フォークの角度と前後ホイールの大きさで表現する、ハーレーらしいクルーザーのスタンス
ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)のスプリント440は、空油冷440ccの単気筒エンジンを搭載するミドルクラスのモーターサイクルだ。設計と開発は、インドの二輪メーカー、ヒーローモトコープ(Hero MotoCorp)と共同で行なった。初心者から、再び二輪に戻ってくる人、経験を積んだライダーまでを対象にしている。

排気量は小さいが、車体の姿勢は同社のクルーザーと同じ考え方でまとめている。デザイン責任者のビヨルン・シュスター氏は、こう話す。
「フォークのキャスター角、サスペンションの高さ、ホイールとタイヤのサイズを組み合わせて、純粋にハーレーダビッドソンらしいクルーザーのスタンスをつくり出しています」
ホイール径はフロント19インチ、リヤ17インチ。フロントの100/90-19に対し、リヤには150/60ZR17を組み合わせる。大径で細い前輪と太い後輪の対比も、クルーザーらしさを強めている。アルミ鋳造ホイールは新しいデザインの10本スポークで、黒いスポークの先端とリムの縁に切削加工の光るラインを入れた。黒でまとめた足元のアクセントになっている。

吊り下げ式ヘッドランプ、燃料タンク、サドル。ハーレーダビッドソンでおなじみの造形を随所に採用
シュスター氏は、各部の造形についてこう説明する。
「吊り下げ式のヘッドランプ、燃料タンクの形状、切り詰めたリヤフェンダー、ファストバックのサドルは、ハーレーダビッドソンでおなじみのデザイン要素です」
丸型のヘッドランプは、左右のフォークの間に吊り下げる形(トップマウント式)で配置した。灯火類はすべてLED。ヘッドランプの内部は、上部の縦長の3連ユニット、HARLEY-DAVIDSONのロゴを入れた中央の帯、下部の半円形の発光部で構成している。ウインカーも丸型で、ヘッドランプの上にはUSB-Cポートを備える。

メーターは、ハンドルバーの上に置いた直径3.5インチの丸型ハウジングにカラーTFTディスプレイを収めた。外観は昔ながらの丸型メーターの形を残しながら、速度や回転数をデジタルで表示する。メッキのベゼルで縁取った円の中に四角い画面を収め、その上にオレンジ色のバー&シールドを配置している。

燃料タンクは、後方に向かって細く絞り込んだ形状。リヤフェンダーは短く切り詰めたボブドスタイルで、ナンバープレートとテールランプは、フェンダーから後方に張り出したステーに取り付ける。シートはライダー側を低く抑え、後席側を一段高くした形で、後席部分にはバー&シールドのロゴを型押ししている。


細部の仕上げについて、シュスター氏はこう続ける。
「ディテールのつくり込みは、ほかのハーレーダビッドソンのモデルと同じ水準です。エンジンやアルミ鋳造ホイールの切削加工によるハイライト、テーパー形状のマフラー、ヘッドランプ中央のハーレーのロゴまで、このモデルの手頃な価格とは対照的なつくりになっています」
エンジンは黒で仕上げ、シリンダーのフィンやクランクケースカバーのリブの先端だけを切削して、金属の地肌を見せている。

ボディ色は、ダークビリヤードグレー、ビビッドブラック、ティールサンダーの3色。いずれの色でも、燃料タンクに斜めに切り裂くようなオレンジのグラフィックを入れた。その内側には、ゆがませたチェッカー柄を背景にハーレーダビッドソンの文字ロゴを配置している。
サイドカバーには、「Sprint」のロゴとともに、新たに用意したウサギのキャラクター「ハーレー・ヘア」を描いた。このモデルの軽快さや機敏さ、乗る楽しさを表したものだという。なお、グラフィックは市場によって異なる場合がある。

乗車時のシート高671mm。足着きの良さを重視した車体と、扱いやすい単気筒エンジン
乗車時のシート高は671mm。細身の車体と先細りのシート形状によって、停車時に両足の裏を地面に着けやすくした。走行可能状態の重量は187kg。体格に合わせて、着座位置を約1インチ(約25mm)前方へ移すリーチシートと、約2インチ(約51mm)高く約2.5インチ(約64mm)後方へ移すトールボーイシートも純正で用意する。

パワートレインは、20kW(27hp)、38Nmを発生する空油冷440ccの単気筒エンジンと6速トランスミッションの組み合わせ。ロングストローク設計で、低回転から力強さを感じられる特性とした。クラッチはアシスト&スリッパー機構付きで、レバーの操作力も軽い。足まわりは、フロントが43mm径の倒立フォーク、リヤがピギーバック式のツインショックで、ABSを標準装備する。

ハンドルやシートで印象を変えられる、純正アクセサリーも同時に用意
純正アクセサリーには、外観の印象を変えるパーツが多い。標準よりも曲がりの少ない「モト・ハンドルバー」は、より前傾した姿勢と見た目になる。「ブローラー・ソロシート」は1人乗り専用のシートで、スタイルを重視したライダーに向けたものだ。フットペグ、バーエンドミラー、グリップをそろえた「ウィリー・G・スカル・コレクション」も用意している。
実用面では、黒い布製のスローオーバー・サドルバッグ(左右合計7L)、後席用のシーシーバーとバックレストパッド、着脱しやすいクリアウインドシールドをラインナップ。スチールパイプ製のエンジンガードは、車体と同じ黒で仕上げ、既存の取り付け部にボルトで固定するため、見た目にもすっきりと収まる。アクセサリーは今後追加される予定だという。

日本でも販売予定。米国では2027年春に発売し、最終組み立てはペンシルベニア州ヨークの工場で実施
スプリント440は、日本を含む世界各地の正規ディーラーで販売される予定だ。日本での発売時期や価格、詳しい仕様は、あらためて発表される。米国での発売は2027年春で、最終組み立てはペンシルベニア州ヨークにある同社の車両工場で行なう。



