坂道では上りが優先

坂道では上りが優先となるが、片側が崖になっている場所では下り側であっても、崖側にいるクルマの優先度が高くなる。花見や紅葉で山間の狭路を走行する際には、この基本ルールをしっかりと心得ておきたい。

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坂道でのすれ違いは、上り側の車両が優先権を持つ。これは、上り坂で一度停止してしまうと再発進する際に後退してしまう危険があることや、坂道発進となり大きな手間が必要になるためだ。

ただし、近くに待避所がある場合は、上り側であっても待避所を利用して下りの対向車を先行させることが望ましい。

また、片側が崖や谷になっている道では上り下りに関わらず、山側の車両が停止して崖側の車両に道を譲ることが基本となる。崖側の車両は転落の危険がつきまとうため、これを予防するためのルールだ。

こうした基本ルールを心得ていないと、すれ違いに長い時間がかかってしまったり、口論に発展したりする恐れがある。

平坦路では障害物がある側が譲る

住宅地や農道のような平地の狭い道では、障害物がある側が停車して進路を譲ることがルールだ。どちらの条件にも当てはまらないような狭路では、退避場所を確保しやすい方が積極的に進路を譲りたい。

平坦路では、障害物がある側が停止して対向車に進路を譲ることになっている。道路の片側に電柱や駐車車両、工事現場などの障害物がある場合、あるいは歩行者や自転車がいる場合は、対向車が通過してから障害物などを回避して進行しよう。

ルールを無視して無理な通過を試みると、認識の齟齬から正面衝突や接触事故を招く危険が高まる。ただし、対向車がすでに障害物の横を通過し始めている場合は、優先権があっても減速や停止をして通過を待つべきだ。

ただし、傾斜や障害物のない狭路では優先順位が生じない。互いに停車してしまった場合は、ハザードランプや左ウインカーを使って相手に道を譲る意思を明確に伝えよう。夜間であればヘッドライトをスモールランプに切り替える方法も使える。先に意思表示した方が譲るという認識でいれば間違いはないだろう。

ただしパッシングの使用は避けた方が賢明だ。パッシングには「こちらが止まるため通過して」と「こちらが通過するから止まって」の両方の意味があるため相手を混乱させる恐れがある。

大切なのは「相手への敬意」と「譲り合い精神」

優先権があるにも関わらず停止したまま動かないドライバーは、運転が苦手な人かもしれない。そういった場合は無理に道を譲るよりも、注意を払いながら進行した方が円滑にすれ違える。譲る側は、動かないと決めたなら合図や手振りでしっかりと意思表示をしたい。

こうしたすれ違いのルールは道路交通法で定められたものではないため、守らなくとも罰則はない。しかし、道路交通法を基に制定された「交通の方法に関する教則」に基づくルールであるため、運転するうえでは誰もが守りたいマナーだと言える。

しかし、交通の方法に関する教則にも全ての状況におけるルールが定められているわけではない。例えば、教則に記載がない大型車とすれ違う際はどうすべきだろうか。

トラックやバスなどの大型車は小回りが利かず後退も難しい。そのため、狭路では車体の小さい側が進路を譲ってやりたい。反対に、大型車に進路を譲られた場合は、狭くて通れないという意思表示と捉えて素直に従うべきだ。

すれ違いの際は基本的な優先順位を守りつつ、「先に広い場所を見つけた方が止まる」あるいは「後退しやすい方が下がる」といった状況に応じた臨機応変な行動が求められる。

狭路で進路を譲る際は対向車のドライバーを驚かせないように、通路幅を確保したら極力動かないことが大切だ。必要であればミラーを畳んで接触防止を図るとともに、対向車の心理負担を和らげてあげよう。

道を譲ってもらった際には、軽く会釈をしたり手を挙げたりして感謝の意を示すことで、互いが気持ちよくすれ違える。もっとも大切なのは相手への敬意と、現場の状況に即した譲り合いの精神だ。

ただし、なかには優先権があるにも関わらず頑として動かない人や、「どけ」と言わんばかりにパッシングをする人もいる。そのような対向車に遭遇した際も、感情的にならずに安全を最優先としたい。