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ニュル最速の新型ルノー・メガーヌR.S.は300psになってADASも充実! でも最大の魅力は乗り心地の良さだった? 【国内公道試乗記】

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ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおけるFF市販車最速タイム「7分40秒100」を樹立するなど、世界屈指のスポーツモデルとして名を馳せるメガーヌR.S.(ルノー・スポール)がマイナーチェンジを受け、日本に上陸を果たした。従来比で21psものエクストラとなる300psものアウトプットを得たエンジン、スポーツエキゾーストの採用などのほか、ADAS系も充実させて全方位的に進化。クラス最速最強の地位をさらに盤石なものとした。

エンジンのスペック向上と運転支援技術の充実

まずは新型メガーヌR.S.の従来型からの変更点を整理しておこう。

【新型メガーヌR.S.】
●従来比で最高出力+21psと最大トルクが+30Nmとなる300psと420Nmを発生
●スポーツエキゾーストの採用
●名派レザーとアルカンタラのステアリングを採用

【新型メガーヌR.S.トロフィー】
●MTモデルにローンチコントロールを装備

【新型メガーヌR.S.および新型メガーヌR.S.トロフィー】
●アダプティブクルーズコントロールを採用(EDCはストップ&ゴー機能付き)
●アクティブエマージェンシー(衝突被害軽減)ブレーキを採用(歩行者検知機能付き)
●トラフィックサインレコグニション(交通標識認識機能)を採用
●LEDヘッドライト、リヤLEDランプ、フロントR.S.ロゴの意匠変更
●リヤシーケンシャルウインカーの採用
●シャークアンテナの採用
●オートホールド機能の追加(電動パーキングブレーキ搭載車)
●EASY LINKの採用
●後席用USBポートをふたつ追加
●ダイヤル式エアコンコントロールの採用
●ウエルカムランプ(ドアハンドル)

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では、早速テストドライブを始めたい。試乗車はメガーヌR.S.のEDC(6速DCT)モデルだ。今回の試乗は関東屈指のワインディングロードだが、あくまで公道であり、法規を遵守したうえでのレポートであることを予めお伝えしておく。

R.S.モードを「スポーツ」に入れて走り出す。従来モデル比で21psと30Nmものエキストラを得た新型メガーヌR.S.だが、公道における走行では正直に言ってその差を感じることはない。相変わらず低回転域から猛烈なトルクを発生するから、法定速度にはあっという間に達してしまう。

新型メガーヌR.S.には、従来からトロフィーにのみ採用されていたアクティブバルブ付きスポーツエキゾーストが全グレードに搭載されている。マフラー内に設けられたふたつの排気ルートのうちのひとつに機械式バルブを設け、そのバルブが閉じられると騒音レベルを抑えた日常使いに適したサウンドとなり、バルブを開けるとスポーツカーらしい痛快なサウンドとなるシステムだ。「スポーツ」モード選択時にはシフトアップ時にブバッと、そして減速時にアクセルを戻した際にはパパパパッと、それぞれバックファイヤのような音が発生するのも気分が高まる。

こうした演出には賛否両論あるだろうが、実はこういったサウンドがあるおかげでそれほど速度を出さずとも高揚感が味わえるため、むしろ安全運転が促されるという意外な側面も持っている。あくまでジェントルな範囲であれば、筆者はこういったサウンドチューンには賛成である。

直列4気筒1.8ℓターボの最高出力は先代比+21psと+30Nmの最高出力300psと最大トルク420Nmを発生。トロフィーと同スペックとなった。
フロントノーズ先端のロザンジュ(ルノーのロゴ)下に設けられたR.S.のエンブレムはデザインが変更され、菱形をふたつ並べたマークが追加された。

エンジンのスペックが引き上げられた一方でシャシー関連に変更はないが、それでもメガーヌR.S.の真骨頂は圧倒的なコーナリング性能にあることは多くの方がご存知だろう。

従来型のおさらいにもなってしまうが、あらためてメガーヌR.S.の超絶コーナリングを味わってみたい。

リヤには大型のディフューザーが設けられる。センター出しのエキゾーストエンドは、よく見ると二分割タイプだ。
「インテルラゴス」と名付けられたホイール。タイヤサイズは245/35R19。ブレーキキャリパーはブレンボ製だ。

まず感じるのは、4コントロールと呼ばれる四輪操舵システムの恩恵だ。これは60km/h(レースモード選択時は100km/h)以下ではリヤホイールを最大2.7度の逆位相とすることで旋回性を高め、60km/h以上では最大1.0度の同位相として安定性を高めるもの。

