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今日は何の日?■WRX STIレースカーがニュル24時間耐久レースでクラス優勝

2015(平成27)年5月18日、スバルは2015年5月14日~17日に開催されたドイツのニュルブルクリンクで行なわれた24時間耐久レースで、スバル「WRX STI」ベースのレースカーがSPT3クラス(2.0L以下のターボ車)で優勝したことを発表した。一度もトラブルを起こすことなく、2位に大差をつける圧勝だった。
WRX STIのオリジンはインプレッサWRX STi

SUBARU WRX STIの源流は、「インプレッサWRX STi」である。1992年にデビューした「インプレッサ」は、4ドアセダンとコンパクトなラゲッジを持つ5ドアのスポーツワゴンが設定されたが、セダンにはトップグレードとして高性能ターボエンジンを搭載したスポーツセダン「インプレッサWRX」が設定された。
インプレッサWRXに搭載されたエンジンは、最高出力240ps/最大トルク31.0kgmを発揮する2.0L水平対向4気筒DOHC(EJ20型)インタークーラーターボで、トランスミッションは5速MTおよび4速AT、駆動方式は、ビスカスLSD付センターデフ式フルタイム4WDが採用された。


人気を獲得したインプレッサはさらなるイメージアップのため、1993年にインプレッサWRXベースのマシンで世界最高峰のWRC(世界ラリー選手権)へ挑戦。WRC参戦のために、STIがチューニングした「WRX STi」を1994年1月に市場に投入。これがWRX STIの始まりであり、EJ20 エンジンのファインチューニングによって、エンジン性能は最高出力250ps /最大トルク31.5kgmへ高められた。

WRX STiによる進化の成果はすぐに結実し、WRCで1995年から3年間マニュファクチャラーズタイトルを獲得するという日本初の偉業を成し遂げ、インプレッサWRXは世界中の走り好きが憧れるスポーツモデルへと駆け上がったのだ。
その後も、インプレッサSTiシリーズは様々なバージョンを派生しながら、スバルのフラッグシップスポーツとして進化した。
インプレッサWRXからインプレッサの冠が外れてWRXに

インプレッサは、2011年11月に4代目へとモデルチェンジした。一方、インプレッサWRX STiは2014年7月にモデルチェンジして、このタイミングでインプレッサの冠が外れた独立したモデル「SUBARU WRX STI」となった。ちなみに、STiの表記がSTIに変わったのは2005年4月である。


WRX STIは、伝統の2.0L水平対向4気筒(EJ20型)インタークーラーツインスクロールターボエンジンを搭載し、最高出力308ps/6400rpm、最大トルク43.0kgm/4400rpmを発揮。トランスミッションは6速MTが組み合わされ、駆動方式はDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)4WDが搭載された。
その他にも、ボディの軽量化や剛性向上、VDCを含めたシャシーの改良によって、クラストップの危険回避性能と衝突安全性を確保。さらに油圧パワーステアリング、ブレンボ製ブレーキシステム、BBS製鍛造18インチアルミホイール、大型リヤスポイラーなどの高性能化を図るパーツが積極的に投入された。

車両価格は、WRX STI標準仕様が379.08万円、装備強化バージョンType Sが411.48万円だった。

他を圧倒しニュル24時間レースでクラス優勝を果たしたWRX STIのNBR Challenge2015

「WRX STI」をベースにして仕立てたレーシングカー「NBR Challenge 2015」は、2015年5月14日~17日に開催されたドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レースのSPT3クラスで優勝を飾った。

レーシングカーは、欧州向けのWRX STI量産モデルをベースとして、ロールケージ化して軽量化と剛性を強化。大型ウイングやフロントカナードなど空力パーツ追加し、ブレンボ強化ブレーキ、ビルシュタインダンパーを装備。WRX STI搭載のEJ20型エンジンにチューニングを施して、エンジン性能は最高出力340ps/5500rpm、最大トルク47.0kgm/3000rpmまで高められた。トランスミッションは、シーケンシャル6速MTへと変更された。

WRX STIレーシングカーは、予選でトップタイムを記録しポールポジションを獲得。決勝レースでも一度もトップを譲ることなく、2位以下に12周以上の差をつける圧倒的な走りで143周 (約3629km)を走破しクラス優勝を飾った。WRX STIのクラス優勝は、2011年、2012年に続いて3年ぶり3度目となった。









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市販車の高性能スポーツモデルは、“究極の一般公道”と言われているニュルブルクリンクで走らせながら開発を進め、またラップを競うのが通例である。トヨタの「A80型スープラ」やホンダ「NSX」、日産「GT-R」などの開発で使われたことが有名だが、令和8年現在、日産「GT-R NISMO」が量産車世界最速ラップタイム、ホンダの「シビックタイプR」がFF量産車最速ラップタイムを保持している。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。


