これがロータス・エリーゼ? ボディキットで公道を走れるグループCかGT1!エンジンはEJ25ツインターボかロータリーか?【東京オートサロン2025】

2025年1月10日(金)〜12日(日)に幕張メッセ(千葉県)で開催された『東京オートサロン2025』。自動車メーカーはもちろん、パーツメーカーやショップなど多数の出展社が集まるカスタムカーの一大祭典だ。各社が自慢のカスタムマシンを展示する中で気になる車両があった。剥き出しになったモノコックとフレームはまるで往年のグループCマシンのようにも見える。そんな出展車両は……
REPORT&PHOTO:MotorFan.jp

展示されていたブースは西ホール2の「T.R.A KYOTO」。T.R.A KYOTOといえば、東京オートサロン2024でやはりパイプフレームの車両を展示していた。
著名なドリフトドライバーであるマッド・マイク選手の依頼により制作された「PANDEM 787D(マッドマイク・ドリフトアタック-MADAZ787D)」である。

マッド・マイク選手は東京オートサロン2025にも来場。トーヨータイヤブースでモンスターマシンを披露している。

PANDEM787DはFD3S型RX-7をベースにマツダ787Bを作るというコンセプトだったが果たせず、オリジナルフレームによって作られたものだ。

東京オートサロン2024の同車の出展情報

では東京オートサロン2025で展示された車両はなんだったのだろうか?

PANDEM 787Dの公道版なのか?ベースはロータス・エリーゼ

話を訊いてみたところ、PANDEM 787Dはあくまで競技用のドリフトマシンということで当然のこと、公道走行はできない。そこで、公道走行可能なクルマを作るべく開発中なのがこの展示車両だという。

T.R.A KYOTOブースに展示された車両。フレーム前端に水平マウントされたラジエーターと、その下に前向きに口を開けているダクトは、まるで往年のグループCカーを思わせる。

公道走行前提となると流石にオリジナルフレームというわけにもいかない。ベースとなったのはロータス・エリーゼで、そのキャビンスペースが利用されているが、その前後は完全なオリジナルフレーム。そのフレームにサスペンションユニットやパワートレインなどが組み付けられている。

エリーゼのコックピットは元々簡素ではあったが、よりスパルタンに。
ステアリング右にはスタートスイッチやハザードスイッチなどのスイッチ類。ステアリングにはワイパーやウインカーのレバーも残る。
ペダルは吊り下げ式の3ペダルだが、シフトレバーは無く、ステアリングにパドルシフトが備わる。
キャビンスペースを上から見たところ。フレームがルーフセンターを通るのはPANDEM787Dと同様。ドアはガルウイングになるのか?
助手席は無く、右ハンドルではあるがシングルシーター。ステアリングコラムに小さなモニターを追加している。
メーターは左から水温、速度、回転、燃料の順。センターコンソールには空調系のダイヤルを配置。その下はブースト計か?
レカロのフルバケットシートに、Rocket Bunny Racingのハーネスを装備。
リヤのバルクヘッド。
ダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンション。
同じくダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンション。
タイヤは前後ともフージャーレーシングタイヤの「ドットラジアル」を装着。フロントのサイズは245/35ZR18。
リヤはP295/30ZR19を装着。フージャーレーシングタイヤは1957年創業のアメリカのレースタイヤメーカーだ。

エンジンとトランスミッションはスバルをセレクト

リヤサブフレームに搭載されるエンジンだが、上面に2枚のインタークーラーが水平マウントされており、ツインターボであることを伺わせる。インタークーラーから繋がるインテークダクトのレイアウトやオルタネーターの配置からして、これが水平対向エンジンであることは間違いない。

リヤのサブフレーム搭載されるエンジン。

話を訊くとやはりスバルの水平対向エンジン、EJ25型をツインターボ化して搭載しているという。トランスミッションケースには「SUBARU」と「MAID IN JAPAN」の刻印があったため、やはりスバル製なのかと思えば、ミッションケース自体はスバル製だが中身のギヤはアメリカメーカー製のオリジナルに組み換えられているという。

ミッションケースの刻印は「SUBARU」と「MADE IN JAPAN」しかし、それはケースのみ。中身は別物だ。
エンジンルームを後方から見ところ。2基のインタークーラーの間、下部にトランスミッションが突き出している。
エンジンルームを右サイドから見たところ。タービンはインタークーラーの直下、エンジンの直後にあるようだ。写真中央がタービンで圧縮された空気をインタークーラーへ送るパイプ。
エンジンルームを後方から見たところ。上のパイプがタービンから直結している排気管。その奥のタービンはフレームで全体は見えない。排気管の間がトランスミッション。

この個体はEJ25型水平対向エンジンを搭載しているが、先だってのPANDEM 787Dの経験からロータリーエンジンの搭載も視野に入れてRE雨宮とも相談したそうだ。
2つのタービンやインタークーラー、旧排気系などシンメトリカルで実に整ったレイアウトに見えるが、それはそれとしてロータリーエンジンを搭載した姿も見てみたい。

筑波サーキットでシェイクダウン予定……気になる価格は?

車両を右後方から見る。サイドカウルの一部が装着されている。おそらくドアパネルから連続することになるであろう凹みは吸気ダクトなることだろう。

まだフレーム段階ではあるが、春には外装まで完成させて筑波サーキットのイベントで走行予定だという。しかも市販予定となっており、ロータス・エリーゼのボディキット、ボルトオンサブフレームキットに、エンジンはEJ25またはロータリーを選択可能。外装はドリフトで有名なRocket Bunny Racingだ。

フロントウインドウに直書きされた仕様。

市販予定ということで大いに気になる価格だが、現時点では未定。この個体の制作費ですら正確には把握できてないそうだ。ベース車両も含むコンプリートカーになるのか、車両持ち込みによる制作になるのか、その辺りも未定。
まだまだ未知数な部分の多い同車両ではあるが、外装も含めた完成した姿とシェイクダウンを見るのが楽しみだ。そして市販の実現に期待したい。

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