306psの2ℓターボを積んだAクラスの実力【Mercedes-AMG A 35 4MATIC Edition 1試乗記】 メルセデス・ベンツA35 4マティックは痛快な走りが楽しめる大人のハッチバックだ
- 2019/12/30
- GENROQ編集部

M260型エンジンをベースにAMGがチューニングを施したのがAMG 35シリーズだ。その第1弾となるモデル、A35 4マティックが日本上陸を果たした。
600台限定の特別モデル「エディション1」の素晴らしい走りをお伝えしよう。
REPORT◉石川亮平(ISHIKAWA Ryohei)
PHOTO◉市 健治(ICHI Kenji)
※本記事は『GENROQ』2019年12月号の記事を再編集・再構成したものです。

ヘビーウエットでスリッピーなー群馬サイクルスポーツセンターのコーナーを、圧倒的なパワーで駆け抜けていく。並のスポーツカーであれば、アンダーステアないしトラクション抜けなどの挙動がいつ起きてもおかしくない状況にも関わらず、A35 4マティック(以下A35)は、コーナーの出口でアクセルを踏むごとにノーズが出口方向に引っ張られ、信じられない速度で脱出していく。
僕のようなアマチュアドライバーでさえ、体感できる4WDの効果と、圧倒的なスタビリティ。正直言うと、従来のA45のポテンシャルが凄まじかっただけに、新たなAクラスの最強ホットハッチに名乗りを上げたA35にはそれほど期待していなかったが(車名も含めて)、完全に食わず嫌いだったことを思い知らされた。
ここでA35とはどんなモデルか解説しておこう。先にも触れたがA45に代わり、Aクラスの最強モデル(A45 S導入までの間)として8月に発表されたホットハッチとなる。エンジンはA250セダンに搭載される最新のM260型2ℓ直列4気筒ターボをベースにAMGがチューニングを施した。これにより最高出力はA250セダンより+82㎰の306㎰、最大トルクは+50Nmの400Nmを発生する。ツインスクロールターボや2基のカムシャフトを制御する可変バルブリフトシステム「カムトロニック」を採用したことで、低回転時の鋭いレスポンスと環境性能を両立させた新世代エンジンだ。


高出力化にともないシャシーも強化されている。エンジン下部にアルミプレートを、アンダーボディ前部に2本のブレースを追加することでねじり剛性を高めたという。ブレーキシステムはフロントにモノブロック対向4ピストンキャリパー&350㎜ディスクが奢られる。
ちなみに今回の試乗車はサイドデカールや専用19インチホイール、リヤディフューザー、AMGパフォーマンスシートを採用した600台限定モデルのエディション1であった。
話をテストドライブに戻そう。AMGの自信作である2ℓ直4ターボのレスポンスは凄まじい。特にターボが効き始める3000rpmからの加速感には一瞬だじろいでアクセルから足を離してしまったほどだ。ところでA35はヘビーウエットのツイスティなワインディングでなぜこれほどのスタビリティを発揮できるのだろうか。これは前後100対0から走行状況に応じて瞬時に50対50までトルク配分を連続可変制御させる4WDが、絶大な効果を発揮しているからだろう。
A45よりも控えめなエキゾーストノートの演出やエンジン音も実に気に入った。大人が乗るに相応しい最強Aクラスの登場だ。

SPECIFICATIONS メルセデスAMG A 35 4マティック・エディション1
■ボディサイズ:全長4436×全幅1797×全高1405㎜ ホイールベース:2729㎜
■車両重量:―㎏
■エンジン:直列4気筒DOHCターボ ボア×ストローク:83×92㎜ 総排気量:1991㏄ 最高出力:225kW(306㎰)/5800rpm 最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/3000~4000rpm
■トランスミッション:7速DCT
■駆動方式:AWD
■サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡ4リンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ:Ⓕ&Ⓡ235/35R19
■車両本体価格:743万円
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