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  • 2018/08/10
  • 遠藤正賢

ダイハツ・ミラトコットvsミライース メカニズム比較&試乗:単に軽い・柔らかいだけではないトコットと、燃費重視ながらスポーティなミライース

ミライースもフラットな走りで望外に“エフォートレス”。ミラトコットはタイヤノイズの大きさが課題

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ダイハツ・ミラトコット
ダイハツの新たなベーシック軽乗用車「ミラトコット」は、若い女性をメインターゲットに「誰でもやさしく乗れるエフォートレスなクルマ」として開発・発売された。だが、ベーシックな軽乗用車といえば、ダイハツにはすでに「ミライース」があり、これがミラトコットのベースにもなっている。果たしてミラトコットは本当にミライースより“エフォートレス”な、肩肘張らず自然体で運転できるクルマに仕上がっているのか? 続いて両車のメカニズムと実際の走りを比較してみる。
ダイハツ・ミライース
ミラトコットのKF-VE4型エンジン
ミライースのKF-VE6型エンジン

 まずエンジンは、両車とも3気筒NAのKF-VE型のみ設定されるが、両車共通かと思いきや、ミライースに対し50kg増加した車重に対応するため、ミラトコットにはムーヴやキャストと同じシングルインジェクション仕様の「KF-VE4」型を採用。圧縮比は11.3で、最高出力は38kW(52ps)/6800rpm、最大トルクは60Nm(6.1kgm)/5200rpm、JC08モード燃費はFF車で29.8km/Lとなっている(4WD車は27.0km/L)。

 対するミライースは、650~740kgという車重の軽さを活かした、デュアルインジェクター仕様の燃費スペシャル「KF-VE6」型。圧縮比は12.2と、ミラトコットに対し0.9も高いながら、最高出力は36kW(49ps)/6800rpm、最大トルクは57Nm(5.8kgm)/5200rpmと、3ps/3Nm低い。だがアトキンソンサイクルを採用しており、JC08モード燃費は34.2km/Lと、ダイハツ車の中でNo.1だ(廉価グレードのFF車は35.2km/L、4WD車は32.2km/L)。

 なお、CVTは両車とも共通だが、ミラトコットではエンジン共々、より街乗りでの発進加速を重視したセッティングに変更されている。

ミラトコットの「Dモノコック」
ミライースの「Dモノコック」。青が厚板ハイテン化されたサイドアウターパネル、黄色が780~1180MPa級高張力鋼板、赤が結合剛性向上のポイント、赤線が差厚ライン

 ボディはいずれも、サイドアウターパネルを全面的に厚板ハイテン化し構造断点をなくした「Dモノコック」を採用。ミラトコットはさらに、スクエアなボディ形状や全高の30mmアップに対応するため、Aピラーの端部やサイドシルの前側、Bピラーの下側に補強材を追加。ミライースと同等の側面衝突性能を確保している。

ミラトコットの樹脂外板使用部位
ミライースの樹脂外板使用部位

 ミライースと同様にミラトコットも、フロントフェンダー、ラジエーターサポート、バックドア、フューエルリッド、燃料タンク(FF車のみ)を樹脂化。このうちバックドアはアウターパネルがPP、インナーパネルがガラス繊維入りのPPで、その他はPP製となっている。NVH対策としては、ミラトコットではミライースよりダッシュパネルの板厚が上げられたという。

フロントストラットにリバウンドスプリングを追加したミラトコットのシャシー
フロントダンパーに超飽和バルブを採用したミライースのシャシー

 シャシーはミラトコットが女性でも扱いやすいよう軽い操作力とソフトな乗り心地、ミライースはしっかりとした操作感とフラットな乗り味を重視したセッティングとなっているが、そのなかでも大きく異なるのはダンパーとブッシュ、パワーステアリングだ。

ミライースのフロントダンパー減衰力イメージ

 ミライースの上級グレードには超飽和バルブと専用ベースバルブを組み合わせ、入力速度の遅い領域では素早く減衰力を発生させて低速域の振動や突き上げを抑え、入力速度の速い領域で減衰特性を飽和させて中・高速域でのフラット感を高めたフロントダンパーを採用している。

 だがミラトコットは全車とも、入力速度が高いほど減衰力が高くなるリニア特性のバルブを用いた通常のダンパーを採用。ただしフロントストラットには、スタビライザーの代わりにリバウンドスプリングを追加し、ブッシュも上下方向に柔らかく左右方向に固い特性とすることで、旋回時のロールを低減している。

EPSのモーター電流量を33Aに増やしたミラトコットのステアリング
ミライースのステアリング。EPSのモーター電流量は25A

 パワーステアリングは両車ともJTEKT製のコラムアシストEPSだが、モーター電流量をミライースの25Aから、ミラトコットは33Aに増量して、据え切り時のアシスト遅れを防止。なおかつ低速域のアシスト量を増やし、交差点を曲がる際や車庫入れ時の操舵力を半分以下に軽減しているが、高速域はミライースと同等のアシスト量として、不意の操作で車両がふらつかないよう配慮した。

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