マツダ、北海道・剣淵試験場で雪上取材会を開催 【動画あり】「人馬一体」のカギとなる「躍度」とは? -マツダCX-3/CX-8で低μ路を走る-
- 2018/02/07
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遠藤正賢

マツダが2014年から毎年開催しているメディア向け雪上取材会が、厳寒期真っ只中にある北海道・剣淵試験場で開催された。この取材会では毎回必ず、一つの技術的テーマが設けられているが、4回目となる今回は「躍度(やくど)」。人が乗り物に乗った時、そして運転・操縦した時、その乗り物が快適に思うのか、不快に感じるのか。それを大きく左右する、“動きの感じ方”の指標について学習・体験した。
そもそも「躍度」とは何か。「G」を単位として数値化される「加速度」が速度の変化率を表す指標であるのに対し、「加加速度」とも「Jerk(ジャーク)」とも呼ばれる「躍度」は、加速度の変化率。単位は「G/s」で表現される。つまり、1秒間でどれだけ勢いよく駆動力・制動力・旋回力が増減したかを表す数値と言えるだろう。
これを、乗用車の運転に置き換えるとどうか。端的に言えば、アクセル・ブレーキ・ステアリングの操作が雑で、加減速・旋回Gの立ち上がりが急激で、同乗者を車酔いさせてしまいそうな運転が「躍度が高い」運転、その逆が「躍度が低い」運転となる。
雪国や雪道では、ドライバーは厚着・手袋・雪靴を身に着けた状態で運転することが多く、舗装路に対しクルマの挙動を感じ取りにくくなる。その一方、路面や景色は真っ白で遠近感が掴みにくく、しかも吹雪やアイスバーン、見通しが悪い交差点、除雪され狭くなった車道など、走行環境が目まぐるしく変化するため、ドライバーは常に全神経を運転に集中させなければならない。だからこそ、「躍度」の重要性を最も体感しやすいステージとして、雪吹きすさぶ冬の北海道が選ばれた、というわけだ。
各メディアに用意された走行メニューは「一般道走行」「オートテスト」「躍度テスト」の3つ。操作速度と躍度の関係、車両特性と躍度の関係を、走る・曲がる・止まる・の各項目に分けて体感する「躍度テスト」については、現在販売中のモーターファン・イラストレーテッド(MFi)136号で、同編集部の野崎博史さんが詳しくレポートしてくれているので、ここでは「一般道走行」と「オートテスト」のインプレッションをお届けする。
最初のメニューとなった「一般道走行」は、郊外のワインディングを中心にJR士別駅周辺の市街地を含む片道約35kmのコースを、折り返し地点でCX-8あるいはCX-3へ乗り換えながら走るというもの。同時に走る4媒体に割り振られた試乗車はCX-8が2台ともディーゼルの4WDで、CX-3はエンジンこそ2台ともガソリンではあるものの、駆動方式は1台が4WD、もう1台がFFというラインアップだった。
士別駅付近で運転を交代し市街地でステアリングを握ると、交差点の手前や橋の上などアイスバーンと化している場所では路面の変化に敏感なCX-3の特性が顔を出すものの、その動きに唐突さはなく、スリップしそうな状況になっても余裕を持って対処できる。
しかも、アクセルペダルの操作に対してクルマがリニアに加速してくれるため、不必要にトラクションをかけすぎてホイールスピンを起こすことがない。雪道に不慣れな筆者ですらこうなのだから、雪国に住む人ならばより一層余裕と自信を持って運転できることだろう。
その安心感は上り坂での加速においても変わらない。CX-3ガソリン車の192Nm/2800rpmに対し450Nm/2000rpmと、2.5倍もの最大トルクを発生するCX-8は、たとえ4WD車でも神経を使うだろう……と思いきや、3000rpmまで回してもホイールスピンせず、怒濤の勢いで加速していった。
そして、CX-3と最も大きく異なったのは、アイスバーン混じりの市街地。轍やスプリットミュー路ではやや神経質な面が見られたCX-3に対し、CX-8はものともせず矢のように突き進む。二回り以上大きなボディサイズが有利に働いているのは言うまでもないが、デビューからすでに3年が経過しているCX-3に対し、今まさに発売されたばかりの最新モデルであるCX-8には、「躍度」を重視したクルマ作りがより色濃く反映されているように思えた。
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