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畑村耕一博士の「2020年の年頭に当たって」①博士はSKYACTIV-Xをどう見たか? エンジン博士畑村耕一「過給リーンバーンの技術競争が始まった」:自動車用パワートレーンの将来:マツダSKYACTIV-Xの評価は?

  • 2020/01/01
  • Motor Fan illustrated編集部
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マツダのSKYACTIV-Xについても博士としての評価をしている。詳しくは本文をご覧ください

マツダでミラーサイクル・エンジン開発を主導したエンジン博士の畑村耕一博士(エンジンコンサルタント、畑村エンジン開発事務所主宰)が、2020年のスタートにあたり自動車用パワートレーンの将来:2020年の年頭に当たって」を寄稿してくださった。年初の恒例となった畑村博士のエンジンの専門家としての意見、視点をぜひご覧になっていただきたい。
TEXT◎畑村耕一(Dr.HATAMURA Koichi)

1:まえがき

 2020年、令和二年の新しい年の始まりにあたって、将来の自動車用パワートレーンが進むべき方向を筆者なりに考えてみたので、自動車業界とも電力業界ともしがらみのない意見を読者の皆様に公開したい。Motor Fan illustrated誌に連載している「博士のエンジン手帖」のように楽しんでいただければ幸いである。
 これまでを振り返ってみると、2018年には「2017年パワートレーンの重大ニュース」と題してEVフィーバーに関する警鐘から始まり、日産ノートe-POWERとSKYACTIV-Xの技術解説と電気自動車(EV)のCO2排出量の算出方法の話に続いて、 2050年を見据えた2030年までのパワートレーンの進むべき道を提案した。
 結論は、EVと日産のe-POWERの電動駆動は素晴らしく快適な走りを実現できるが、Well-to-Wheel(油井から車輪まで)で評価するとEVは石炭火力からたくさんのCO2を排出するので、EVよりハイブリッド(HEV)の方がCO2削減効果が大きい。不安定な再生可能エネルギーが原因で生まれる余剰電力から水素を生成して気体から液体までの燃料を製造する開発が進められているので、将来的には燃料電池車に加えてHEV(従来エンジン車)もカーボンニュートラル走行ができるようになる。

『2050年を見据えた2030年までのパワートレーンの進むべき道』畑村耕一「2017年パワートレーンの重大ニュース」最終回

マツダでミラーサイクル・エンジン開発を主導したエンジン博士の畑村耕一博士(エンジンコンサルタント、畑村エンジン開発事...

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①「エンジンはなくならない」が「エンジンはないほうがいい」

 筆者のグライダーパイロットと電動車両の開発の経験から「エンジンはないほうがいい」という哲学を持ったこと、最近は、EVフィーバーが起こってンジンはなくなるという風潮が生まれていることに対して「エンジンはなくならない」と主張していることを述べた

②エンジンで直接タイヤを駆動するクルマは20世紀の遺物と呼ばれる日が来るかもしれない

 車の駆動力特性から考えて、エンジンとトランスミッションの組み合わせでは電動駆動のような車の理想とする走りは実現できない。多くのユーザーがEVの快適な走りを知ってくると、エンジンが直接タイヤと繋がっていないEVに匹敵する快適な走りが要求されるようになる。

②エンジンで直接タイヤを駆動するクルマは20世紀の遺物と呼ばれる日が来るかもしれない 畑村耕一「2019年パワートレーン開発への提言」

マツダでミラーサイクル・エンジン開発を主導したエンジン博士の畑村耕一博士(エンジンコンサルタント、畑村エンジン開発事...

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③中期的にも長期的にもEVの普及がCO2削減に有効な手段であるとは限らない

 各種環境対応車のCO2排出量を、実用燃費に近いEPAの燃費ラベルを使ってエネルギーの発生過程を含めて算出した。当面はEVよりHEVの方がCO2排出量が少ない。EVでCO2を削減するには、不安定な再エネ発電から生じる余剰電力を使って充電することが必須である。

③中期的にも長期的にもEVの普及がCO2削減に有効な手段であるとは限らない畑村耕一「2019年パワートレーン開発への提言」

マツダでミラーサイクル・エンジン開発を主導したエンジン博士の畑村耕一博士(エンジンコンサルタント、畑村エンジン開発事...

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④カーボンニュートラルを実現する燃料 水素とCO2から合成するe-fuelに注目!

 欧州では、余剰電力を使って天然ガス自動車に使うメタンを生成するe-Gasプラントが稼働している。加えてガソリンや軽油の代わりに使える燃料(e-Fuel)を製造する開発が進められているので、将来的にはEVだけでなくHEV(従来エンジン車)もカーボンニュートラル走行ができるようになる。

④カーボンニュートラルを実現する燃料 水素とCO2から合成するe-fuelに注目!畑村耕一「2019年パワートレーン開発への提言」

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⑤ノートe-POWER 走りと環境性能を両立するパワートレーンとは?

 理想の走りの実現には電動駆動、CO2排出量の削減にはHEV、という条件を満たすパワートレーンはe-POWERで実用化されたシリーズハイブリッド(S-HEV)になる。 その走り感は特筆もので、エンジンが特定運転領域に限られることから、専用エンジンにすれば大幅な燃費向上が可能になる。

⑤ノートe-POWER 走りと環境性能を両立するパワートレーンとは? 畑村耕一「2019年パワートレーン開発への提言」⑤

マツダでミラーサイクル・エンジン開発を主導したエンジン博士の畑村耕一博士(エンジンコンサルタント、畑村エンジン開発事...

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⑥SKYACTIV-Xか可変圧縮比か。シリーズハイブリッド専用の高効率エンジン実現に向けて

 S-HEV専用エンジンの採用技術を考えた。SKYACTIV-XのHCCIは、低負荷の熱効率を改善できてもピンポイントの熱効率向上には適さない。日産の可変圧縮比は、ピンポイントの熱効率向上には必要ない。SIPではロングストロークのスーパーリーンバーンで熱効率50%の実現を目指している。

⑥SKYACTIV-Xか可変圧縮比か。シリーズハイブリッド専用の高効率エンジン実現に向けて 畑村耕一「2019年パワートレーン開発への提言」⑥

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⑦2ストローク対向ピストン・ガソリンエンジンの可能性

 S-HEV専用エンジンは低負荷運転が不要なので、超ロングストロークの2ストローク対向ピストンエンジンを復活できる可能性がある。 2ストロークはA/F30でも4ストロークと同等のトルクを発生するのでスーパーリーンバーンと相性がいい。超高効率のこの単気筒エンジンは無振動を実現できる。

⑦2ストローク対向ピストン・ガソリンエンジンの可能性 畑村耕一「2019年パワートレーン開発への提言」最終回

マツダでミラーサイクル・エンジン開発を主導したエンジン博士の畑村耕一博士(エンジンコンサルタント、畑村エンジン開発事...

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 以上のことをベースに、2019年の筆者が注目した出来事を取り上げ、それぞれの思想と技術を紹介して、自動車用パワートレーンの将来像を示したい。

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