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〈試乗:シトロエンC5エアクロスSUV〉極上の乗り心地……もう、それだけで十分だ

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ラリーカーの技術がコンフォート性能に昇華

 だが本番は走り出してからだ。

 ボディが上下にフワフワするのである。ピッチングというより、前後同時に全体が上下に動く感覚だ。

 とても気持ちがいい。

 これこそ、実はC5エアクロス最大のハイライトである「PHC」がもたらす走り味なのである。

 PHCとは、プログレッシブ・ハイドローリック・クッションズの略で、ダンパー内にセカンダリーダンパーが設けられたものだ。このセカンダリーダンパーはストッパーとして使われ、実質的な総ストローク量が増えるだけでなく、サスペンションを柔らかく設定できることが特徴だ。

 シトロエンはこれを「伝統のハイドロニューマチックの現代的解釈」としている。

 その効果は絶大で、街中や高速道路ではゆったりと大海原を往く客船の如き鷹揚な振る舞いを見せる一方、タイトなコーナーをそこそこのペースで楽しんでも、セカンダリーダンパーが的確に働くため腰砕けにはならない。

 そもそもこの技術は、もともとラリーカーのために発案されたものなのだ。

ラゲッジスペース容量は、通常の5名乗車時で580Lを確保。スクエアで使いやすい形状だ。
リヤシートは1/3ずつの分割可倒式。写真は2分割式トノカバーの手前だけ外した状態。
リヤシートを2名分倒し、トノカバーを外した状態。3名分倒せば1630Lまで拡大する。
トノカバーが2分割式となっているのは珍しい。それぞれ独立して取り外すことができる。
リヤハッチゲートは電動式で、バンパー下で足を動かすだけで開閉させられるハンズフリー機能も備える。
ラゲッジスペース左側の壁面には12V電源ソケットが備わる。写真はキャップを開けた状態だ。

「エアバンプ」と呼ばれる樹脂製パーツ。C4カクタスから始まったシトロエンのアイデンティティだ。
 一方でパワートレインは、いい意味で黒子に徹している。ディーゼルならではの低速域から豊かに湧き上がるトルクはそのままに、意外やトゥルルルルッとガソリン並みにみずみずしく回る。とはいえ、それはけっして主張の強いものではなく、ドライバーを急き立てるようなものではない。アイシン製8速ATの緻密な制御も相まって、必要なときに必要なだけパワーがデリバリーされるといった感覚だ。

 そして最後に、ADASの充実ぶりにも触れておかねばなるまい。C5エアクロスには、アダプティブクルーズコントロールはもちろん、レーンポジショニングアシスト、制限速度や進入禁止の道路標識を認識する機能、自動切り替え機能付きハイビームなど、先進の運転支援機能ががひととおり装備されている。数年前のフランス車では考えられなかったことだが、そういう意味では、直接のライバルであるルノーにも奮起を期待したいところだ。

 往年のシトロエンを思わせる極上の乗り心地──それだけでC5エアクロスを選ぶ価値はある。そのうえ、パワートレインにもADASにも死角は見当たらない。フランス車好きはもちろん、そうでない方にもぜひとも選択肢に入れていただきたい一台である。
 

第1ステージは流れに乗った高速走行。第2ステージは穏やかなペースでワインディングロードを走行。第3ステージは第2ステージと同じコースを折り返し、8速ATのMTモードを使用して適度に楽しんだ。第4ステージは第1ステージの折り返しだが、15kmほど渋滞に巻き込まれた。

C5エアクロスSUV
全長×全幅×全高:4500×1850×1710mm
ホイールベース:2730mm
車両重量:1640kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1997cc
ボア×ストローク:85.0×88.0mm
圧縮比:16.7
最高出力:130kW(177ps)/3750rpm
最大トルク:400Nm/2000rpm
トランスミッション:8速AT
燃料タンク容量:52L
WLTCモード燃費:16.3km/L
駆動方式:FF
乗車定員:5名
ハンドル位置:右
サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット/トーションビーム
タイヤサイズ:235/55R18
車両価格:424万円

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