OUTFIELD「BREEZE BOX」(アウトドアフィールド「ブリーズボックス」)

ここ数年、夏に気温が40℃を超えることが稀ではなくなってきた。標高が高い場所でも30℃になり、低地では夜間でも熱中症の心配がある有様だ。

キャンピングカー業界においても、パーキングクーラーを標準装備化、もしくはオプション設定することが一般的になっている。車内に熱がこもりやすいキャブオーバータイプのキャンピングカーは、扇風機だけでは夏をやり過ごすのが難しくなっているからだ。

パーキングクーラーの普及が進むのと同時に、ユーザーに注目されているのがポータブルエアコン(クーラー)である。これまでの市場は、エコフローの「WAVE」シリーズをはじめとする海外製品がメインであった。筆者もWAVE2を使用しているが、冷却性能や騒音、バッテリー稼働時間の点で満足には至っていなかった。

他の製品についても、ユーザーコメントを見てみると評価は揺れる。断熱性能の高いキャブコンでは冷却性能に満足しているコメントがある一方で、バンコンや一般車の車中泊派の間では不満足というコメントが見られる。それだけに“壁掛けタイプ並みの性能を持ったポータブルクーラーは出ないのか?”というユーザーの要望が多かったのは確かだ。

そこにきて発表されたのが、コロナのアウトドアブランド「OUTFIELD(アウトフィールド)」から登場したポータブルエアコン「BREEZE BOX(ブリーズボックス)」だ。コロナといえば暖房器具でお馴染みの国内メーカーで、家に同社製のストーブや湯沸かし器があるという人も少なくないのではないだろうか。

アウトフィールドのポータブルエアコン「ブリーズボックス」。価格は5万9800円。折りたたみ式の脚が備わるので、地面から浮かせて設置できるのも気が利いている。
風量がMID時の消費電力は200W(60Hzの場合)。容量1000Whのポータブル電源を組み合わせれば約5時間の稼働時間が確保できる。

暖房のイメージが強いコロナだが、実は40年以上にわたってルームエアコンも製造してきた。今回登場したBREEZE BOXは、そのノウハウを遺憾なく発揮してつくられたアウトドア用エアコンなのである。

アウトフィールドは、コロナが2023年3月に立ち上げたアウトドアブランドだ。そのブランド名には「楽しみや可能性を”外へ広げる”」という意味が込められている。

同製品は、窓用エアコンの構造を応用した「D.H.E.システム(デュアル熱交換システム)」を採用している。どんなメカニズムかを簡単に説明すると、冷風側と排熱側の熱交換器・送風ファン・空気経路をそれぞれ独立させているのである。これにより、室内側は冷えた空気を再び吸い込んで冷やす一方で、排熱側は外気を吸い込んで外に吹き出すため、効率よく冷やすことができるというのである。

向かって左側が冷風側、右側が排熱側で、それぞれ熱交換器と送風ファンが設けられた「D.H.E.システム(デュアル熱交換システム)」を採用。効率的にテント内の空気を冷やすことができる。

さて気になる冷房性能だが、メーカー発表数値によれば最大冷風能力850W、最大吹き出し温度差マイナス10℃。吹き出し口から約10mまで冷たい風が到達するようにつくられている。気になる電力消費は200Wで、1000Whのポータブル電源なら約5時間の運転が可能だ。スペックが果たしてどこまで現実的なのかは、次回以降の実機テストでつまびらかにしていきたい。

大風量ファンの搭載により、吹出口から約10mの距離まで冷風を到達させる性能を有する。

ちなみにBREEZE BOX、エアコンというカテゴリーだが機能としては冷却と送風だけ。WAVE2やWAVE3のように暖房は使えない。制御機能も非常にシンプルで、運転モードは冷風・冷風/送風交互・送風の3種類、風量は3段階、切りタイマーは1・2・4時間から選べるのみ。デジタルの温度表示やBluetoothによるスマホ接続機能などはない。

操作部はシンプルなので、使い方に迷うことはないだろう。

機能がシンプルな分、価格は5万9800円とWAVE3の約半額だが、筐体のサイズはあまり変わらないように見える。

●BREEZE BOX:高さ315×幅264×奥行き580mm
●WAVE3:高さ336×幅519×奥行き297mm

ただし重量はWAVE3が約15.6kgであるのに対して、BREEZE BOXは12kgとかなり軽量だ。これは実機テストでも語るつもりだが、車中泊で使うにあたって軽さは大きなメリットになる。

本体重量は12kg(付属品は1.6kg)。大人の男性なら苦もなく持ち運べそうだ。

付属品はダクト2本、ダクトアダプター、そして排水ホース。おもしろいのは、ダクトアダプターが冷却側と排熱側のどちらにも装着可能で、本体を室内側、室外側のどちらに置いても使うことができることだ。ただ車中泊で使う場合、本体を車外に出して使うことは稀だと思うので、排熱側にダクトを付けて窓から車外に出すという使い方になるだろう。

付属のダクトは写真のように排熱側に取り付けるだけでなく、冷風側にも装着可能。
作動時の騒音も約40dBに抑えられており、安眠を邪魔しないのもうれしい。

BREEZE BOXの美点は、そのデザインだ。イマドキのアウトドアギアを意識した意匠とカラーが採用されている。好感が持てるのは、そのスクエアな形状だ。WAVE2を使って感じたのは、洒落た意匠を採用したがために、車内に積みにくいということ。できるだけ車内にデッドスペースを作りたくないのに、WAVE2を積載すると無駄なスペースを取ることになるのだ。

BREEZE BOXは奥行きのある箱型で、クルマのラゲッジルームにも積載しやすい。

いずれにせよ、ジャッジメントは実機テストを行ってからにしたい。2回目となる次回は設置のしやすさについてレポートして、性能についてのインプレッションは3回目に回すこととさせていただく。

製品名ポータブルエアコン BREEZE BOX(ブリーズボックス)
型式PA-F85A
価格5万9800円
色相フィールドベージュ
電源単相100V(50Hz/60Hz)
定格冷房能力※10.42kW(50Hz)/0.48kW(60Hz)
最大冷風能力800W(50Hz)/850W(60Hz)※2
最大吹き出し温度差マイナス10℃※3
冷風到達距離約10m※4
消費電力※1180W(50Hz)/200W(60Hz)
始動電流7A
連続運転時間の目安1000Whのポータブル電源で約5時間※5
運転音(音圧レベル)約40dB(風量LOW)※6/50dB(風量MID)※7
運転モード冷風/冷風・送風交互/送風
風量HIGH/MIDDLE/LOW(3段階)
切タイマー1時間/2時間/4時間
使用可能温度・湿度21〜43℃・湿度80%以下
外形寸法高さ315mm(脚展開時+200mm)×幅264mm×奥行580mm(脚展開時+65mm)
総質量13.6kg(本体12.0kg、付属品1.6kg)
電源コード長3m
付属品ダクト2本、ダクトアダプタ1個、排水ホース
生産設計から生産まで日本国内(新潟県)

※1 室内27℃47%(RH)/室外35℃40%(RH)、風量MIDの時
※2 周囲環境40℃80%(RH)、風量HIGH(60Hz)の時
※3 周囲環境27℃60%(RH)、風量LOW(60Hz)の時
※4 風量HIGH、風速0.35m/sの風が届く範囲
※5 風量MID(60Hz)時。ポータブル電源の特性や充電状況、バッテリーの消耗具合、使用条件により変動
※6 風量LOWの場合(音圧レベル)
※7 本体正面1m・高さ0.8mでの測定(音圧レベル)、風量MIDの時