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〈試乗記:アウディA4〉1.4TFSIと2.0TFSIクワトロ……それぞれの価値

  • 2019/12/14
  • MotorFan編集部
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日本登場以来、アウディらしい上質感と先進性、そして走りの良さで高い人気を誇る新型A4に、新たに1.4TFSIが加わった。エントリーグレードということで価格の安さに目が行きがちだが、実際に触れて乗った印象はどのようなものなのだろうか。1.4TFSIと2.0TFSIクワトロの2台を連れ出して、新たな魅力を加えたA4の真価を探ってみよう。

TEXT●高平高輝(TAKAHIRA Koki)
PHOTO●宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

※本稿は2016年11月発売の「アウディA4/S4のすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

主張しすぎない穏やかさ 洗練とはこういうことだ

 「近ごろ真っ当なセダンが見当たらない」とお嘆きだった皆さんに朗報である。もちろん、真っ当で上質なセダン(とステーションワゴン)がなかったわけではない。ただし、どうも最近は“辛口”のスポーティ寄りのモデルばかりが目につき、控えめで落ち着いた穏当な仕様となるとなかなか候補が思い浮かばないという状況だった。その点、新型A4はシングルフレームグリルが以前より落ち着いたデザインになったこともあり、あまり派手では困るという大人向け、目立つのが嫌いな方にも最適だ。しかも今回新たに150㎰の1.4ℓ4気筒ターボエンジンを積んだ、よりスタンダードなモデルが追加された。ごく普通の、過剰ではないパフォーマンスを備えた上質で穏当なセダンとワゴンを求める人には打ってつけではないだろうか。

 2016年初めに日本に導入された新型A4は中身が一新されているいっぽう、エクステリアはやや大人しく、先代とほとんど見分けがつかないではないかと指摘する声が多かったが、私に言わせれば、それこそアウディの真骨頂である。精密なエンジニアリングと上質で洗練された仕立てがアウディの十八番であり、クールで都会的でファッショナブルなイメージはその後に付け加えられたものなのである。ファッション雑誌に登場するような“キメキメ”スタイルを毎日実践するのは普通の人には難しい。日常的に使う実用車がカッコ良すぎるのはちょっと考えものだ、と私は思う。大人ならば、主張しすぎない、さりげない伊達さを選ぶはずである。

 これまで日本仕様のA4のパワーユニットは2.0ℓ直噴ターボエンジンのみだった。FWSの2.0TFSI用はミラーサイクルを採用した190㎰版、AWDのクワトロ用は高出力型で252㎰を生み出していたが、今回追加された「1.4TFSI」の車両価格は447万円で、スポーツサスペンションや17インチホイール、リヤビューカメラ等を備える「1.4TFSIスポーツ」は478万円。またアバントはそれぞれ29万円高の476万円と507万円である。これまでの2.0TFSIは518万円だったので、約70万円安いエントリーグレードということになる。

 かねてからA4のクオリティの高さには感心していたものの、キビキビ飛ばす人向けの仕様ばかりが目立つと考えていた私のようなオヤジには、1.4TFSIは実にありがたい追加モデルである。もちろん、時には山道を敏捷に駆け巡りたいと思うこともあるが、四六時中飛ばしているわけではない。穏やかでスポーティ過ぎない仕様が欲しいと考えていた人も少なくないはずだ。もともとA4の本国版には1.4ℓターボやディーゼルもラインナップされていたうえに、ライバルたるメルセデスCクラスやBMW3シリーズに比べ、日本では2.0TFSIがベーシックモデルだったA4はちょっと割高という声もあった。要するに1.4TFSIは待ち望まれていたモデルなのである。

Sportグレードは、17インチのアルミホイールやクローム仕上げを多用したスポーツエクステリアを採用し、高級感漂うルックスを実現。2.0TFSIクワトロは10スポークの17インチホイールが標準だが、撮影車両はS lineパッケージの18インチホイールを装着する。

 試乗したのは1.4TFSIスポーツのほうだが、このモデルでもアウディA4の特長である繊細な軽やかさにはまったく変わりがない。むしろ、パワフルなエンジンと切れ味鋭い7段Sトロニックにいつも急かされているような感じがない分だけ、ラグジュアリーな雰囲気さえする。世の中には速く走ることに重きをおかない人もたくさんいることを忘れてはいけない。滑らかな加速を試しているうちに、かつてレクサス・ブランドが国内導入された当初、メーカーが考えるよりもずっと多くの年配のユーザーがセダンのISを選んだことを思い出した。

 そんなユーザーは皆さん「真っ当で品が良く、派手じゃなく、使いやすいサイズで、快適に使いこなせるセダン」が希望だったという。スポーティ重視の若いユーザーではなく、ごく当たり前のプレミアムセダンを求める年配のユーザーがISを選んだのである。若者には平凡で抹香臭いチョイスに聞こえるかもしれないが、今では日本のセダンもイナズマ顔や爬虫類顔のフロントグリルを持つものばかり、派手派手しいものを見ると引いてしまうようなユーザーからは敬遠されて当たり前である。

 普段から鍛えている人は、たとえただ立っていても、普通に歩いていても姿勢がきれいで、所作振る舞いが美しいものだが、この1.4TFSIスポーツもまさにそんな感じで、しなやかで安定している。スポーツサスペンションの細かな設定までは明らかではないが、従来の「Sライン・パッケージ」や「クワトロ」の足まわりがちょっと辛口すぎると感じていた人にはちょうどいい塩梅ではないだろうか。

 そもそも2.0ℓのTFSIでも本来205/60R16が標準装着タイヤで、17インチはオプションである。その“素”のA4でも、舞台を選ばずまったく問題なく飛ばせることはすでに確認済みである。1.4ℓモデルでも、身のこなしの切れの良さや、サラリ、カラリとしたフリクションと振動のなさは変わらない。緻密に仕立てられたものはスーッとごく滑らかに軽やかに動くものなのである。

 もちろん、常用するスピードレンジが違えばサスペンションやタイヤの仕様も異なるものが求められる。200㎞/hぐらいまでを当たり前のように使うドイツでは、低速ではビシッと締まったサスペンションか、あるいはダンパー制御まで含むアウディ・ドライブセレクトで折り合いをつける必要があるだろうが、日本での使用を考えれば優先事項は自ずと明らかではないだろうか。俺はドイツ人のように走る、という向きにはそれこそSでもRSでも他に高性能な選択肢が用意されている。

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