GT-Rだけじゃない! R32スカイラインを乗り継ぐマニアが辿り着いた境地とは?

ヒートベアーズ北本スタジアムで開催された「第13回クラシックカーフェスティバル2021」のレポートだが、今回は中古車価格が高騰を続けている日産R32スカイラインGT-R、ではなくFR方式を採用するGTS-tが登場。オーナーは過去にGT-Rを4台乗り継がれた経験もあるのだが、なぜタイプMを選んだのだろうか?

PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)

長距離ドライブに最適な日産スカイラインGTS-tタイプM(R32)

一瞬GT-Rに見えるこのクルマ、よくよく見るとリヤフェンダーが張り出してなく、5ナンバーのGTS-tタイプMだと気が付く。GT-Rのグリルを装備しているから勘違いしてしまうのだが、それ以外は極めてノーマル度が高い。これは何かこだわりがあるのだろうと思って、そばにいたオーナーを直撃してみた。

日産スカイラインGTS-tタイプM
日産R32型スカイラインGTS-tタイプM。

オーナーは初代セリカのマニアで有名な富樫賢二さんで、筆者とはかれこれ20年来の知り合いだった。でもR32タイプMを所有しているのは初耳。なぜタイプMを?と聞けば意外な言葉が返ってきた。「R32は速いし面白いクルマですが、タイプMには身軽さがあります。これが走りやすさにつながっているんです」とのこと。4台もGT-Rを乗り継いだ人ならではの感覚なのかもしれない。

日産スカイラインGTS-tタイプM
控えめなリヤスポイラーはタイプM標準のもの。

購入したのは平成18年というから、すでに15年間も所有されていることになる。ただ、タイプMや初代セリカのほかにも所有車があるため、もっぱらこのタイプMは長距離ドライブ専用だとか。

GT-Rより乗りやすいタイプMだが、グリルを変更したのはGT-R乗りだった過去があるから。面白いのはホイールで、一見するとGT-R用に見える。でも、よく見ればタイプM純正だとわかる。これはガンメタに塗装したことによるマジックなのだ。

日産スカイラインGTS-tタイプM
ガンメタに塗装したタイプM純正16インチホイール。

GT-R純正ボンネットは富樫さん自ら交換作業をされたとのこと。簡単に付くだろうと考えて、ネットオークションで格安だったボンネットを単体で購入。奥様に手伝ってもらいながらタイプMのヒンジに取り付けたものの、なんとキャッチの位置が違って閉められないことに愕然とされた。GT-Rは位置だけでなくホーンもキャッチに取り付けられているため、タイプMとは部品の形状がまるで違う。そこで再度ネットオークションでボンネットキャッチを手に入れ付け直された。

日産スカイラインGTS-tタイプM
ボンネットキャッチもGT-R用にした。

タイプMに搭載されたエンジンは2リッター直列6気筒DOHCターボのRB20DET型。RB26に比べてトラブルは少なく思うが、走行距離が10万kmを超えたくらいから調子を崩し始めた。

そこでディーラーへ持ち込み原因を探るも、なかなか特定することができない。O2センサーに始まり燃料ポンプやクランク角センサーなど、怪しい個所を新品部品に交換してみるが、それでも改善しない。結果的にトラブルの原因はインジェクターの詰まりだと判明したが、ここまでの整備だけで100万円ほどかかってしまったとか!

日産スカイラインGTS-tタイプM
NISMO製タワーバーが追加されたエンジンルーム。

メンテナンスに費用はかかったが、それ以外の作業はなるべくご自分で行っているという。前後に装着したNISMO製タワーバーは、これまたネットオークションで数千円で買ったもの。自分でできるモディファイを楽しみながら、肝心な部分はしっかり整備する。これが長く乗る秘訣のようだ。

日産スカイラインGTS-tタイプM
リヤにもタワーバーを追加。

室内は比較的オリジナルのままを保っている。というのもタイプMは長距離ドライブを楽しむことが多いから、できるだけ乗りやすく実用性を保って欲しいためだ。今年は住んでいる都内から鹿児島まで自走されたりと、毎年のように遠方まで走っているそうだ。

日産スカイラインGTS-tタイプM
ナルディ・ステアリングに変更したくらいのインテリア。
日産スカイラインGTS-tタイプM
11万キロを超えた走行距離。

シートはフロントの2脚をGT-R純正に変更している。ホールド性が高いことで疲労度を低減できるからだろう。表皮に社外のカバーを被せているが、純正シートらしく使い勝手や実用性を優先するオーナーらしいモディファイだ。

日産スカイラインGTS-tタイプM
シートもGT-R純正に変更している。

R32スカイラインもすでに30年選手だから、維持費がかかるのも仕方ないこと。ただこのタイプMに限って言えば100万円近い整備代を費やしたので、しばらくトラブルとは無縁でいられそうだ。80年代や90年代の国産車にこれから乗ろうと思うなら、やはり維持費を用意しておくのが確実ということだろう。

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増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…