CDIでリミッター解除&点火特性を最適化
CDI点火方式が主流になると、CDI本体を交換する点火系チューンも定番メニューのひとつになった。社外製CDIには、速度リミッター解除のほか点火特性を変更できるタイプもあり、吸排気系や駆動系の仕様に合わせてエンジン特性を整えていく楽しみも増えていった。人気車種では複数の点火特性を選べるタイプも存在した。

純正CDIから社外品へ交換し、点火特性を変えるのも90年代の定番チューン。車種や仕様に合わせて選択肢が増えたことで、セッティングの幅も広がった。
やっぱり駆動系はマスト!
スクーターチューニングで外せないのが駆動系。プーリーやウエイトローラー、ベルトなどの組み合わせによって、加速重視にも最高速重視にも味付けできる。80年代と比べて社外製パーツの選択肢も増え、90年代には“自分好みの変速特性を作る”楽しみ方がより身近になっていった。

社外製プーリーは、最高速アップを実現する大径化はもちろんのこと、フェイス形状やローラーガイドの設計が純正と異なるものも多く、変速特性を変える事ができた。写真はライブディオZX用社外製プーリー(写真左)とノーマルプーリー(写真右)との比較。

プーリーやウエイトローラーの組み合わせで変速特性は大きく変わる。発進加速を重視するか、伸びを狙うか。駆動系はスクーターチューンの基本中の基本だ。写真はライブディオZXに社外製プーリーを装着したもの。
大径タイヤで最高速アップ!?
ここからは少しマニアックな話。90年代になるとクランクケースとタイヤとのクリアランスに余裕を持つ車種も増え、それまで履きにくかった3.50サイズなど、大径タイヤを選べるケースも出てきた。タイヤ外径を大きくすると、1回転あたりに進む距離が増えるため、結果としてハイギヤード化したような効果が得られる。
もちろん、大きくすれば必ず最高速が伸びるわけではない。加速力とのバランスやエンジンパワー、車体とのクリアランスも関係するため、あくまでセッティングのひとつ。それでも「タイヤ外径まで使ってもうひと伸びを狙う」という発想は、当時のスクーターチューニングの奥深さを物語っている。

3.50サイズなど外径の大きなタイヤを使い、ハイギヤ効果を狙う手法。見た目の迫力だけでなく、最高速側のセッティングとして使われたのがポイント。

左がノーマルサイズ(90/90-10)で、右が3.50-10サイズ。タイヤ重量も増し大径化するため発進加速は鈍くなる方向だが、ノーマルでも最高出力が7.2psとハイパワーモデルなら、そこまで気にならなかった。それより最高速アップやバンク角が増えるメリットのほうが大きかったのだ。
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】