語り合うのはこの2人!
オマケじゃないよ市販車だよ。ホンダさん、モトコンポも再販して!
▲価格は8万円ちょっきりで、前後8インチタイヤはスカッシュよりもさらに細く、2スト単気筒エンジンは5000回転で2.5㎰を発揮する。乾燥重量はなんと42㎏! オドメーターがないから走行距離は不明、カラバリはホワイト、イエロー、レッドの3種のみだった。
──最小回転半径、なんと小学校低学年なみの1・3メートル!
津田:そこから始める? えーと、1・3メートルはホンダ・スカッシュと同じだよね。どちらも前後8インチ。型式はモトコンポがAB12で、スカッシュがAB11。
──同い年の1981年式。兄弟。
編集部(以下、編):発売当時のモトコンポのインパクトは強烈だったけれど、モデルライフは意外に短命でした。一度もモデルチェンジすることなく85年で終売。
津田:でも台数は今でもけっこうあるんだよ。それほど売れなかったと思うし、不良在庫が山積みになっていたのも憶えてる。勢い余って作りすぎちゃったのかな。だいたい8万円ってプライスが高い。
──え? たった8万円ですよ。安いんじゃなくて、高い??
津田:高いよ! だって当時はDJ1が10万円くらいで買えたんだよ。それに比べたらモトコンポは割高。始動はキックのみだし。
──いろいろが特異ですもんね。
編:ミッションはVベルト式のオートマチック。無段変速が浸透する前の、ひと昔前のメカニズムです。
津田:シャシーはトラス構造で、動力のルーツはファミリーバイク系。大竹しのぶがCMキャラクターだったカレンとかと同系の前傾シリンダー、2スト単気筒エンジンだよ。純正バッテリーはモトコンポ専用の逆凸型タイプだった。
──いきなり濃いめの話になっちゃいましたね。たしかあの本田宗一郎社長もモトコンポを気に入っていたとか。ボディパーツの構成を考えると……フルカバードモデル?
津田:外装は倒してもキズが入らないように、左右にバンパーモールがある。モトコンポ専用箱に詰められて納品されたし(笑)。この専用ダンボールも高値だけど、外装は程度がいいと最近では5〜6万円とかで高額取引きされているんだ。箱入りの新車なんて、オークション相場だと50〜60万円からだから。

──高っ! 当時はさして売れなくて、市場でも在庫が余っていた不人気モデルが……ってパターンですか? 2ストレーサーレプリカの末期みたいな。
津田:うん。まあ不人気とまではいかないけれど、メーカーが期待したほどは売れなかった。みんな具体的な使い方が実生活でイメージできなかったのかもしれない。
編:なぜか一般的には「シティのおまけ」って言われることが多いけれど、それは根も葉もない都市伝説なんですよね。なんでそうなってしまったんだろう?
津田:「シティのトランクに載せられるように設計されているコンパクトなスクーター」っていうコンセプトだったのにね。不思議。
──四輪+二輪で、六輪ライフを楽しもう、という企画商品ってこと。
編:ホンダの当時のリリースがなかなか鼻息荒くていいんです。
ホンダは(中略)四輪に二輪を搭載して行動することにより、バイクの機能とクルマの機能が掛け算的に広がり、アウトドアライフの新しい使い勝手を創りだすことを提唱するものである。
編:最後に「これは二輪車、四輪車を持つホンダの強みをフルに発揮した世界で初めての試みでもある」と結んでいます。宗一郎さんの気概を感じちゃうでしょ?
──ビシビシ感じるなあ! どっちも作っているメーカーって、あとはスズキとBMWくらいですもんね。
津田:二輪と四輪、合体させたくなっちゃったわけだ。現行のホンダN‐VANのカタログでも、オフ車を積んでいるカットがあるもんな。
編:ホンダの夢、なんでしょうね。

──今回はなぜだか“いい話”の方に進んでいますね! ステキ!
津田:いつものクドい下ネタじゃなくてね。
──下ネタにだってドリームは詰まっていますけど、何か?
編:まあまあ。でもそう考えると、モトコンポが崇高でコンセプチュアルな、時代を先取りしたマシンに見えてくる。
津田:まあ、実際にモトコンポをシティに積んでいる人は一度も見たことがないけどね。
一同 それを言っちゃあ(笑)。
──で、実際に走ると……?
津田:かなり遅くてだいぶ怖い。
一同 それも言っちゃあ(笑)。



