高価なパーツより大切!? 「自分ルール」が一台の個性を生む

優れたカスタムマシン、というか過去にボク(ゴン太)が担当してきたカスタムマシン紹介の企画でどのように写真を扱うか決めてきたかと言うと、オーナーさんが自身のレギュレーションをどれだけ細かく守っているか、ということだけ。だからボクはドノーマル車も否定しない。

高性能化のために真っ先に手を入れたいクラッチもあえて、一次側純正クラッチのままにする事もアリ。当然、性能的にはギリギリというか自壊の可能性大だが、このような縛りを設けて挑戦すると(いわゆる自分ルール)、あなただけの一台になる。このように仮に「一次側ノーマルクラッチの挑戦」という縛りであれば誰もクラッチに文句など付けないだろう。しかし、速さや安全性、耐久性などが少しでも優先されるなら(ツーリング用途とかね)、一次側ノーマルクラッチ車など論外だ。

だが「あえて……」のような微々たる誇りと言い訳の積み重ねがボクは「モンキー道」だと思う。結局、マシンはあなた自身のレギュレーションに沿うことで、取り付けた部品および加工が演技力を高め、全体のスタイルアップが一層進んで塗装も部品も全部が一体化して説得力を生み出す。まるでカレーのように。

そして、季節ごとの清掃&リセッティングをサボり過ぎてちょっとだけ不調を抱えているキャブレターでも、それを分かっていて、乗り方で合せているのならなんら問題もない。お金をもらって他人のエンジン診ているわけじゃあない限りはね。

ボクの愛車。マフラーはウィリーキッズ製の特注で、サイレンサーはスズキ・SV650用を流用。静かな住宅地でもアイドリングと暖機が可能になった。

ボクがモンキーに課していたレギュレーションは、愛車の後部座席に積めること。そのための10インチなど論外で、窓に当たるためリヤキャリアも不可。

“ナンデモアリ”なのに同じに見える? 「型」を破るのもモンキー道

さて、“ナンデモアリ”なはずのキャブ・モンキーのカスタムマシンなのにみんな同じに見え過ぎて……、と言う人の声も昔から耳にする。言及するなら街中での走行性能を優先すれば10インチホイールとなり、さらにサーキットを楽しく走れるくらいの性能を望むなら、ハイグリップタイヤが履ける12インチ化、となっていき、おのずとカスタムパーツの選択枠が決まり個性を出すのに苦労する事になる(それはそれで楽しいチャレンジになるのだが)。つまり「型」のようなものなんだと思う。

対して、最高の部品を無秩序に揃えて豪華絢爛ビジュアル系カスタムに仕上げるのも頑張った主の歴史を象徴する手段として最高にアリ。だけど、ボクがカスタムマシンを紹介するときも、高価格だけが優劣の基準にはならないよう気を遣っていた。オーナーさんそれぞれの個性を根こそぎ摘むなんてつまらないことをしたくなかったから。でもみんな、部品を買うために毎日頑張るのよ。ボクもそうだった。だからマイモンキーには協賛パーツは無く、自分で購入したモノしか付いていないのです。

そんなボクがあえておすすめするとしたら、70〜80年代耐久レーサーの再現をモンキーで目標にするのは、手軽に「モンキー道」に触れる手段だと思うのですよ。

カウルさえ工面できればカワサキZの耐久レーサー、または初の鈴鹿8耐を制したヨシムラレーサー風とか。80年代前半をもりあげたモリワキモンスター風なんて僕は痺れるな。

※カスタムを楽しむ際は、保安基準や道路交通法などに適合した状態で公道を走行しましょう。

長年カスタムをしていると使わないパーツが溜まってくる。この遠心クラッチのエンジンはそういった部品を組み合わせて組んだものだ。

僕のエンジンのスプロケット取り付け部は、俗に「ボルト締め」と呼ばれる、フィキシングプレートがリベットでかしめてある一体型だったりする(一部のモンキーフリークには伝わるネタかも)。

※この記事は月刊モトチャンプ2024年3月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】