新型スズキ・アルトはマイルドハイブリッド初搭載 軽トップの燃費27.7km/Lを実現! 

12月10日、スズキは新型アルトを発表した。1979年の初代誕生以来、累計526万台を販売したベストセラーモデルだ。新型はマイルドハイブリッドの搭載により、軽トップの27.7km/Lを達成。安全装備にも力が入っており、今の時代のスタンダード軽にふさわしいモデルといえそう。価格は94万3800円〜137万9400円。12月22日からの発売が予定されている。

先代からの正常進化。9代目のアルトも軽セダンの王道を突き進む

スズキ アルト
9代目となる新型アルト。歴代モデルは42年・8代で526万台を販売している。

9代目となる新型アルト、その目玉となるのは燃費性能だ。マイルドハイブリッドをアルトとして初搭載し、軽自動車トップの27.7km/L(WLTCモード燃費)を実現している。ダイハツ・ミライースが25km/Lなので、燃費に関してはライバルを圧倒していると言えるだろう。2030年度燃費基準95%達成でエコカー減税適用(重量税免除)となったのも軽では新型アルトが初めてだ。

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ISG(モーター機能付き発電機)とリチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッドを搭載する。

この低燃費を実現するため、新型アルトではトランスミッションをCVTに集約。先代に用意されていた5MTやAGSは姿を消した。

ちなみに新型アルトにはエネチャージ採用モデルも用意されており、こちらのWLTCモード燃費は25.2km/Lとなる。エネチャージとは減速時には集中的に発電を行い、通常の鉛バッテリーと小型のリチウムイオン電池に電池を蓄積。発進時や巡行時にはできるだけ発電を抑えてエンジン負荷を低減し、燃料消費を抑えるというもの。エンジンもマイルドハイブリッド車がRD06D型エンジンなのに対して、エネチャージ車はRD06A型という違いもある。

もう一つ、安全性能の向上も新型アルトの目玉だ。夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートをはじめとする、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が全車に標準装備される。また、一部グレードではヘッドアップディスプレイや標識認識機能も採用。全方位モニター用カメラ搭載車には、低速走行中、自動でモニターに左側とフロントの映像を表示するすれ違い支援機能も備わる。

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ナビの案内やエアコン操作、速度、エンジン回転数などをフルカラーで表示するヘッドアップディスプレイ。
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前後左右に4つのカメラを設置。全方位モニター付ディスプレイオーディオを装着すると、クルマを真上から見下ろしたような映像が表示される。
スズキ アルト
全方位モニター用カメラには「すれ違い支援機能」も搭載される。

デザインはキープコンセプトで、エクステリアは先代の面影を色濃く残している。新型は楕円のモチーフを各所に採り入れ、先代よりも柔らかな印象となった。

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ヘッドランプは丸みを帯びたデザインで、先代よりも優しい表情に。

カラーは8色で、ダスクブルーメタリックとソフトベージュメタリックが新色だ。また、ルーフがホワイトの2トーンカラーも4タイプ用意される。

スズキ アルト

インテリアもエクステリア同様、助手席前のパネルやセンタークラスターなどに楕円のモチーフを採用。先代よりも立体感を感じさせる造形に変更することで、親しみやすさと質感の高さを両立した。

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楕円をモチーフが使われたインパネ。メーターはアナログ単眼式。

新型アルトは全高が50mm高くなり、それに伴って室内高も45mm拡大された。先代のオーナーからはヘッドクリアランス拡大の要望があったそうで、前席は39mm、後席も27mmほど広くなっている。また、室内幅も25mm拡大されるなど、限られた軽のサイズの枠内で少しでも室内を広くしようとする努力が重ねられたことがうかがわれる。さらにフロントドア開口部も20mm広げられ、乗降性もアップしている。

ユニークなのはシート。シート表皮はデニム調で、背面にはブラウンを採用。表裏でカラーを変えることで、カジュアルな雰囲気を演出する。

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シート表皮はデニム調。綾織を思わせるバイアス柄と濃淡のある縦糸表現にこだわった。

