フォーラムエイト・セントラルラリー2021最終日、勝田範彦選手が地元ラリーで勝利

初日のリードを活かして2日目を戦い、最後は3SS連続でベストタイムをマークする強さを見せた勝田範彦選手。
「フォーラムエイト・セントラルラリー2021」の最終日が、11月14日に豊田スタジアムを拠点に開催され、初日をトップで終えた勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)が、新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI)に10.9秒差をつけて勝利を飾った。1分2秒7差の3位には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)が入っている。

ラリー最終日は岐阜県にもSS(スペシャルステージ:競技区間)が設けられ、5SS、SS走行距離36.73kmで争われる。今大会最長となる13.16kmの「Ena City short」はSS8とSS11の2回走行、ツイスティな舗装林道が中心ながらも、速度域の高い高速セクションも含まれており、今回の山場となることが予想されている。また、ステージには湿った落ち葉が落ちている箇所も多く、一瞬の油断がリタイアにつながる。

初日を終えて首位の勝田選手と新井選手の差は7.7秒。逆転勝利を狙う新井選手は、勝負どころと語っていたSS8でベストタイム。さらに続くSS9も制してみせた。しかし、対する勝田選手もSS8とSS9は僅差のセカンドベストでまとめ、SS10ではこの日初のベストタイムを記録。午前中のSSを終えて、ふたりの差は6.8秒とほぼ変わらない。「タイヤやマシンもはまっていて、ギリギリを攻めましたが、思ったよりも差をつけられませんでした」と、新井選手は首を捻る。

インタビューに応える新井大輝選手と勝田範彦選手。競り合いのなかでもドライバー同士による情報交換(あるいは心理戦)の時間があるのもラリーならでは。

豊田スタジアムでのサービスを挟んだ午後のセクション。13.16kmのSS11で勝田選手が新井選手に3.7秒差をつける渾身のベストタイムをたたき出す。そのままの勢いで勝田は最終のSS12も制し、10.9秒差をつけてセントラルラリー初勝利を飾った。2019年に開催された前回のラリーは息子の勝田貴元選手が勝利を手にしており、親子で同一イベント勝利を達成したことになる。

「2回目の『Ena City short(SS11)』の路面が思っていた以上にクリーンで、走りやすかったことが大きかったと思います。この勝利は僕だけの力ではなく、コ・ドライバーやチーム、そして応援してくれたファンの皆さんからの素晴らしいサポートがあったからこそだったと思っています」と、勝田選手はフィニッシュ後にチームやファンへの感謝を語った。

豊田市の旭高原元気村に設けられたフィニッシュには太田稔彦豊田市長も駆けつけ、選手を祝福した。

2位に終わった新井選手は「今回は回り込むようなきついコーナーが多くて、どちらかと言えばGRヤリスにアドバンテージがあった気がします。WRX STIは中高速域での安定感が強みですし、今回のラリーを通じてデータ取りを含めて、改善点がはっきり分かりました。それらを今後につなげていきたいと思っています」と、前向きな笑顔を見せた。

1分2秒7差の3位は、タイヤやセットアップを試しながら走ったという福永選手。柳澤宏至選手/保井隆宏選手(シュコダ・ファビアR5)が前日からひとつ順位を上げて、4位を得た。また、R-2クラスはヘイキ・コバライネン選手/北川紗衣選手(トヨタGT86 CS-R3)、R-3クラスは大倉聡選手/豊田耕司選手(トヨタGRヤリスRS)がそれぞれ勝利を飾っている。

R-2クラスの優勝はヘイキ・コバライネン選手/北川紗衣選手。快音を響かせてワインディングロードを駆け抜けた。
CVTのGRヤリスRSにとってはラリー初優勝。大倉聡選手/豊田耕司選手はシャシー性能の高さを活かして総合でも9位に入る。
豊田スタジアムのサービスパークには多くのギャラリーが。勝田選手がサービステントに入る様子にカメラが向けられる。
フィニッシュでのR-1クラストップ3。左から2位の小坂典嵩選手/新井大輝選手、優勝した木村裕介選手/勝田範彦選手、3位の齊田美早子選手/福永修選手。

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