水圧・脱水・紫外線のトリプルパンチ! おまけにレジャーの疲れは気づきにくい

7月から8月にかけて交通事故が増加する理由としては、帰省や行楽による車移動の増加に加え、遠方の不慣れな交通環境や、暑さによる注意散漫などが挙がる。
なかでも注意したいシチュエーションが海水浴やプール、川遊びといったレジャーの帰り道だ。こうした水に関わるレジャー帰りは、事故リスクが高まる様々な要因が重なりやすい。
そのひとつが、水圧による身体の疲労だ。全身が水に浸かると血管が圧迫され、それを補おうと心臓が血液を強く送り出すため心拍数が上昇する。同時に水圧によって横隔膜が押し上げられることで呼吸数も増加しやすいうえ、激しい遊泳をせずとも普段使わない筋肉を動かすことになるため身体に疲労がたまりやすい。
さらに脱水症状も見過ごせない要因となる。水中では発汗や喉の渇きを自覚しにくく、気づかないうちに脱水に近い状態へと陥っていることが多い。それにより体調不良を招きやすいうえ、帰路での注意散漫の原因になりやすい。
加えて、紫外線の影響も大きい。直射日光を浴び続けることで体内に活性酸素が大量に発生し、自覚がないまま疲労が蓄積していく。とくに海水浴や屋外プールでは水面からの照り返しにより浴びる紫外線量も増加しやすいため、それだけ疲労も大きくなる。
水圧と脱水、紫外線の3つが重なりやすい海水浴やプール後の身体は確実に疲弊している。しかし、レジャーの興奮や高揚感によって疲労感が隠されてしまいやすい。
そのまま帰路につくと、道中で注意散漫状態に陥ったり、突然強い眠気に襲われたりしやすくなる。海水浴やプールの帰り道は、疲労によって交通事故を起こしやすい状態にあることを理解しておきたい。
夏レジャー帰りは、眠気と危険な交通環境が重なる魔の時間帯

夏場の事故率の増加は身体の疲労だけでなく、帰宅する時間帯も大きく関わる。人間の体には、光による体内時計の調整を通じてメラトニンの分泌が制御される仕組みがあり、起床からおおよそ15時間後に眠気のピークが訪れる。
とくに遠方へレジャーに出かける場合は朝早くに出発することが多く、帰宅は夕方過ぎになりやすい。この時間帯の帰宅はちょうど生理的な眠気のピークと重なってしまう。
そもそも夏の夕方は交通事故が起こりやすい時間帯だ。日没が遅い夏場は歩行者や自転車、二輪車の活動も遅い時間まで活発であり、車両だけでなく人の往来も普段より多くなる。そのうえ西日の眩しさや、薄暮特有の視界の悪さが加わることで事故が誘発されやすい。
海水浴やプールの帰りは水圧や紫外線による疲労に加えて、生理的に眠くなりやすい時間と事故が起こりやすい時間帯も重なり合う。つまりレジャー帰りは、運転にもっとも注意が必要なシーンであるにもかかわらず、もっとも注意散漫になりやすいシーンだということだ。
もちろん、レジャーシーズンの夕方から日暮れにかけては、そうした注意散漫状態にあるドライバーの割合も増えることになる。夏のレジャー帰りに交通事故が増えるのは、ある意味必然と言えるだろう。
帰路につく前にしっかりと身体をケアしよう

遊泳を終えた直後は、たとえ疲労を感じていなくても休息を取ることが重要だ。日陰などで少なくとも30分ほどは横になって身体を休め、帰路につく前にしっかりと身体をリフレッシュしておきたい。
併せて脱水対策として水分補給も忘れずに行おう。とくに、遊泳後に感じる軽い頭痛や倦怠感は脱水の典型症状だ。遊泳後だけでなく、遊泳前にもミネラルを含む飲料で水分と塩分を補っておくと脱水はある程度予防できる。
帰り道で眠気を感じたら、無理に運転を続けず仮眠や休憩を取ることも大切だ。運転を再開する前にカフェイン飲料を摂ってから20分程度の仮眠を取れば目覚めやすくなるうえ、カフェインの覚醒効果も起きてすぐに効き始める。同乗者に運転ができる人がいるなら、積極的に交代しよう。
夏レジャーの帰り道は、当人の意思や注意にかかわらず交通事故が発生しやすい環境にある。この事実を認識するとともに、自身の体調にも敏感でいたい。