに限りませんが、スポーツドライビングで大切なのは路面、車両との対話です。いつもの慣れた同じ走行を続けず、つねに臨機応変にドライビングをアジャストしましょう。

講師
梅田 剛 (写真中央 トロフィーを掲げる)
R会受講者から送られてきた車載映像を添削している梅田講師。今回はかなりの省燃費を強いられる耐久レースでの走行テクニックを披露。
■REVSPEED
https://motor-fan.jp/publisher/revspeed/


