BMW 3シリーズ試乗記 【1200km徹底取材】新型3シリーズが切り拓くBMW新時代はどっちだ!?
- 2019/04/13
- GENROQ編集部

1975年に産声を上げて以来、40年以上に渡ってスポーツセダン・カテゴリーを牽引してきたBMW3シリーズがついにフルモデルチェンジを果たした。新型はワイド&ローボディとしながらも約55kgの軽量化を実現したほか、日本初導入となる3眼カメラを使用した最新の運転支援システムを採用している。その性能を確かめるべく、上位グレードの330i Mスポーツで1200kmの旅に出た。
REPORT◉高平高輝(TAKAHIRA Koki)
PHOTO◉田村 弥(TAMURA Wataru)
※本記事は『GENROQ』2019年4月号の記事を再編集・再構成したものです。

左右一体型となったキドニーグリルや新形状のヘッドライトユニットの他にも、何かが違うと思ったら、グリルの奥のラジエーターコアやブレースバーが見えないことに気がついた。新型のラジエーターグリルには自動シャッターが備わり、必要な場合のみ開くようになっている。効率のためには冷やし過ぎないのが最新のトレンドだ。Mスポーツゆえにフロントバンパーやスポイラーの形状がアグレッシブだが、それを除けばこれまで通り、間違いなく3シリーズに見えるとはいえ、新しいG20型3シリーズは全体的にまた一段と立派に成長したようだ。
実際、ボディの外寸は全長が70mm伸びて、サイズは4715×1825×1430mmとなり、ホイールベースも40mm延長されて2850mmになっている。中でも注目は全幅である。ご存知のように従来型3シリーズは日本向けにドアハンドルの形状を工夫してまで1800mmに抑えていたが、今回の新型ではトレッド拡大の影響で明確にその枠を超えてきた。それでも、BMWとしては使い勝手を考慮したサイズだという。これでCクラスを逆転し、3シリーズのほうがわずかに大きくなった。
外観以上に様変わりしたのがインストゥルメントである。全体的なインテリア配置は従来通りのBMW流だが、計器類はフルデジタルスクリーン(12.3インチ)にアナログメーターを映し出すタイプとなり、しかもその表示スタイルはBMWが長年こだわってきた円形ではなく、六角形を半分に割ったような左右のフレームが速度計と回転計に当てられ、真ん中のスペースはナビゲーションなどを表示するウインドウになっている。さらに回転計はプジョーのような反時計回り表示に変更されている。レブリミット付近が中央上部に位置するため、なるほどトップエンドを使う場合には見やすいかもしれないが、他はなかなか当初は馴染めず、たとえばオドメーターを呼び出すのさえまごついた。長年BMWに慣れ親しんだ人ほど、最初はちょっと戸惑うかもしれない。
新型では運転支援システムも一新され、ウインドシールド上部の3眼式カメラとレーダーによって前方周囲の環境を検知する。走り出した当初にびっくりしたのは、車線に近づいた瞬間、グイッと引き戻す強力なアシストである。もちろん、設定を変更することはできるが、BMWはあえて律儀にレーンをキープする方針のようだ。とはいえ前走車への追従、車間コントロールのための自動ブレーキの作動具合などは滑らかで違和感がなく、一気に高速道路を駆ける今回のようなドライブでは大変楽ちんで役に立った。
また「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」なる対話型インターフェイスが搭載されたのもトピックだ。これはメルセデスのMBUXのように自然言語で様々な機能をコントロールするシステムで、呼びかけのキーワードもドライバーが設定可能という。新機能が多すぎて色々と試す余裕はなかったが、少なくとも走行中にナビの目的地を設定する場合の音声認識の正確さは新型Aクラスよりも優れているのではないかと感じた。ちなみに「ヘッドライトを点けて」などという重要操作に関する呼びかけには「その操作には対応していません」とSiriのように若干冷たく答える。この種の呼びかけには無言を通すMBUXとは違った思想だが、BMW方式のほうが「発音が悪かったのか?」と悩まずにすみそうだ。

事実、4気筒とは思えないほどスムーズにストレスフリーに回るうえ、静かである。淀みなく滑らかに湧き出るトルクは逞しく、さらに最近のダウンサイジングターボとは異なり、トップエンドまで回しても頭打ち感がなく、最後まできっちり使い切れるのが特徴的。330というモデルナンバーもあって、知らされなければ6気筒と勘違いしたままの人もいるのではないかと思う。そのぐらいパワフルさと洗練度を併せ持った、現状ベストな2.0ℓ4気筒と言えるだろう。ちなみに0→100km/h加速は5.8秒という。しかもMスポーツということで特に燃費走行はしなかったにもかかわらず、燃費も優秀だった。高速道路区間だけなら17km/ℓに届くうえ、市街地の渋滞や山道を含めて1200kmほどを走った総平均でも14.5km/ℓという実に立派な数字を記録した(車載コンピューターの数値)。燃料タンクは59ℓ入りというから東京〜大阪無給油往復も現実的だ。
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