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対象物の状況の変化に合わせて最適な動作をリアルタイムにAI が制御 三菱電機:「器用に制御するAI」を開発

  • 2018/02/09
  • Motor Fan illustrated編集部
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三菱電機は、同社AI技術「Maisart(マイサート)」のひとつである「スマートに学習できるAI」を活用し、対象物の状況の変化を瞬時に把握してリアルタイムに対応できる「器用に制御するAI」を開発した。産業用ロボットなどの機器に適用することで、形状が変化する柔軟物や状況が大きく変化する対象物に対しても容易に自動化が実現できる。

AI技術は、ディープラーニングによる高度な情報処理が可能になり、さまざまな業界での活用が見込まれる。なかでも産業用ロボットへの適用は、人手不足の社会問題を解決することにつながり大変期待されている。

三菱電機は今回、状況に合わせて最適な動作を瞬時に把握しリアルタイムに制御する「器用に制御するAI」を開発した。同社AI技術「Maisart」の「スマートに学習できるAI」により、学習時間を大幅に短縮でき、本技術を製造工程に適用することで、これまで難しかった形状が変化する柔軟物や状況が大きく変化する対象物を扱う作業の自動化に貢献する。

特長の詳細
1.AI技術と複数センサーで、対象物の状況の変化をリアルタイムに把握
従来は、実行時の作業環境を固定していたため、実行中の状況の変化が想定される場合、設計者が事前に状況変化を想定する必要があった。そのため、例えば柔軟物の把持や複数のロボットが同時に稼働する環境下など、想定や予測が難しい状況変化が発生する場合には対応できないという課題があった。今回、画像、荷重や電圧値など種類の異なる複数のセンサーから、常時フィードバック情報を受け取り、ディープラーニングでリアルタイムに推論した値を駆動部の制御に使用することを繰り返し、わずか3.5msのスムーズなリアルタイム制御を実現した。

2.AI技術により、制御アルゴリズムをリアルタイムで自律的に再設計が可能
従来の制御では、対象物の形状や位置に応じた複雑な制御設計が必要だったが、AI技術のひとつであるディープラーニングを用いることで、前提知識を必要としない高度な推論が可能になる。ただしディープラーニングで最適な制御を出力するためには、大量の学習データを用意する必要があり、データ収集のコストが課題。今回、自ら試行を繰り返し、最適な行動を自律的に探索させる強化学習を組み合わせることにより、制御設計コストとデータ収集コストを下げ、汎用的な制御工程への応用が可能になった。
また、従来の強化学習では多数の試行が必要なため、実機で行う際には学習時間が問題となる。人からの簡易ティーチングによる試行を行うことでAIの自律的な学習を補助し、学習時間の大幅な短縮を実現した。

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