連載コラム「酷道を奔り、険道を往く」Vol.11 ひしゃげたガードレールが怖い！ もうすぐ走れなくなるかも知れない冠山峠へ『林道冠山線&国道417号線（酷道険道：岐阜県／福井県）』VWポロ

• 2019/11/02

• MotorFan編集部 小泉 建治

  

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新トンネルができたら林道冠山線は閉鎖される？

　そんなこんなで、林道区間に入ってから約20kmほど走ったところで道路がググッと広くなり、センターラインが現れる。「田代第三トンネル」の入口の手前だ。地図上ではもう少し手前から国道417号線の名前が復活していたようだが、実際にはここまでがいわゆる酷道険道だったと言える。

　所要時間は2時間半ほどだったが、撮影がなければ40分ほどで走破できるはずだ。

　冒頭で述べたとおり、峠越えの前後が国道を名乗らないため、林道冠山線および国道417号線は酷道として話題に上ることが少ない。知名度も、お隣の国道157号線と比べると明らかに低い。だが、緊張感、走り応え、それらを含めた酷道険道らしさは最凶酷道、国道157号線に比肩する。

　ひとつ心配なのは、冠山峠道路が完成したら林道冠山線はどうなってしまうのかということだ。旧道になっても保守管理にコストがかかるのは事実で、閉鎖されてしまう可能性は低くない。

　一方で楽観的な要素もあって、冠山峠には冠山や金草岳への登山道の入口があるため、登山客のためのアクセス路としての需要が林道冠山線にはあるということ。だが、例えば岐阜県側からはアクセスできるけれど、福井県側へは抜けられなくなるということも考えられる。あの落石の多さを思えば、それも十分にあり得るだろう。

　ともかく、林道冠山線と国道157号線という、本州屈指の酷道険道がこれほど近い位置に並行して通っているのは、好き者にはたまらない話である。

　福井県に抜けた先には、越前大野という風光明媚な城下町もある。中京エリア、中部エリアに在住であれば言うまでもないが、関東や関西からでも一泊二日ほどあれば林道冠山線と国道157号線を一気に楽しむことができる。

　とはいえ万人にオススメできるルートではないし、それなりにリスクもあることはお忘れなく！

国道157号線とセットで走れば楽しみも倍増！

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