59.2kWhのバッテリーを搭載し航続距離は245~315km
今夏にも日本発売が予定されている、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」新型だが、海外ではBEVモデルが登場した。
現段階で、日本に導入が予定されているハイラックス新型は、2.0リットル直列4気筒ディーゼルターボ+マイルドハイブリッド搭載モデルのみとなっている。

海外仕様のBEVハイラックス TRAVO-eは、フルタイムAWDと急速充電機能と、59.2kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載するが、システム総合出力が196ps/144kWに抑えられているばかりか、航続距離が約315kmと短く、ディーゼルモデルとハイブリッドモデルの両方に比べて大幅に割高になることがわかった。
次世代ハイラックスは、同モデル史上初めて、既存のガソリン、ディーゼル、マイルドハイブリッドモデルに加え、完全電気自動車モデルがラインナップに加わった。オーストラリアでは、このゼロエミッション・トラックが注文受付を開始し、国内ハイラックスラインナップの中で最も高価なモデルとして位置づけられている。

オーストラリアのBEV価格ラインナップを見ると、エントリーレベルのハイラックスBEV SRダブルキャブシャシーは、74,990豪ドル(約821万円)という高額な価格設定となっている。これは、同等のディーゼルエンジン搭載マニュアルトランスミッションモデルよりも20,000豪ドル(約219万円)も高い設定だ。
また、電動ハイラックスシリーズの最上位SR5では、82,990豪ドル(約900万円)で、現在オーストラリアで購入できるハイラックスの中で最も高価なモデルとなっている。
問題は、価格に見合うだけの価値があるのかという点だ。BEVはデュアルモーターシステムを搭載し、フルタイムAWDに加え、マルチテレインセレクトシステムによる6つの走行モード選択機能も備えているため、オフロード性能も申し分ない。しかし、最高出力196ps/144kW、最大トルク468Nmはいささか物足りなさがある。
また、動力源は59.2kWhのバッテリーで、NEDCサイクルでの航続距離は仕様によって245~315kmとされている。これは、主戦場となる広大なオーストラリアで、長距離走行するには、理想的とは言えないかもしれない。
ただし、10~80%の充電は約30分で完了、センターコンソールに1,500Wのインバーターが搭載されているため、必要に応じてモバイル電源としても利用できるなど、利点もある。
もう一つのマイナスポイントは、牽引能力ga2,000kg(4,409ポンド)に制限されており、ディーゼルモデルの3,500kg(7,716ポンド)を大きく下回っている点だ。
ハイラックスBEVのエクステリアは、密閉型のグリルと、空力性能向上のためにデザインされた専用形状の17インチアルミホイールによって、他のモデルとは一線を画している。
価格設定とやや物足りない航続距離を考慮した結果、トヨタはオーストラリアでの初年度販売台数をわずか500台に抑えているようだ。BEVは、航続距離よりも日常的な使用状況が重視される鉱山や建設現場の車両として使われる可能性が高いようで、こうした状況を踏まえ、ハイラックスBEVが鉱山事業者と緊密に連携し、僻地の過酷な環境下で既に徹底的なテストを実施済みだという。
ディーゼルハイブリッド搭載のハイラックス新型は、今夏にも日本発売予定で、2027年以降は市場の動向によってはBEVモデルも期待されていたが、この価格では、日本導入は遠のきそうだ。






