道路に濡れた落ち葉が! 避けるべき? そのまま通過しても大丈夫?

雨に濡れた落ち葉が積もった路面は、スリップの危険性が高まる。

濡れた落ち葉がタイヤとアスファルトの間に入り込むと、路面との摩擦力が低下し、ブレーキやハンドル操作が十分に効かなくなるおそれがある。

特に落ち葉が何層にも重なっている場所では、タイヤが路面を捉えにくくなり、スリップにつながる可能性がある。

基本的には、十分な距離がある段階で速度を落とし、周囲の安全を確認したうえで可能であれば落ち葉が積もっていない場所を通行することが望ましい。

ただし、落ち葉を避けようとして急にハンドルを切る行為は危険だ。急ハンドルによって車の挙動が不安定になるだけでなく、対向車線へのはみ出しや歩行者・自転車との接触につながる可能性もある。

安全に回避できない場合は無理に進路を変えず、急なハンドル操作やアクセル操作を避けて慎重に通過することが重要となる。

また、落ち葉が厚く積もっていたり、路面の状態を確認できなかったりする場合は、安易に進入しない判断も必要だ。

特にカーブや下り坂では、曲がりながらブレーキをかけることで車が不安定になるおそれがあるため、落ち葉のある場所に到達する前に十分減速しておきたい。

タイヤの摩耗によって変わるスリップの危険性

スリップ事故を防ぐには、運転操作だけでなくタイヤの状態も重要。

濡れた落ち葉によるスリップ事故を防ぐうえでは、運転操作だけでなく、タイヤの状態にも注意が必要だ。

タイヤの溝には、濡れた路面を走行する際に接地面の水を排出する役割がある。しかし、摩耗によって溝が浅くなると排水性能が低下し、路面を捉える力が不足する場合がある。

JAF(日本自動車連盟)は、タイヤの摩耗状態によって制動距離がどのように変化するのか、ウェット路面で比較実験を実施している。

実験では、溝の深さが異なる夏用タイヤを使用し、濡れた直線路面で時速60kmと時速100kmからブレーキをかけた際の制動距離を測定した。

その結果、時速60kmでは新品に相当する10分山タイヤの制動距離が16.7mだったのに対し、摩耗した2分山タイヤでは18.0mとなった。

さらに、時速100kmでは10分山タイヤが47.6m、2分山タイヤが70.5mとなり、その差は22.9mにも達している。

つまり、同じ速度で走行していても、タイヤの摩耗状態によって停止するまでに必要な距離が大きく変わる場合があるということだ。

なお、この実験は濡れた舗装路面で行われたものであり、落ち葉が積もった道路での制動距離を測定したものではない。

秋のドライブ前に確認したいタイヤの点検ポイント

スリップ事故の危険性を減らすためには、日頃からタイヤの状態を確認しておくことが大切だ。特に確認したいのが、タイヤの残り溝である。

一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)によると、乗用車用タイヤの使用限度は残り溝1.6mmとされている。

タイヤには、この摩耗限度を確認するための「スリップサイン」が設けられており、残り溝が1.6mmになると溝の一部が途切れた状態になる。

スリップサインが現れたタイヤは使用できないため、早めの交換が必要だ。また、残り溝が1.6mm以上あっても、摩耗が進むと濡れた路面での性能が低下する場合があるため、使用限度に達する前から状態を確認しておきたい。

あわせて注意したいのが、タイヤの空気圧だ。空気圧が適正でない状態では、タイヤ本来の性能を十分に発揮できないだけでなく、偏摩耗やタイヤの損傷につながるおそれもある。

JATMAでは少なくとも月に1回、タイヤが冷えている状態で空気圧を点検し、車両に指定された数値に調整するよう推奨している。

また、タイヤの表面にひび割れや傷がないか、異常な摩耗が発生していないかについても確認しておくとよいだろう。タイヤの状態が良好であっても、滑りやすい路面でのスリップを完全に防げるわけではない。

秋のドライブでは、日頃のタイヤ点検に加え、道路に積もった落ち葉にも注意し、路面状況に応じた慎重な運転を心がけたい。