インパネには、スズキ国内初採用となる7インチのディスプレイオーディオが設定された。車両に連携してバックカメラや全方位モニターの映像を表示できるほか、AppleCarPlayやandroidautoにも対応する。

スズキ アルト
7インチディスプレイオーディオ

室内には収納も豊富に設けられており、USB電源ソケットは前席用として2個用意。また、カメラ切り替えスイッチをセンターディスプレイ用スペースの下部に配置することで操作性を向上させるなど、使い勝手への配慮も随所にうかがえる。

スズキ アルト
USB電源ソケット×2

荷室は開口部が30mm引き下げられることで、荷物の収納がしやすくなった。バックドアにはインサイドグリップが設けられたおかげで、小柄なユーザーでも手が届きやすくなったのはうれしい。

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プラットフォームは軽量・高剛性が自慢の「HEARTECT(ハーテクト)」を継続採用。振動や騒音を抑えることに留意された結果、100km/h走行時の室内音が2dB低減するなど、静粛性の向上を実現している。

スズキ アルト
バックドア、センターピラー、サイドドアでそれぞれ環状構造を形成し、ボディ剛性を高めている。

フロント:ストラット、リヤ:トーションビーム(4WDはI.T.L.:アイソレーテッド・トレーリング・リンク)のサスペンションも先代から大きな変更はないようだが、コイルスプリングのバネ定数とショックアブソーバーの減衰力が最適化された。その結果、先代と比較すると段差通過時のフラット感が13%向上、後席の突き上げ感は11%低減したという。

また、先代ではグレードによって13インチと15インチが混在していたタイヤサイズは、新型では14インチに統一されている。タイヤ各部も軽量化された結果、転がり抵抗は先代から12%の低減が図られた。こうした要素も新型アルトの低燃費に貢献している。

新型アルトにワークスの姿なし。今後に期待!?

好事家にとって気になるのは、スポーティグレードの「RS」や「ワークス」といったグレードがラインナップにないこと。オンラインで行われた発表会でそのことに関する質問がスズキ側に投げかけられたが、「アルトは一番生活に密着したクルマ。標準モデルでも走りはキビキビしており、まずはこのクルマをしっかりと売りたい。今現在はワークスは考えていない」という趣旨の回答だった。

先代でも、ワークスが追加されたのは標準モデルの1年後だった。アルトワークスはスポーツ走行が気軽に楽しめる貴重な存在。新型アルトでもその歴史が継承されることを期待したいものだ。

新型スズキ・アルト 価格表

A 94万3800円(2WD)・107万5800円(4WD)
L 99万8800円(2WD)・112万9700円(4WD)
HYBRID S 109万7800円(2WD)・122万8700円(4WD)
HYBRID X 125万9500円(2WD)・137万9400円(4WD)

新型スズキ・アルト HYBRID S 主要諸元

■ボディサイズ
全長×全幅×全高:3395×1475×1525mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:710[760]kg
乗車定員:4名
最小回転半径:4.4m
燃料タンク容量:27L(無鉛レギュラー)
■エンジン
型式:RD06D型
形式:水冷直列3気筒
排気量:657cc
ボア×ストローク:61.5mm×73.8mm
最高出力:36kW(49ps)/6500rpm
最大トルク:58Nm/5000rpm
燃料供給方式:EFI(電子制御燃料噴射装置)
■駆動系
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
■シャシー系
サスペンション形式:Fマクファーソンストラット式Rトーションビーム式[I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)]
タイヤサイズ:155/65R14
■燃費
WLTCモード 27.7[25.7]km/ℓ
 市街地モード 24.0[22.6]km/ℓ
 郊外モード 29.2[26.6]km/ℓ
 高速道路モード 28.6[26.6]km/ℓ
■車両本体価格
125万9500[137万9400]円
※[ ]は4WD

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