日本市場で唯一のディーゼルPHEV、メルセデス・ベンツE350deは現代に甦ったW124型500Eである|Eクラス・ディーゼル プラグインハイブリッド試乗記
- 2019/12/06
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MotorFan編集部 小泉 建治
日本市場で初めて販売されるディーゼル+プラグインハイブリッド、メルセデス・ベンツE350deが10月末に導入され、このほど試乗する機会を得た。まだWLTCモード燃費は公表されておらず、今回のテストドライブで実燃費を計測することもできなかったが、環境性能を越えるドライビングプレジャーがそこにはあった。
REPORT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)
シームレスかつ力強い加速性能が魅力
ディーゼルとプラグインハイブリッドの組み合わせと聞けば、やはりどうしたって燃費が気になるというものだ。だがE350deはまだ日本導入が発表されたばかりで、WLTCモード燃費はまだ公表されていない。
そして今回のテストドライブも時間が限られていたため、燃費は計測できていない。
だがそんな環境性能を抜きにしても、E350deには積極的に選びたくなる理由があった。それはともに低回転域を得意とするディーゼルと電気モーターの組み合わせがもたらす、圧倒的なトルクと加速性能だ。
本稿では、E350deのシームレスかつ力強い加速性能にフォーカスして報告したい。
E350deが搭載するのは直列4気筒ディーゼルターボで、194psの最高出力と、400Nmという強大なトルクを1600rpmという低回転域で発生する。これに9速ATを組み合わせるのだから、それだけでも強烈かつシームレスな加速が期待できるというもの。
さらにそこへ最高出力122psと最大トルク440Nm(!)を発生する電気モーターをアドオンし、システム最高出力306ps、システム最大トルク700Nm(!!!!)を発生する。
ちなみにE350deの「de」は、なんとなく「diesel」を略したものかと思っていたが、「d」は従来通り「diesel」で、「e」は「electric」を意味しており、メルセデス・ベンツではプラグインハイブリッドに付けられる。だからE220dはディーゼル、E350eはガソリン・プラグインハイブリッド、そしてE350deはディーゼル・プラグインハイブリッドということになる。
まずはエンジンだけの加速を試すために、チャージモードにセットする。バッテリーへの充電を優先するモードで、基本的にはエンジンだけで走行する。
予想していた通りエンジンだけでも十分以上の加速力で、アクセルをそっと踏んでいるだけでも9速ATはポンポンとシフトアップを繰り返し、気がつけばビックリするような速度に達してしまう。
次にEVモードに切り替える。エンジンが掛かっている状態でもディーゼルとは思えぬ静粛性だと感心していたが、言うまでもなくEVモードの静けさは別格だ。そしてアクセルを踏み込んだ瞬間に440Nmもの大トルクが立ち上がる。
もはや、どちらかがどちらかをアシストするのではなく、超強力なパワーユニットがふたつあると思った方がいい。
発進加速と静粛性に優れる電気モーターでできるだけ長い距離を走り、バッテリー残量が減ってきたら、その電気モーターに限りなく近いトルク特性を持つディーゼルエンジンが代わりを務める。そんなロジックだ。
ちなみに電気モーターのみでの航続距離は最大で50km(WLTPでの欧州参考値)とされている。
それはデフォルトであるハイブリッドモードで走るとわかりやすい。電気モーターで走れるときはエンジンが介入せず、エンジンが掛かっているときは電気モーターがアシストすることはほとんどなく、回生やエンジンからのチャージに徹している。
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