ジェットコースター感覚ではその効果が期待できない

サーキット走行会やイベントなどで行われる同乗走行。「プロドライバーの横に乗れる」「速いクルマの横に乗れる」など、ジェットコースター感覚で楽しむだけではもったいないものです。

「ドラテク向上の目的意識」を持って同乗走行すれば、大幅なスキルアップにつながります。今回は同乗走行における、注目すべきポイントについて解説していきます。

同乗走行の基本事項は『自分も操作するつもりで』

助手席でも自身で左ハンドルの車を運転しているつもり(右ハンドル車の場合)で挑みましょう。自身の運転とどう異なるかを比較します。

主催者やドライバーに許可が必要となりますが、車載動画を撮影したり、ログデータを取らせてもらえるとさらに有益です。また、お願いできる状況であれば、ドライバーにリアルタイムで解説しながら走ってもらえるとわかりやすいでしょう。

同乗走行の注目ポイント

注目ポイント① ロール・ピッチング(荷重移動)

ドライビングが上手い人は速度は高いのに、ロール・ピッチングの変化がスムーズです。そういったドライビングはクルマに「急」な操作を与えないため、姿勢は安定しており、「まるでクルージングしているかのよう」に思われるでしょう。

余計な修正が少ないために「ラクして走っているよう」「手を抜いて走っているよう」に感じられるかもしれません。「速いドライビング」と「激しい走り」は違うのです。

発生するGは大きいのに、Gの移り変わりはスムーズという、相反する状態が速いドライビングです。スムーズに速く走るのにはテクニックが必要です。具体的なテクニックについては、これから紹介します。

注目ポイント② ハンドルの切り方

ハンドルの切り方は初期がゆっくりで、車速が落ちて舵角が増えるにしたがって切るスピードが速くなることが理想です。ハンドルの切り方と横Gの変化(荷重移動)を意識するとよいですね。ゆっくり切る、ググっと速く切る… …など操作にメリハリがあります。

注目ポイント③ ブレーキの踏み方

主催者やドライバーに許可が必要となりますが、車載動画を撮影したり、ログデータを取らせてもらえるとさらに有益です。また、お願いできる状況であれば、ドライバーにリアルタイムで解説しながら走ってもらえるとわかりやすいでしょう。

注目ポイント④ 曲げ始めの操作

ブレーキ終了と舵角の開始どこからブレーキを踏み始めたか、いわゆるブレーキ開始ポイントに注目しがちですが、大切なのはそれだけではありません。

ブレーキリリースするポイント、ハンドルの切り始めポイントも大切です。スムーズな運転で「いったいどこからブレーキをリリースし、ハンドルを切り始めたのかわからない」と思えるかもしれません。それくらい曲げ始めの操作は丁寧に行う必要があります。

注目ポイント⑤ アクセルの入れ方

アクセル操作でリア荷重をコントロールしています。リア荷重を増減させたり、リア荷重を増やさずにアクセルでクルマの向きを変えたりなど……、アクセル操作によるクルマのコントロールを体感しましょう。

注目ポイント⑥ シフト操作

力まずに素早いシフトをしているのがわかると思います。またシフト操作をしながらでも、同時にハンドル操作やブレーキコントロールをしていることも要注目です。

注目ポイント⑦自身の体幹筋力

スポーツドライビングには体幹の筋肉が重要になります。運転しているときはハンドルで上半身を支えられるため縦Gや横Gに耐えやすいですが、上肢(手~二の腕)は可能な限り力を抜いて体幹で身体を支えるのが好ましいです。

同乗走行の際には体を支えてくれる「ハンドル」がないため、前後左右に振られてしまう人がいます。これは体幹の筋力が不足している証拠。体幹トレーニングを行うと、タイム短縮につながるかもしれません。

このような同乗走行をできるチャンスはあまり多くはないかもしれませんが、速い人と比較ができる絶好の機会です。

プロドライバーだけではなく、仲間内で乗り合ったり、サーキットだけでなく街乗りの際にも「同乗走行」によりドライビングの比較ができます。大切なのは「ドラテク向上の目的意識」。同乗走行によりスキルアップにつなげましょう!


講師
梅田 剛

自身が主宰するUme Racing でもドライビングスクールを開催している梅田講師。同乗走行でのレッスンも行っており、そのエッセンスをここで紹介。

「4輪ドリフト」こそ最速? クルマの旋回性を高める鍵『スリップアングル』とは レブスピードR会 ドラテクの『傾向と対策』セレクション

レブスピードが行っているドラテク通信添削『R会』梅田講師によるコラム。今回のテーマは、スポーツドライビングで速く走るためのスリップアングルについて。 タイヤもベタベタのグリップ内の状態での走行より、若干上の領域が美味しいようで……。 Text/梅田 剛 本記事はレブスピード 2024年7月号からの抜粋です。


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