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展示されていたブースは西ホール2の「T.R.A KYOTO」。T.R.A KYOTOといえば、東京オートサロン2024でやはりパイプフレームの車両を展示していた。
著名なドリフトドライバーであるマッド・マイク選手の依頼により制作された「PANDEM 787D(マッドマイク・ドリフトアタック-MADAZ787D)」である。
PANDEM787DはFD3S型RX-7をベースにマツダ787Bを作るというコンセプトだったが果たせず、オリジナルフレームによって作られたものだ。
では東京オートサロン2025で展示された車両はなんだったのだろうか?
PANDEM 787Dの公道版なのか?ベースはロータス・エリーゼ
話を訊いてみたところ、PANDEM 787Dはあくまで競技用のドリフトマシンということで当然のこと、公道走行はできない。そこで、公道走行可能なクルマを作るべく開発中なのがこの展示車両だという。
公道走行前提となると流石にオリジナルフレームというわけにもいかない。ベースとなったのはロータス・エリーゼで、そのキャビンスペースが利用されているが、その前後は完全なオリジナルフレーム。そのフレームにサスペンションユニットやパワートレインなどが組み付けられている。
エンジンとトランスミッションはスバルをセレクト
リヤサブフレームに搭載されるエンジンだが、上面に2枚のインタークーラーが水平マウントされており、ツインターボであることを伺わせる。インタークーラーから繋がるインテークダクトのレイアウトやオルタネーターの配置からして、これが水平対向エンジンであることは間違いない。
話を訊くとやはりスバルの水平対向エンジン、EJ25型をツインターボ化して搭載しているという。トランスミッションケースには「SUBARU」と「MAID IN JAPAN」の刻印があったため、やはりスバル製なのかと思えば、ミッションケース自体はスバル製だが中身のギヤはアメリカメーカー製のオリジナルに組み換えられているという。
この個体はEJ25型水平対向エンジンを搭載しているが、先だってのPANDEM 787Dの経験からロータリーエンジンの搭載も視野に入れてRE雨宮とも相談したそうだ。
2つのタービンやインタークーラー、旧排気系などシンメトリカルで実に整ったレイアウトに見えるが、それはそれとしてロータリーエンジンを搭載した姿も見てみたい。
筑波サーキットでシェイクダウン予定……気になる価格は?
まだフレーム段階ではあるが、春には外装まで完成させて筑波サーキットのイベントで走行予定だという。しかも市販予定となっており、ロータス・エリーゼのボディキット、ボルトオンサブフレームキットに、エンジンはEJ25またはロータリーを選択可能。外装はドリフトで有名なRocket Bunny Racingだ。
市販予定ということで大いに気になる価格だが、現時点では未定。この個体の制作費ですら正確には把握できてないそうだ。ベース車両も含むコンプリートカーになるのか、車両持ち込みによる制作になるのか、その辺りも未定。
まだまだ未知数な部分の多い同車両ではあるが、外装も含めた完成した姿とシェイクダウンを見るのが楽しみだ。そして市販の実現に期待したい。