フロントカウルを開けると13L! “バスケットイン”が新発想

SUZUKI レッツ|1996年発売

初代レッツをひと目で特徴づけるのが、フロントカウルの中に収められた収納式フロント・トランク「バスケットイン」だ。

容量は13L。いわゆる前カゴを車体の外側へ取り付けるのではなく、フロントカウルの中へすっぽり収める構造とすることで、荷物を積める実用性とすっきりしたスタイリングを両立していた。

しかも、バスケットに荷物を入れても大型ハロゲンヘッドランプの光を遮りにくい配置としていたのがポイント。毎日の買い物で使うことをしっかり考えた装備だった。

フロントカウルに“隠しバスケット”を備えるという発想そのものが、初代レッツらしい個性なのだ。

シート下にも20L! “積める”だけじゃなく使いやすい

収納はフロントだけではない。シート下にはフルフェイスヘルメットも格納できる20Lの照明付きパーソナルスペースを確保。さらにインナーラックやコンビニフックも備え、日常の細かな荷物にも対応していた。

盗難抑止機構として「スタンドロック」も採用。センタースタンドをロックできる構造で、便利さだけでなく普段使いで気になる防犯面にも配慮されている。

こうした装備をひとつずつ見ると、レッツが目指した方向はかなり明快だ。速さやスポーティさを競うのではなく、買い物や通勤・通学など、毎日の生活で「あると助かる」を積み重ねている。

初代レッツは、その後長く続くレッツシリーズの出発点。軽さや扱いやすさ、日常の足としての使い勝手を重視する考え方は、後のモデルにも受け継がれていった。

6.8psの2ストエンジンを搭載! 実用派でも走りはしっかり

搭載するエンジンは、49cc空冷2ストローク単気筒で、最高出力は6.8ps/7000rpm、最大トルクは0.73kgm/6500rpm。Vベルト無段変速を組み合わせる。

実用性を前面に出したモデルだからといって、走りまで控えめというわけではない。当時の50ccスクーターらしい2ストエンジンの性能を備えつつ、荷物を積んで街中を使うための便利装備を組み合わせていた。

初代レッツは、単に収納が多いだけのスクーターではなかった。前カゴを車体の中へ隠し、シート下にも大容量スペースを持たせ、日常で必要な装備をひとつの車体へまとめる。その後長く続く「レッツ」という名前の原点には、最初から“毎日使いやすいこと”がしっかり詰め込まれていた。

【SPECIFICATIONS】

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.8ps/7000rpm
最大トルク:0.73kgm/6500rpm
全長×全幅×全高:1675×635×1005mm
重量:68kg(乾)
タイヤ:3.00-10・3.00-10
変速機:Vベルト無段変速
発売当時価格:14万8320円(税込)

※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】