「日常の扱いやすさ」は
重要なファクター
高額な高性能モデルを選んだからといって、必ず満足できるとは限らないのがブレーキパッド。選択を誤ると、不満どころか、使えないこともある。
ディクセルのブレーキパッドは、ユーザーの選択ミスを防ぐために、アイテムのバリエーションをあえてシンプルに少なくしている。
普段乗りからサーキット走行までを1台のマイカーで楽しむ一般的なユーザーがターゲットのストリートスポーツパッドは『ESタイプ』『Sタイプ』『Zタイプ』の3種類で、それらは用途によって棲み分けがなされているが、同時にどんなクルマに用いるか、どんなタイヤで走るかによっても分けることができるようになっている。

ストリート~本格サーキット/ライトウエイト車~重量級車
ハイグリップラジアル~セミスリックが目安
【材質】グラファイト・メタリック
【適正温度】0~850℃
まず、ロングセラーの『Zタイプ』はストリートから本格サーキットまでを広くカバー。ハイパワー車や重量級の車種にも対応し、わかりやすくPOTENZA、ADVAN、DIREZZAのタイヤでいうと、RE-71RZ、NEOVA AD09、ZⅢなどのスポーツラジアル、その上のRE-12D(実際には71RZもグリップレベルはこのクラス)、A052/A08B、β02/β11などのハイグリップ(レーシング)ラジアル、A050、03Gといったセミスリックの装着を前提としている。
ロングセラーだが、クルマやタイヤの進化に合わせてマイナーチェンジを重ねてきた。なので、ひと昔前のパッドではなく、いまどきのテイストを備えていると思ってよいだろう。

ストリート~ミニサーキット/ライトウエイト車
スポーツラジアル~ハイグリップラジアルが目安
【材質】ノンアスベスト・ロースチール
【適正温度】0~700℃
3つの中で最後発の『Sタイプ』はストリートからミニサーキットが守備範囲。正確にいうと、本格サーキットでもブレーキに厳しくないコースは◎で、ミニサーキットでもフルブレーキだらけのコースは△だ。
ストリート主体ならハイパワー車や重量級もOKで、サーキットなら車両重量1200kg台までのライトウエイト車までといったイメージ。
スポーツラジアルを想定しているが、実際にはハイグリップラジアルも、逆にひとつ下のスタンダードラジアル(Adrenalin RE005、FLEVA V701、DZ102など)もカバーする。

ストリート~パークトレーニング/軽自動車~
スタンダードラジアル~スポーツラジアルが目安
【材質】ノンアスベスト・オーガニック
【適正温度】0~600℃
そして、『ESタイプ』はストリートからパークトレーニング(ジムカーナ場やクローズドの駐車場を使った反復練習会)といったところで、サーキットなら軽自動車。タイヤはスタンダードラジアルで、スポーツラジアルでも支障はないというイメージだ。
いずれもクセがなく、コントロールしやすい特性を備えている。また、日常も純正のようにナチュラルで、しかし、ほどよくカチッとしたペダルフィールで扱いやすく、普段からブレーキングの精度を高めるトレーニングにも違和感なく使えるのだ。いつでもどこでも『止める』『曲げる』を阻害しないパッドといえるだろう。
パッドのキャパを高める
ローターとの組み合わせ
ブレーキチューニングは『必要にして十分』が理想的。ビッグキャリパー&大径ローターは容量アップに魅力的だが、バネ下重量が重くなるというデメリットも抱えることになる。
しかし、パッドだけでは厳しくて……、あるいは純正キャリパーがもたなくて……などという場合、ディクセルの次の一手はパッド+ローターのセット。とくに、熱処理を施して耐熱性を高めた『HD』『HS』『FP』『FS』『FC』といったあたりがオススメだ。比較的低コストでブレーキのキャパを引き上げてくれる。
ちなみに、『HD』『FP』はノンスリットタイプで、『HS』『FS』はストレートスリット入り、『FC』はカーブスリット入りとなっている。『FP』『FS』『FC』はハイカーボン材だ。
スリット入りはパッドの性能を引き出しやすい反面、消耗をやや早めてしまうことも知っておきたい。またフルード交換やエア抜きなどのメンテも忘れずに。

ブレーキパッドのSタイプは編集長つかポンのNDERCロードスターに装着してロングランテスト。筑波コース2000でも物足りなさはなく、コントロール性のよさが曲げやすさにも貢献。ライフはほんのちょっと短め? と思うくらいだ。
本庄サーキットでの木下みつひろ連続周回インプレッションはYouTube REVSPEED Channelで観ることができる。ストリートパッドなので、サーキットでの使い始めは2~3周で一次フェードが起きるが、冷ましたあとはガスが抜けてカチッとしたタッチになることも知っておきたい。

安全性はもとより、ブレーキの性能をフルに発揮させるためにも、ブレーキフルードの定期的な交換とこまめなエア抜きは必要。ディクセルでは『328 Racing』と『DUR』のふたつを推奨。
いずれもドライ沸点が高く、サーキット走行の安全性に寄与。しっかりしたペダルタッチが得られ、ダイレクト感やコントロール性が高まる。棲み分けとしては『328 Racing』がストリート兼サーキット。『DUR』がサーキット向きといったイメージだ。
■ディクセル
TEL 06-6340-0121

