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The Grand Touring ルーテシアR.S.(ルノー・スポール)でパリからディエップ、スパ、そしてルクセンブルク3ヵ国1400㎞を激走!

  • 2019/09/05
  • ニューモデル速報
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ベルギー、ルクセンブルクそして再びフランスへ

今回の旅に供されたのは、ジョン シリウスのルーテシアR.S.シャシー・カップ仕様。ハンドル位置を除けば、ほぼ日本仕様と変わらない個体だ。わずか1750rpmで最大トルク240Nmを発生するエンジン、イージードライブを可能とする6速DCT、そしてホールド性と快適性を高次元で両立させた絶品シートのおかげで、長距離ドライブもまったく苦にならない。

 ディエップでのファクトリー巡礼を終えると、翌日のワールド・シリーズ・バイ・ルノー(WSR)巡礼のために、今度はスパ・フランコルシャンを目指す。A2から国境を越えてベルギーに入ったのは午後5時過ぎ。ただ6月のヨーロッパは夜10時近くまで明るく、夕方5時はまだまだ昼間の日射しである。

 ベルギーとの国境には、かつての検問ゲートの骨格らしきものがかろうじて残るだけ。フランスとベルギー間での国境検査廃止を取り決めたのは比較的古く(1985年のシェンゲン条約)、検問跡ももはや廃墟のように朽ちている。もっとも、ユーロ導入以降はEU内の国境検問はほとんどなくなっているが……。

 だから、国境越えにはなんの儀式も必要ないが、高速道路の制限速度が120㎞/hになるのは要注意である。ドイツのアウトバーンが周辺国に批判されつつも速度無制限をなかなか捨てないように、国境検問はなくなっても、制限速度のような風土密着の規則は今でも残っているのだ。また、ベルギーに入ると、路面状況がいきなり悪くなるのは面白い。これはベルギーの道が悪いというより、フランスの道がきれいと評するべきだ。それにしても、このあまりの道路の切り替わりっぷりには「フランスは国力を見せつけるために、国境付近のオートルートを特別に重点整備しているのか……」と勘繰りたくなるほどである。

 世界に知られる「スパ・フランコルシャン」はスパとフランコルシャンというふたつの街にまたがるサーキットだが、我々が投宿したのはスパ。偏狭なクルマ好きにはサーキットのイメージしかないスパだが、「スパ」という名前のとおり、一般的には温泉が有名な保養リゾート地である。ただし、夜遅く到着して翌日は早朝からサーキットに直行する取材班に温泉を楽しむ時間などない。ベルギーで堪能できたのは夕食でのベルギービールと豚肉料理、そしてワッフルだけだった……残念。

目的地のひとつであるスパ・フランコルシャンに到着したルーテシアR.S.シャシー・カップ。そのままサーキット走行したいところだが、ワールドシリーズ・バイ・ルノー開催期間中なので今回は観るだけ。

 丸1日のWSRを終えた翌日のスケジュールは、パリに戻るだけである。朝に出発してA2とA1で一気に南下すれば、午後早めにはパリに戻れる……のに、編集K氏は「せっかくなのでルクセンブルクをかすめましょう」と言う。世界遺産でもある旧市街で撮影したいらしい。

 日本人にはあまりなじみのないルクセンブルク大公国は、フランス、ベルギー、ドイツに囲まれた小さな国(面積は日本の神奈川県ほど)である。道路状況はベルギー的で、食事はドイツ風。ローマ帝国時代から周辺の大国に攻められ、ときには支配された。それに対抗するためにルクセンブルク市の旧市街は、街全体が切り立った崖を活かした要塞都市と化した。そんな旧市街は世界遺産にも登録されている。。

 西暦963年にアルデンヌ家のジーゲフロイド伯爵が建造した城から始まって後数百年かけて拡張されたボック要塞(現在残るのはその一部)内の道路は、なんとも狭く複雑に曲がりくねり、路面も一部に石畳が残る。そこを撮影のために何度となく周回することになったが、そんな劣悪な路面でもルーテシアRSカップは跳ねることも、チョロつくこともない。特有のフロント独立キングピンストラットを捨てたフットワークは、ある意味で異質で濃厚なフィーリングは薄れたが、代わりに投入された新開発ダンパーによる柔軟性としなやかさは、こういう路面では目を見張るほど効果絶大だ。

 ルクセンブルクを出てフランスに入ると、あとはA4でパリに一直線。パリに近づくにつれて、またスピード違反カメラが目に見えて増えるので気を抜けない……というか、カメラをいちいち気にするより、さっさとクルーズコントロールでも作動させて余計なイタズラ心を封印するのが、精神的にも、実際の乗り心地でも最も快適な方法である。

 この二大聖地連続巡礼の旅は、半日のディエップ工場訪問、そしてまる1日のWSR観戦を差し引くと、実質2日間で1400㎞を走ったことになる。トータル燃費は12㎞/ℓをちょっと超えるくらい。先代RSと比較すると2割近く優秀である。ただ、それ以上に印象的だったのは、この飽きるほどのロングドライブにおける肉体疲労度の少なさだ。

 乗り手のテンションがギリギリまで高まってのワインディング走行やエンジンサウンドの快感では、新旧ルーテシアRSそれぞれに魅力があり、より分かりやすく濃い味なのは先代だ。だから「先立つものがあったとして、新型に即座に買い替えたいか?」と問われても、現時点ではビミョーな気持ちだ。贅沢を言えば、「興が乗ったときの戦闘用に先代」そして「普段用に新型」の2台体制が理想である(笑)。ただ……私が例えば1日500㎞以上の移動を、週1回ペースで強いられる生活ならば、新たにローンを組んででも、迷わず新型に買い替えるだろう。

普段はポーカーフェイスな筆者も、ご覧の通りの笑顔。先代ルーテシアR.S.のオーナーということもあって、今回の企画はまさに至福の旅。

聖地ディエップ巡礼からWSR観戦までルノー・スポールを満喫する1400㎞の旅
パリからルーテシアR.S.の生産拠点のあるディエップ、ワールドシリーズ・バイ・ルノー第2戦の行なわれたスパ・フランコルシャンに立ち寄り、目的地であるルクセンブルク、そしてパリに帰着するまでの、全行程1400㎞に及ぶ壮大なドライブとなった今回のグランドツーリング企画。途中、ディエップで1泊、スパで2泊している。訪れた国はフランス、ベルギー、ルクセンブルクの3ヵ国となった。

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華の都パリ、生産拠点ディエップ、WSR開催中のスパ・フランコルシャン、
そしてルクセンブルクまでのロングツーリングなど、
ヨーロッパ現地徹底取材を敢行!

トップドライバー、ミハエル・クルム選手による緊急試乗レポートも掲載しています。

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