レースに使うエネルギーの4割を回生!第3世代マシン「Gen3」はほぼ“モーターで減速”する【MF的フォーミュラEひとくち解説 その5】

日本のレース史において、本格的な四輪のレーシングカーが公道を走る初めてのレースとなる東京E-Prixの開催まであと10日。これまでは参戦するメーカーなどを紹介してきたが、今回は各チームが走らせるマシンについてお届けする。

第3世代マシンからはフロントにもモーターを搭載

FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン10においては、11チームが合計22台のマシンを走らせている。
技術規則に沿って各陣営が自由にマシンをデザインできるFIAフォーミュラ1世界選手権(F1)やFIA世界耐久選手権(WEC)などとは異なり、フォーミュラEは2014年のシリーズ発足当初から一貫してシャシーは全チームが同じものを使用する“ワンメイク”制度が採られている。

現在使用されているシャシーは第3世代マシンの「Gen3」。スパーク・レーシング・テクノロジーが開発したこのマシンは2023年に行われたシーズン9に導入された。

前世代マシン“Gen2”に比べてボディは軽量、コンパクトになった一方で、最高出力は350kW(約456PS)まで引き上げられ動力性能は向上。また、Gen2まではパワートレインはリヤのみとなっていたが、Gen3ではフロントにも搭載された。

フロントモーターはドライブシャフトでフロントホイールとつながっているものの、回生専用とされ、加速のアシストは行わない。モーターが2基になったことにより、減速時の最大電力回生量は600kWに達し、レース中に使用されるエネルギー量の4割以上を回生するという。

パワートレインがブレーキとしても大いに活躍するようになったぶん、油圧ブレーキの役割は減少する。そのため、Gen3ではフロントのディスクブレーキ(ベンチレーテッドディスクではなく、ソリッドディスク)はかなり小型化されると同時に、リヤには伝統的なブレーキシステムは廃止されている。

ボディワークを含むシャシーがワンメイクにされているからといって、各マニュファクチャラーがまったくクルマをいじれないかというというわけではない。リヤに搭載するパワートレイン周りは独自の開発が許されており、各陣営の競争力に差を生む要素となっている。このへんについてはまたあらためてお届けしたい。

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■フォーミュラE 「Gen3」マシン

全長×全幅×全高:5016.2mm×1700mm×1023.4mm
ホイールベース:2970.5mm
最低重量(ドライバー含む):840kg
最高出力:350kW(約456PS)
最大回生電力:600kW
電力回生量:40%以上
最高速:320km/h
パワートレイン:2基(フロント/リア)

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