汚職刑事と黒いフォード・LTD・クラウンビクトリアの好相性

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日本×ハリウッドの異色プロジェクトとして世界的な注目を集める映画『バッド・ルーテナント:トウキョウ』。三池崇史が監督を務め、気鋭の映画スタジオ・NEONが北米配給を担当する本作は主演に小栗旬、共演にリリー・ジェームズを迎えた、まさにワールドクラスの超期待作です。

三池監督とは10年ぶりのタッグとなる小栗が演じるのは、東京の刑事・矢吹。あらゆる汚職にまみれた最悪の刑事=“バッド・ルーテナント”である矢吹ですが、ヤクザを狙った連続猟奇殺人事件の捜査では早々に遺体の身元を割り出し、ある容疑者を特定します。そんな矢吹の前に現れたのは、要人の娘の捜索のため来日したFBI捜査官グエン。彼女とタッグを組まされることになった矢吹は、魔都・歌舞伎町で複雑に絡み合う事件にまきこまれてゆき……。

そんな本作の原案となったのは、名優ハーヴェイ・カイテルが主演した伝説的作品『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』(日本公開:1994年)。巨匠アベル・フェラーラ監督がメガホンをとり、公開から30年以上を経てもカルト的な人気を誇る名作です。

まだ“浄化”される以前の雑多なニューヨークを舞台にした『刑事とドラッグとキリスト』は、カイテル演じる悪徳警部補が教会で起きた尼僧の暴行事件を追う中で、深い罪悪感と宗教的な苦悩に直面していく人間ドラマ。においすら伝わってきそうなリアルで乾いた映像のなか、街中をぶっきらぼうに走る様々な車たちも大きな見どころの一つでした。

フォード・LTD・クラウンビクトリア(ポリス仕様)

同作は冒頭から、警部補が乗る1990年式の真っ黒いフォード・LTD・クラウンビクトリアが映り続けます。子どもたちを学校に送り届けるや車内でコカインを吸引し、その足で事件現場へ。公衆電話で野球賭博の金額を伝えたかと思えば、1987年式のトヨタ・スープラMk3に乗るドラッグの売人を脅すなど、文字通り“やりたい放題”の悪徳ぶりを強調します。事件現場も車内であることが多く、血まみれのリンカーン マークVII(1990年式)など、凄惨なシーンの連続には思わず寒気が……。

そんな伝説的作品を換骨奪胎した『バッド・ルーテナント:トウキョウ』の舞台は、NYと同じく徒歩や公共交通機関だけで不自由なく生活できてしまう東京都心ですが、一体どんな車が登場するのでしょうか? 予告映像では、漆黒の日産セドリック(あるいはグロリアと思しき車)に乗る矢吹が、ジャガーXJと激しいチェイスを繰り広げるシーンが映っています。

しかも共演のリリー・ジェームズといえば、若き“逃がし屋”が爆走する映画『ベイビー・ドライバー』(2017年)のヒロイン役を思い出す映画ファンは少なくないでしょう。ともあれ、鬼気迫る映像で知られる三池監督だけに、激しいカーアクションシーンにも期待したいところですね。

「三池崇史×ハリウッド」公式サイト