とにかくこいつが秀逸なのだ。

筆者のような初〜中級ドライバーだと、とくにヘアピンのように回り込んだコーナーでしっかり向きを変えることができず、盛大なアンダーステアを発生させることが少なくない。そんなとき、FFではアクセルを戻して待つしかないはずだが、限度こそあれメガーヌR.S.の場合は切り増しすればたいてい曲がってしまうのだ。ターンインに失敗したくせにアクセルを早めに開け、あたかも「最初からこう走るつもりだった」みたいな涼しい顔をして立ち上がることができてしまうのである。

もちろんこれはサーキットでの話で、公道でそんなアンダーステアを発生させるような走りは御法度だ。では公道の速度域ではどうなのかというと、もうとにかくクルクルと、ひたすら自分を中心にコマのように曲がり続ける。慣れないと曲がりすぎてしまうほどだが、リズムを掴むと、この尋常ならざる旋回性がやみつきになる。

新装備のひとつがリヤのシーケンシャル式LEDターンシグナルランプ。
車両の中心側から外側に向かって順番に流れるように点灯していく。

そして今回の試乗で終始感じ続けていたのが、「メガーヌR.S.ってこんなに乗り心地がよかったっけ?」ということである。とくにシャシー系に変更はないから、従来から乗り心地は変わらないはずである。ただ、久しくメガーヌR.S.に乗っていなかったから以前の記憶が薄れ、「ニュル最速のスポーツカーに乗るぞ」という気持ちばかりが先行して「それにしては乗り心地がよすぎる」という感覚に至ったのだろう。

しかしこの乗り心地の良さは、驚くべきことに4コントロールの恩恵なのである。

ダイヤル式のエアコンスイッチを新たに採用することで操作性が大幅に向上した。そのほか、コクピットの基本的な意匠に変更はない。
リヤシートは足元も広く、意外と居住性は良好だ。
ホールド性、座り心地、ともに満点のシートは健在。

4コントロールの採用によって旋回性と安定性を確保できたため、狙ったダイナミクス性能に対してサスペンションを柔らかめに設定できたというのだ。

電子制御ダンパーを使わず、四輪操舵によって走行性能と快適性能を両立させるとは、なんともルノーらしいアプローチではないか。もちろんサスペンションがしっかり動くことは快適さのためだけでなく、路面追従性の向上にも寄与する。けっして路面状態が良好とは言い難いニュルブルクリンク・ノルトシュライフェでのタイム短縮を狙えば、自ずとこういった方向にセットアップされるのかもしれない。

また、メガーヌR.S.には従来からHCC(ハイドリック・コンプレッション・コントロール)が採用されている。これはダンパー底部にセカンダリーダンパーを内蔵することで、通常のバンプストップラバーのような反力や振動を発生させないものだ。これはラリーからフィードバックされた技術で、乗り心地というよりも限界域における路面からの強い入力をいなすことで路面追従性を高めるものだ。

リヤパッセンジャー用エアコン吹き出し口の下に、USBポートがふたつ追加された。
リヤシートは6:4の分割可倒式を採用する。トノカバーも標準装備される。

もともと完成度が高く、セールスも好調だったメガーヌR.S.だけに、その方向性やポテンシャルは従来型と大きく変わるものではなかった。エンジンにファインチューンを施し、現代のマーケットにおいて商品性を大きく左右するADASを充実させることで、メガーヌR.Sはライバルに対するアドバンテージをさらに強固なものにしたと言えるだろう。

次のページでは、MTモデルも選べるR.S.トロフィーについて簡単に紹介しよう。

■ルノー・メガーヌ ルノー・スポール
全長×全幅×全高:4410×1875×1465mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1480kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー
総排気量:1798cc
ボア×ストローク:79.7×90.1mm
圧縮比:8.9
最高出力:221kW(300ps)/6000rpm
最大トルク:420Nm/3200rpm
トランスミッション:6速DCT
変速比 1速:3.230
    2速:2.047
    3速:1.407
    4速:1.028
    5速:1.187
    6速:0.971
    後退:4.470
 最終減速比:4.357(1,2,3,4速)/2.904(5,6速)
サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡトーションビーム
タイヤサイズ:245/35R19
ハンドル位置:右
乗車定員:5名
WLTC モード燃費:11.8km/ℓ
  市街地モード:8.4km/ℓ
   郊外モード:12.4km/ℓ
 高速道路モード:13.6km/ℓ
車両価格:464万円

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