日産スカイラインGT:国産FRスポーツセダン 選ぶべきは400Rか300か。はたまたトヨタ・クラウンRSか。エンジンの魅力で考えると
- 2020/04/11
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MotorFan編集部 鈴木慎一
日産スカイラインGT Type Pに試乗した。3.0ℓV6ツインターボ搭載の生粋の「スカG」である。パワーは304ps。同じエンジン搭載の400R(405ps)より101ps出力ダウンのスカGに魅力はあるか? ライバル、トヨタ・クラウンRS(2.0直4ターボ)と比べたら?
最初からこのパッケージだったらよかったのに


現行スカイライン(V37型)は、2014年デビューだから、決して新しいクルマではない。デビュー当初は3.5ℓV6HYBRIDモデルだけで、旧型V36型も併売したり、なにより、日産スカイラインなのに「インフィニティ顔」にしたり、2014年にはダイムラー(メルセデス・ベンツ)の2.0ℓ直4ターボ(M274型)を載せたりと日産のダメなマーケティング戦略に翻弄されたクルマと言っていい。
2019年7月にマイナーチェンジを受け、ようやく自社開発の3.0ℓV6ツインターボ(VR30DDTT型)を載せ、フロントフェイスも「日産顔」を手に入れた。
ハイブリッドモデルには、プロパイロット2.0というキラーコンテンツを投入し、コンベのエンジン搭載車は、「スカG」の名前に恥じないハイパワーのV6ターボエンジンを載せた。トップモデルは400ps(実際は405ps)の「400R」を擁する。今回のGT Type Pは同じエンジンながら最高出力を300ps(実際には304ps)に抑えたモデルである。今回は「400R」に対して「300GT」と呼ぶことにする。
最初に結論めいたことを言わせていただくと、「なんで最初からこれで出さなかったんだろう」と思わせるほど、V6ターボエンジン搭載のスカイラインは良い。「クルマの魅力の多くはエンジンだよなぁ」と(たとえ旧世代だと後ろ指さされても)呟いてしまう。
3.0ℓV6ツインターボ(VR30DDTT)がいい
300GTが搭載する3.0ℓV6ツインターボの型式はVR30DDTT。2016年デビューで当初はインフィニティQ50/Q60に搭載していた。生産は福島・いわき工場なのに、日本では乗れないエンジンだったのだ。Vバンク角は60度、ボアピッチも108mmだからVQ系と共通だ。DDTTという型式からもわかるように、DOHC(D)直噴(D)、ツインターボ(TT)である。このエンジン、個人的には現代のV6エンジンのなかでは五指に入るいいエンジンだと思っている。
400Rに乗ったときも、「ああ、いいエンジンだな」と思ったが、その感触は300GTでも変わらない。
400Rが
最高出力:405ps(298kW)/6400rpm
最大トルク:475Nm/1600-5200rpm
なのに対して300GTは
最高出力:304ps(224kW)/6400rpm
最大トルク:400Nm/1600-5200rpm
と101ps/75Nmほど穏やかな出力となっている。とはいえ、304psですよ! アクセルをひとたび踏めば期待以上の加速が味わえるし、そこに至るまでに、いわゆる「ターボラグ」を感じることもない。
インタークーラーが400Rと違って「強化型」ではないのと、ターボチャージャーに回転センサーがつかない(からギリギリまでのターボの回転限界までは使わないのだろう)し、もちろん過給圧も違うのだろうが、味わいはさほど変わらない。少なくとも首都高を流したり都内をのんびり走るときには405psと304psでなにかが大きく違うわけではない。
燃費性能も
300GT
WLTCモード燃費:10.0km/ℓ
市街地モード 6.2km/ℓ
郊外モード 10.6km/ℓ
高速道路モード 12.9km/ℓ
400R
WLTCモード燃費:10.0km/ℓ
市街地モード 6.5km/ℓ
郊外モード 10.6km/ℓ
高速道路モード 12.5km/ℓ
とほぼ同じ(つまりモード走行では300も400も必要ないのだ)。
とにかく、言えることは「VR30DDTTは良いエンジン」だということ。
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