クルマ好き必読『ざんねんなクルマ図鑑』。ナナメ目線で切り取った哀愁漂う国産車の歴史

幻の「ヤナセ カスタムスポーツ YX1200」ってなに? 哀愁漂う『ざんねんなクルマ図鑑』

『ざんねんなクルマ図鑑』表紙
昭和自動車研究会制作の『ざんねんなクルマ図鑑』。
世に名車と讃えられるクルマは数多く存在するが、一方で期待されたほどの売り上げを伸ばせなかったり人気を獲得できなかったクルマもまた、星の数ほど存在する。本書『ざんねんなクルマ図鑑』は文字通り「ざんねん」な結果に終わり、ある意味クルマ史に名を残すことになった国産車を網羅した愛のあふれる本。

知っているようで知らない「ざんねんなクルマたち」

戦後から昭和、平成、そして令和まで。初めて純粋な国産車が生まれ、そして試行錯誤を経て成長し、世界で認められるようになっていく。そんな国産車の歴史において、時にはアテが外れて思うような結果を残せなかったモデルは決して少なくない。『ざんねんなクルマ図鑑』は、特にそんな“ざんねんな”国産車に焦点を当てた一冊だ。

“ざんねん”といっても決して失敗作ではないし、ただディスってこき下ろす本でもない。たまたま人々のニーズに合わなかったとか、当初の狙いとは別の捉え方をされたりとか、あるいは法律で規制されてしまったとか・・・。それぞれ事情は異なるものの、本書はその不器用さに焦点を当てて褒め称えるような、愛のある『ざんねんなクルマ図鑑』である。

ヤナセのオリジナルカーに国産ガルウイングなど総勢89台を解説

制作は昭和自動車研究会。掲載台数89台、そのすべての記述はGENROQやGENROQ Webでも活動するモータージャーナリストの中三川大地氏が担当した。その上で、古岡修一氏の味のあるイラストとともに紹介している。掲載される車種を見ると、そのどれもが時代を反映していておもしろい。

「国産車の功績を後世に知らしめ、クルマ好きを増やしたい」として、マニアックな内容ながらも総ルビ仕様で構成されているため、小学生から大人まで読みやすくわかりやすい内容なのが特徴だ。リアルタイムで知らない若い世代はそこに新鮮さを覚え、旧くを知る方は懐かしさを感じながら楽しめる1冊となっている。

『ざんねんなクルマ図鑑』表紙

【概要】
『ざんねんなクルマ図鑑』
体裁:四六判/単行本/オールカラー/144P
企画制作:昭和自動車研究会
著者:中三川大地
イラスト:古岡修一
出版:KADOKAWA
価格(税込):1540円

【関連リンク】
・KADOKAWA 公式サイト
https://www.kadokawa.co.jp/product/322110000615/

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