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最もシンプルなガソリンターボFF車5人乗り「EX」でも満足度は充分以上 〈ホンダCR-V 1200km試乗〉操縦安定性と乗り心地はクラス随一もパッケージングと価格設定には疑問が……

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新型CR-Vの前後サスペンションと主な採用技術

 そして、ホンダのお家芸とも言えるオンロードでの走りはどうか。これは一言で表現すれば「背の高いシビック」そのものだった。

235/60R18 103Hのブリヂストン・デューラーH/L33を装着
 新型CR-Vはシビックハッチバックに対し全長は85mm長く、全幅は55mm広いものの、全高は245mmも高く、ホイールベースは40mm短い。タイヤサイズはシビックハッチバックの235/40R18 95Yに対しCR-Vは235/60R18 103Hとなっている。車重は270kg重い1630kgだ。メカニズムの大半を共有しているとはいえ、このように全高と車重が決定的に異なるにもかかわらず、シビックと同様の高い旋回性能とオンザレール感覚を実現したのは、驚異というより他にない。

 今回は往路が中央道、復路が関越道を経て上信越道と北陸道を通る、アップダウンの激しい高速コーナーが続く片道約600kmのルートを走行したが、長い道中で走りに不安を覚えることは皆無。路面と凹凸の大小を問わず、サスペンションは無駄な姿勢変化を抑えながらも常にしなやかに動き、不快な突き上げや振動を感じることなく、いたって楽しく快適に走り続けることができた。

 そうして辿り着いた千里浜なぎさドライブウェイ、日本で唯一自動車で走行できる砂浜は、あいにくの強風に見舞われていたものの、ゆっくりと走る限りは今回のFF車でも風にあおられず、トラクション不足に悩まされることもない。また、一見平らなようで細かな凹凸が連続する砂浜をごく低い速度で通過しても、車体の左右への揺れは少なく、やはりフラットな乗り味に終始した。

L15B型1.5L直4直噴ターボエンジン。シビックセダン用に対しタービンの変更などで17ps&20Nm高い190ps&240Nmを発揮
 なお、往復1200km超の長旅を終えた後のトータル燃費は10.8km/L。ダウンサイジングターボを搭載するSUV相応の結果に落ち着いた。

 要約すると、内外装のデザインと質感は平均以上、パッケージングは大いに疑問、走りはクラストップレベルだった新型CR-Vなのだが、「自分がもしCセグメントSUVの購入を検討するなら…」と考えた時、ネックになるのはその価格設定だ。率直に言って、装備が充実したグレードほど割高感が強くなる。

 CR-Vのグレード構成は極めてシンプルで、標準グレードの「EX」と上級グレードの「EX・マスターピース」の2種類しかない。エンジン・駆動方式・シート数も前述の通り各2種類だ(ハイブリッドは5人乗りのみ)。

ステアリング右側に備えられる「ホンダセンシング」の操作スイッチ
 「EX」と「EX・マスターピース」の装備差は、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート、サンルーフ、本革シート、助手席4WAYパワーシート、ルーフレールの有無。メーカーオプションの設定は両グレードともボディカラー以外になく、価格差は税別33万4000円。前述のテレマティクスナビやETCのほか、予防安全技術「ホンダセンシング」は全車標準装備だ。なお、ガソリンターボ車とハイブリッド車の価格差は税別51万3000円、FF車とAWD車の価格差は税別20万円、5人乗りと7人乗りの価格差は同じく税別20万円となっている。

 そして、最もシンプルなガソリンターボFF車5人乗りの「EX」は税別299万1000円(消費税8%込み323万280円)で、最も高価な「ハイブリッドEX・マスターピース」AWD車は税別403万8000円(同436万1040円)。優に100万円以上の価格差があるものの、前者でもAWDが必要な滑りやすい道を日常的に走る人以外、不足を覚えることはないだろう。

 現在CセグメントのSUVは、国産車だけでもトヨタ・ハリアー/RAV4、レクサスNX、日産エクストレイル、マツダCX-5/CX-8、スバル・フォレスター、三菱アウトランダーがおり、残念ながら新型CR-VはNXとアウトランダー以外の全車種に販売台数で後塵を拝している。

【日本自動車販売協会連合会「乗用車ブランド通称名別順位」2019年1~6月実績(抜粋)】

エクストレイル 2万2603台
ハリアー 2万772台
CX-5 2万201台
RAV4 1万7775台
フォレスター 1万7639台
CX-8 1万4790台
CR-V 9590台

*レクサスNXと三菱アウトランダーはトップ50圏外

 ここからの巻き返しを図るには、まずは値下げ、そしてグレード・装備体系の見直しが急務なのは間違いない。

【Specifications】
<ホンダCR-V EX・マスターピース7人乗り(FF・CVT)>
全長×全幅×全高:4605×1855×1680mm ホイールベース:2660mm 車両重量:1630kg エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ 排気量:1496cc ボア×ストローク:73.0×89.4mm 圧縮比:10.3 最高出力:140kW(190ps)/5600rpm 最大トルク:240Nm(24.5kgm)/2000-5000rpm JC08モード燃費:15.4km/L 車両価格:381万4560円

ホンダCR-V EX・マスターピース7人乗り

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