デュアルエレクトリックとは、車体のシャシーに搭載される「メインの交換式(スワッパブル)バッテリー」に加えて、キャビンの後方に「総電力量77kWhの固定式バックアップバッテリー(3C充電対応)」を物理的に独立して搭載する、2系統(デュアルシステム)の電力アーキテクチャ。これまでの商用トラック型BEVは「充電の長さを嫌ってバッテリー交換式にする」か「大容量を積んで急速充電する」かの二者択一だった。CATLはこの二つの構造をひとつの車両に統合し「ステーションでの交換」を主軸にしつつ、固定式バッテリーを併設することで、交換ステーションまでの走行余裕を確保し、メインバッテリーをより深く使い切る。結果として、交換式バッテリーの利用効率を高め、ステーションへの依存を低減する。
メインバッテリーにはQIJI社が標準化したシャーシ搭載型交換式バッテリーを採用する。キャブ後方の航続距離延長電源システムには、現在3C充電に対応した77kWhバッテリーを搭載し、バックアップ電源として機能する。これにより、従来のバッテリー交換式トラックで生じがちな「バッテリー残量が少なくなるのを嫌がって未使用の容量を残したまま交換のために戻ってくる」ことを最小限に抑える。
航続距離延長バッテリーからのバックアップ電源により、メインバッテリーの放電深度(DOD)は約70%から95%以上に増加し、充電状態(SOC)が5%未満でも返却できるようになる。この閾値に達すると、CATLのシームレススイッチング技術により、電力供給がミリ秒単位で航続距離延長バッテリーに切り替わり、継続的かつ安定した電力供給が維持されるのも特徴。

QIJIは、より幅広いトラック車種や運行条件に対応するため、従来の75#に加えて、260#(432kWh)と300#(513kWh)の標準化された交換用バッテリーブロックを導入した。CATLによれば、このシステムによりバッテリー交換はわずか5分で完了し、初回成功率は99.99%に達するため、車両運行におけるダウンタイムを最小限に抑え、運用効率を維持するのに役立つという。
車載航続距離延長バッテリーは車両の耐用期間を通じて資産として維持される一方で、メインバッテリーは季節的な貨物需要に応じてリースできるため、運送会社は閑散期のレンタルコストを削減し、バッテリー資産をより柔軟に管理できるというメリットも訴求している。
