史上最強のルノー・メガーヌR.S.トロフィーに乗り、筑波で本気を出してみる|スポーツカー試乗記@サーキット
- 2019/11/09
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MotorFan編集部 小泉 建治

ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェで市販車FF世界最速タイムを更新した車両に限りなく近いスペックを持つルノー・メガーヌR.S.トロフィーがいよいよ日本に上陸。スタンダードのR.S.と比べて最高出力が21psも引き上げられるなど、そのパフォーマンスの向上は計り知れない。筑波サーキット「コース2000」から試乗レポートをお届けする。
REPORT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

大きく引き上げられたパワーとトルク
まずはスタンダードのメガーヌR.S.との違いから紹介しよう。
エンジンは最高出力が21ps向上の300psとなり、最大トルクは30Nm増しの420Nm(6速MTは400Nm)となった。これはメガーヌR.S.史上で最もパワフルなスペックとなった。
ターボチャージャーにはF1にも使われているセラミック製ボールベアリングが採用され、レスポンスを向上させている。
これに組み合わされるトランスミッションは、スタンダードのメガーヌR.S.は6速DCT(ルノーではEDC───エフィシエント・デュアル・クラッチと呼ぶ)のみの設定だったのに対し、R.S.トロフィーはあわせて6速MTも選択可能とした。MTモデルではサイドブレーキが電磁スイッチ式からコンベンショナルな機械レバー式に改められ、サイドブレーキターンなど、リヤブレーキのみを使って車両の姿勢をコントロールするテクニックが使えるようになる。

さらに排気系に目を向けると、アクティブバルブ付きスポーツエキゾーストが新たに採用されている。マフラー内に設けられたふたつの排気ルートのうちのひとつに機械式バルブを設け、。そのバルブが閉じられると騒音レベルを抑えた日常使いに適したサウンドとなり、バルブを開けるとスポーツカーらしい痛快なサウンドとなる。



また、メガーヌR.S.には「シャシースポール」と「シャシーカップ」が用意されており、前者は公道でのスポーツドライブにフォーカスしつつ日常使いも考慮したもので、後者はサーキット走行に主眼を置いている。
スタンダードのメガーヌR.S.はシャシースポールを採用していたが、トロフィーは、スプリングレートをフロント23%、リヤ35%、ダンパーレートを25%高め、加えてフロントアンチロールバーの剛性も7%高めた「シャシーカップ」を採用している。さらにフロントのラバー・バンプストッパーが10mm長くなっている。これは、2019年初頭に限定車として導入された「メガーヌR.S.カップ」と同じものだ。

さらにメガーヌR.S.カップと同様に、ジェイテクト製のトルセンLSDを搭載している。
トルセンLSDとは、サイドギヤを分割し、結合部にワンウェイ構造のヘリカルスプラインを採用したLSDのこと。 左右輪のトルク配分比を高め、トラクション性能や走行時のフィーリングを向上させるといった機能に加え、アクセルオンの時は差動制御が大きく機能することでトルク配分比を大きく高める。一方アクセルオフの時には差動制御の効きを抑え、最適なトルク配分とドライバビリティの向上を実現する。


そしてフロントブレーキに、鋳鉄製のベンチレーテッドディスクにアルミ製ハブを組み合わせたバイマテリアルブレーキを採用しているのもメガーヌR.S.カップと同様だ。スタンダードのメガーヌR.S.と比べて片側だけで1.8 kg軽量化を達成し、冷却性能も向上された。

そのほか、レカロ製のフロントバケットシート、専用Sデザインの19インチアロイホイール、一部にアルカンターラが張られたナッパレザーのステアリング、小型バッテリーとスーパーキャパシタを組み合わせてカプセル化することでクランキング力の向上と軽量化を実現したDESS(デュアル・エナジー・ストレージ・システム)などが新採用されている。
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