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4コントロールがもたらす冷静と情熱の走り 〈試乗記:ルノー・メガーヌGT〉終始安定、しかし至極俊敏

  • 2019/05/25
  • MotorFan編集部
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安定感は抜群だ。巌の如きスタビリティで、ひたすら矢のように突き進む。しかし、ひとたび視線をコーナー出口に向けると……信じられないような俊敏さで、車体はグイグイ向きを変える。この感覚は、今まで体験し得なかったものだ。

TEXT●佐野弘宗 (SANO Hiromune)
PHOTO●藤井元輔 (FUJII Motosuke)

ルノーらしからぬ(?) 妖艶なインテリアに感慨

姿勢がほとんど変化しないのに、バネ下の動きは極めて滑らかである

 四代目となる新型メガーヌは、欧州では2016年初頭に「GT」と「GTライン」を皮切りに販売が開始された。そして1年半ほどの準備期間を経て、ようやく我々の目の前に現れたというわけだ。欧州では幅広いラインナップを取り揃える新型メガーヌだが、ルノー・ジャポンはあえて明確なスポーティ路線を押し出す戦略に出た。日本でのメイン機種はグローバルで最上級となる「GT」で、今回の試乗もそのGTである。

 さて、ルノーにおける「GT」の定義はけっこう厳格で、その条件は大きくふたつある。ひとつは、ルノー本体と別組織の「ルノー・スポール」がシャシーを中心とした総合的な味つけを担当することだ。その下の「GTライン」もサスペンション設定はRS担当なのだが、GTではより多くの部分での専用化が許される……というか、それを要求される。

 GTのもうひとつの条件は、エンジンが他グレードには搭載されない特別チューンのものとなること。ただ、先ごろまで日本にもあったルーテシアGTはゼンやインテンスと同じ1.2ℓターボだったが、あれは例外だそうである。

 新型GTのエンジンはメガーヌでは唯一の「M5Mt」型だ。ご想像のとおり、ルーテシアRSと基本的に同じ1.6ℓターボだが、各部をさらに改良した第二世代となる。205㎰/28.6㎏mというチューニングはメガーヌGT専用だ。ちなみに欧州にはディーゼル版のメガーヌGTも存在するが、それも165㎰というシリーズ最強の専用チューンとなる。

現行モデルとしてはこのクラスで唯一とも言える4輪操舵システム「4コントロール」が、抜群のスタビリティと圧巻のアジリティを見事に両立させた。走るたびに運転が上手くなっていくような気にさせられ、学習意欲をかき立てられる。

 Cセグメントで205㎰、0→100㎞/h加速7.1秒という動力性能は、他社でいう「GTI」よりは控えめだが、スポーツモデルとしては十二分といっていい。今どきとしては過給ラグが小さいほうではないが、代わりに本格過給してからはなかなかの迫力だ。スロットルを踏み込んだ半拍の後には、シートバックに背中が押しつけられる。

 変速機の商品名はこれまでどおりの「エフィシェントデュアルクラッチ=EDC」である。ただ、従来からギヤがひとつ増えたのと同時に、クラッチも乾式から湿式へと変わった。湿式クラッチの利点にルノーは小型化と大トルクへの対応、耐久性向上などを挙げるが、クラッチの断続にそこはかとない「潤い」があるのも湿式のメリットである。

 従来型EDCの美点だったトルコンに遜色のない滑らかな変速は、新しい7速でも健在。悪い意味でのデュアルクラッチ特有のクセは最小限だ。

6時付近がやや平らになったD型ステアリングやアルミ製ペダル、随所に配さングの奥には大型のシフトパドルを備えるれたブルーのアクセントなどがスポーティムードを高める。ステアリ。

 先代メガーヌの欧州発売は08年末、新型のそれは17年1月。先代メガーヌはもともと保守的なモデルだったが、さらに約8年という長寿をまっとうした。この間にVWゴルフは2度もフルモデルチェンジして、同じフランスの308はひと足先に大胆なイメチェンを敢行、さらにメルセデス・ベンツやミニといった高級ブランドもガチンコで新規参入……と、世のCセグメントは様変わりした。

 というわけで、新型メガーヌには、たっぷり8年分の進化とともに、これまでのルノーだと「らしくない?」と言いたくなる新趣向やハイテクもごっそり盛り込まれている。

 ルノーといえば、常にトレンドセッターであり続けてきたエクステリアデザインとは対照的に、内装調度や走行メカニズムは保守派だった。しかし、新型メガーヌの内装やハードウェア内容は、我々日本のファンがイメージするルノー、あるいはGTの背後にいるRSとは趣きがちょっと異なる。

 エクステリアデザインはまさしくルノーだ。強くうねるサイドパネルが表情を変えつつ、実寸以上にワイド&ローに見せる手法は弟分のルーテシアに通じており、典型的なヴァン・デン・アッカー流儀だ。また、インテリアの基本造形があくまで使いやすく、オーソドックスなのも、我々が知るルノーらしい。

サイドサポート部が大きく張り出したシート形状はまさに本格スポーツカーのそれ。しかしクッションがタップリと採られているのはまさにルノー流で、ホールド性と快適性を高次元で両立させている。

 しかし、室内を妖しく照らすアンビエントライトは質実剛健インテリアが身上だったルノーらしからぬ(?)新趣向。ステアリングホイールやコンソール周辺のスイッチの数も明らかに増えており、大型センターコンソールにシャッター付きの本格ドリンクホルダーが備わるとは、これまでのルノーを知る人間にはちょっした感動(笑)ですらある。

 レーダーやカメラを使ったアドバンストセーフティ技術がついに投入されたのも、新型メガーヌの新機軸のひとつだ。欧州にあるアダプティブクルーズコントロールは見送られて、自動ブレーキ機能も限定的ではあるが、液晶メーターパネルに前走車や車線、車間距離(秒)とその危険性の警告まで示されるとは「ルノーもやっと……」の感慨は深い。

 センターパネルのレイアウトに少しばかり余裕があるのは、ここにナビゲーションを含めたすべての機能を集約した大画面8.7インチの縦型タッチパネルが鎮座するのが欧州仕様のデザインだからだ。しかし、そこに日本対応のナビゲーションを仕込むことはかなわず、日本仕様では小型(といっても充分な大きさだが)液晶仕様となる。このあたりはルノー・ジャポンのさらなる奮起を願いたいところだが、そのためには日本でのルノー市場が、少なくとも今の数倍規模になる必要がありそうだ。というわけで、みなさん、一緒に頑張ろう(?)。

 先代メガーヌのボディサイズもCセグメントとしては小さくはなかったから、8年ぶりのモデルチェンジのわりには今回のサイズ拡大は最小限。しかし、基本骨格はルノーと日産で共用する「CMF C/D」に完全刷新された。

 CMFとは「コモン・モジュール・ファミリー」の略、末尾のC/DはC〜Dセグメントという意味。ルノー日産のFF骨格モジュールとしては最上級となる。ちなみに、先々代〜先代メガーヌにあった前席床下の隠し収納が姿を消したのは、CMF C/Dのせいだろう。

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