連載

あのころ、あのとき、あのカタログ 青春型録!

語り合うのはこの2人!

津田洋介:80’sスクーターを中心に往時のバイク文化にあまねく精通する「TDF」代表。
宮崎正行:CB750Fにずっと乗っています。グラトラを格安で手に入れました。気負いのまったくない原付みたいな250です。

▲110㏄専用カタログがこちら。車両価格は110もⅡ110も同額の24万9000円だった。ちなみに50㏄モデルは2000年時点でⅡにのみ排ガス規制が施され、オリジナルは成り行きで自然消滅する。

──来ました、来ました、やっと来ました。わたくし宮崎、30余年のバイク人生唯一の新車購入バイク、うふふ、スズキ・ストリートマジックの登場です。

津田:いいよね、ストマジ。でも唯一の新車って……赤貧でご愁傷さま(笑)。で、どのモデル?

──よくぞ聞いてくれました! プリティな太足のストマジ110Ⅱでございます。もちろんワークスイエロー! いちばん高級なストマジ!

編集部(以下、編):そこで小さな見栄を張っても、余計に貧乏くさいだけだよ。

──むっ……さすが時速300キロのハヤブサを新車で買う男の“目線”はお高いこって。でも童貞切ったのはオレの方が早いから。

編:……金無しモヒカン。

──……用無しデカチン。

津田:ちょ、ちょっと! 元クラスメイトの小さなテリトリーで醜い小競り合いするの、やめてくれる?

──すみません、トークをストマジに戻します〜。

津田:そうしてくれ。

──……で、どんなバイクでしたっけ津田さん?

編:え? そこから? 元ストマジオーナーだろが!

▲1998年6月に「Ⅱ110」追加。50㏄と違って110㏄はオフモデルのⅡが先行して発売された(オンモデル「110」は8月発売)。外装を一新し、フロントフォークはテレスコピックに。各部に補強も入れられた。

──最終的には排気量が2種、スタイルが2種の計4種のバリエーション……ってことは覚えているんだけどね(笑)。ま、「なにこれカワイイじゃん!」の勢いだけで買ったクチですから。

津田:マシンコンセプト的にも、なかなかカテゴライズしにくいバイクであったのは間違いない。発売当時も似たようなバイクはほとんどなかったし。まず排気量50㏄で1997年2月に販売スタート。スタンダードの「50」(17万9000円)と豪華装備の「50S」(19万9000円)の2バリエーションだった。

▲右ページでサーフィン、左ページでスノボ。で、ライダーのスタイリングは……ぜんぶスノボ。アピールしたいのは“横ノリ”だ。左ページのライダーの足もと(青い靴裏)に注目。懐かしのナイキ・エアズームフライトを着用!
▲初期ストマジの2種、TR-50とTR-50Sの違いは後者が豪華仕様で、エンケイ製キャストホイールやリザーバータンク付リヤショックなどを装備していた。それぞれ3種、4種あったカラーリングもじつはすべて別塗色となっている。

──今回掲載のカタログもそれ、長瀬智也くん渾身の「オレ、マジ スト、マジ」な初代モデルでございます。ロン毛の長瀬くんはめちゃカッコいいのに、肝心のキャッチコピーはダジャレという。

編:スズキらしい!

津田:んでもって同年6月に、丸型ライトのオフロード(ルックス)モデル「Ⅱ」が追加される。「ストリート〜」の名前が示すとおり、ロードタイヤを履いたオンロードモデルがオリジナルデザインなんだけど……ルックスがやにわにファニーになったⅡ、これはこれで可愛い。でもオンモデルだけのワンメイクレースがあったくらいだから、どちらにもファンがいたんじゃないかな。

編:50㏄は7・2㎰のフルパワーだから時速60キロなんてあっという間でしょ。

津田:でも110㏄「Ⅱ」の最高速はそんなに伸びなかったような?

──ファットなタイヤの転がり抵抗がけっこう大きかったので、たしかに時速90キロがせいぜいでした。でも中速までのピックアップはなかなか鋭いものがありましたよ。

編:トラブルはなかった?

──うーん、おおむねグッドなバイクだったけれど、始動性だけはなぜかバッドだったな。あれはなんだったんだろ?

津田:あ、それはキャブからエンジンに水が伝わって入ってしまう持病が、ストマジにあったらしいんだよ。それが原因じゃない?

──そ、そうだったのか! いまさらだけど、やっと原因にたどり着いてだいぶスッキリ(笑)。セル付きなのに、あれだけキックを回数踏んだスクーターは後にも先にもストマジだけでした。

編:そんなストマジ史が意外と長いのは、なんでかな?

津田:カテゴライズしにくいバイクは得てして人気、不人気で命運がはっきり分かれる。生産終了が2006年だから、短命が日常的な原付モデルの中で勤続10年はかなりのロングライフと言えるよね。簡単に引っ込めたりしないあたりも、もしかしてスズキらしいのかもしれない。

──いまやメインストリームのクロスオーバーやフリーライド系の、先駆けモデルかもしれませんね!

津田:それは褒めすぎじゃない?(笑)。そういえば昔、「スーパーバトルスクーター」っていうジャンルがあったのを覚えてる?

編:ありましたねえ。80〜90年代のとんがったスクーターレース専用マシン。駆動がATってだけで、あとはなんでもアリだったスーパーカテゴリーだった。

津田:レガスピード、ミクニ、キタコ……。それらスポーツスクーターの究極形を、ストマジのデザインはどこか彷彿させるんだよな。

──津田さん、なんやかやで好きなんじゃないですか〜♥

津田:最初から「いいよね」って言ってるじゃん!

編:……アホか(笑)。

一同 ミスター絶倫には、ストマジのワビサビはきっと分からないだろうな〜。

編:えーと、それってほめてる? けなしてる?


モトチャンプ 

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