新型センチュリーに繋がるDNAを探る 初代センチュリーに見るトヨタの高級車への意気込み メカニズム編
- 2018/07/04
-
CAR STYLING編集部 松永 大演

超高級車のトヨタ・センチュリーがフルモデルチェンジを受けて登場。なんだ、全然違わないじゃないか、と思う人もいるかもしれないが、「これこそがセンチュリーらしさ。よくぞ良い進化をしてくれた!」 と絶賛する声も聞こえる。ここではそんなセンチュリーのDNAに触れてみよう。

いよいよセンチュリーの3代目が登場となったが、2代目発表が1997年だったので、21年ぶりのフルモデルチェンジだ。初代の登場が1967年9月25日発表/11月発売だったので誕生から、まる50年を経過したことになる。
何よりも注目なのは、デザインイメージが大きく変わっていないことだ。当然ながら、プラットフォーム、レイアウトは進化しているのでセンチュリーの持つデザインテーマ、特徴となるエッセンスが意図のもとに初代から継承されてきたことになる。
ところでここではその起点となった初代センチュリーについて、かつてのモーターファン誌から紐解いてみたい。

実際のところ特別なユーザーに向けたショーファードリブンの超高級車ということで、モーターファン誌には掲載はそれほど多くないのだが、幾つかのポイントをピックアップすることができた。
初代センチュリーは、クラウンエイト(1964-)の後継として誕生。このエイトは1965年に実施される貿易自由化に向けて、セドリックスペシャルなどとともに欧米の中型車の競合たりうるモデルとして誕生…という経緯もある。
初代センチュリーはハイエンドの高級車として企画され、新開発の3リットルV8エンジンを搭載。クラウンエイト時代からの技術を結集しブロックやヘッドをアルミ化されたエンジンは、単体重量では当時のクラウンのM型より軽かったという。
ボディはモノコック化されたが、前後サスペンションはゴムブッシュを介したサブフレームにマウント。
フロントサスペンションは一見ストラットのようなのだが、トレーリングアーム・オレオ型と呼ばれるもので、ロアアームが前方から伸びたトレーリングアームに支持される。これに空気バネとダンパーが組み合わされることで、エアサスと呼ばれている。しかし実際にはエア制御されているのはフロントのみ。リヤサスペンションは、トレーリングアームに金属のコイルバネとダンパーが組み合わされたリジッド式だ。
興味深いのは、ステアリングのリンク機構で、タイロッドとナックルアームがエンジンルームの上部に取り付けられていることだ。サスペンションの動きによって操舵角が影響を受けないことが大きなメリットとなるが、加えてエンジンの搭載位置も50mm下げることができている。
さらに4速マニュアルトランスミッションを採用したA仕様では、リミテッドスリップデフが標準装備(他グレードではオプション)されていたという、意外な面もある。
いずれにしても、意欲的な技術的野心に満ちた車作りが感じられる1台である。
ちなみにこの“センチュリー”(100年 / 1世紀、英語)とは、明治100年、豊田佐吉翁生誕100年を記念して付けられたという。
|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア
「自動車業界を支える”エンジニアリング“ 、”テクノロジー”情報をお届けするモーターファンテックの厳選転職情報特集ページ

トヨタ系列に特化した自動車開発専門企業 開発設計<ワイヤーハーネス>
年収 | 405万円〜804万円 |
---|---|
勤務地 | 愛知県安城市,愛知県豊田市,愛知県刈... |
東証プライム上場、トヨタ系列の内装部品システムメーカー 設計開発<内装トリム>
年収 | 500万円〜800万円 |
---|---|
勤務地 | 愛知県豊田市猿投工場に配属予定です。 |
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション

日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報

トヨタ センチュリー
フロアシフト 後期モデル/ドアミラー/レザーシート/電動リアカーテン/手動サイドカーテン/地デジ...
中古価格 616.6万円

トヨタ センチュリー
フロアシフト ドライブレコーダー ETC オートクルーズコントロール バックカメラ ナビ アルミ...
中古価格 316.4万円

トヨタ センチュリー
ベースグレード 純正ディスプレイオーディオ(CD/DVD/SD/Bluetooth/フルセグTV...
中古価格 992.1万円

トヨタ センチュリー
標準仕様車 デュアルEMVパッケージ コラムシフト リア電動カーテン ETC セキュリティシステ...
中古価格 153.7万円

トヨタ センチュリー
ベースグレード リアエンターテイメント/9インチナビ/ビルドインETC2.0/トヨタセーフティー...
中古価格 1805.8万円

トヨタ センチュリー
ベースグレード エターナルブラック フロマージュ本革シート T-コネクトナビTV リアエンターテ...
中古価格 1906万円