トヨタ新型ハリアーの北米版ヴェンザ(Venza) まるでそっくりなハリアーとヴェンザというTNGA GA-KプラットフォームのSUVを考える
- 2020/05/24
-
MotorFan編集部 鈴木慎一

4月に発表された新型ハリアーはTNGAのGA-Kプラットフォームを使うSUVとしてはRAV4に次いで2モデル目。そして3モデル目として北米で発表されたのが、ヴェンザ(Venza)である。ハリアーの北米版であるヴェンザ、ハリアーと比べてみよう。
新型ハリアーと新型ヴェンザは一卵性双生児
北米のヴェンザ(Venza)の先代モデルは2015年に販売が終了していた。それが5年ぶりに復活したというわけだ。新型ヴェンザ(2021年モデル)が登場する前は、北米でのトヨタのSUVラインアップは小さい方から
C-HR
RAV4
HIGHLANDER(ハイランダー)
4RUNNER
LAND CRUISER(ランドクルーザー)
SEQUOIA(セコイア)
だった。これをプラットフォームで見てみると
C-HR(TNGA GA-C)
RAV4(TNGA GA-K)
HIGHLANDER(TNGA GA-K)
4RUNNER(ラダーフレーム)
LAND CRUISER(ラダーフレーム)
SEQUOIA(ラダーフレーム)
となる。モノコックボディがオンロード重視、ラダーフレームがオフロード重視だと考えると、オンロード重視のニーズをC-HRとRAV4と大型のHIGHLANDERで応えなければならなかったわけだ。現行RAV4は歴代モデル最大のヒットとなっている。となれば、このオンロード重視のSUVにRAV4より少し大きなモデル(RAV4とHIGHLANDERの間)を投入する必然性も出てくる。
そこにまさにぴったりなのが新型ヴェンザ=ハリアーだ。
ということで、新型ハリアーと新型ヴェンザは、一卵性双生児となった。ヴェンザ登場でトヨタの北米SUVのラインアップはこうなる。
C-HR(TNGA GA-C)
RAV4(TNGA GA-K)
VENZA(TNGA GA-K)
HIGHLANDER(TNGA GA-K)
4RUNNER(ラダーフレーム)
LAND CRUISER(ラダーフレーム)
SEQUOIA(ラダーフレーム)
新型ヴェンザは
・TNGA GA-Kプラットフォーム
・2.5ℓ直4+THSⅡのハイブリッド(日本のハリアーにある2.0ℓガソリンエンジン仕様の設定はなし)
・システム最高出力は219hp
・燃費は、17.0km/ℓ(40MPG)
・駆動方式は、AWDのみ。AWDはリヤにモーターを積む「電動AWD」
・生産はハリアーを生産する高岡工場
となっている。


トヨタ新型ハリアーのエンジン2種をご紹介 A25A-FXSとM20A-FKS、ともに超高効率の新世代エンジン
トヨタ新型ハリアーが発表された。搭載されるエンジンは(ひとまず)2種。ガソリン仕様のハイブリッドおよびエンジン車である...
新型ハリアー

新型VENZA

新型ハリアー

新型VENZA

大きさを比べてみると

上が新型ハリアー、下が新型ヴェンザである。言うまでもなく、まったく同じ。従来は、モデル名が違うクルマはベース車両が同じでも日本仕様と北米仕様はサイズ(北米仕様の方が大きい)、デザイン(アメリカ人が好むエクステリア)が異なる場合が多かった。ところが、今回のヴェンザはハリアーそのもの。北米向けに開発されたRAV4が日本でも大ヒットしたように、クルマの好みが日米(というよりもグローバルで)で似てきている、ということなのだろうか。
ちなみに、先代のヴェンザはこういうカタチをしていた。

新型ハリアー

新型VENZA

正面視でも、ハリアーとヴェンザの違いはもはや間違い探しレベル。左右のライトからつながるシグネチャーラインの処理が少し違うのと、グリルの大きさがヴェンザの方が大きく見える(カメラのレンズの画角の違いかもしれない)。トヨタ・マークの大きさも同様だ。
新型ハリアー

新型VENZA

新型ハリアー

新型VENZA

新型ハリアー

新型VENZA


ハリアーの最上級「Z」グレードのセンターディスプレイには12.3インチ高精細TFTワイドタッチタイプを採用。写真ではヴェンザの方が大きく見えるが、ヴェンザも上級グレードは12.3インチのマルチメディアタッチスクリーンを採用する。

エクステリア、インテリアともハリアーとヴェンザは同じ(もちろん細部で仕様が異なる部分もあるだろうが)。差別化するためのデザイン工程も、差別化のための部品、金型も削減できるということは、高いコスト競争力を持つということを意味する。
パワートレーンは、ヴェンザは2.5ℓ直4+THSⅡのハイブリッドのみ。厳しくなる燃費規制(CAFE規制)を考えると、できるだけ燃費のいいモデルを世界中で売りたいメーカーの思惑がある。新型ヤリスも欧州ではハイブリッドのみの販売となっているし、この新型ヴェンザも同様だ。
おそらく、そう遠くない将来に、レクサスRXがモデルチェンジすることになる。新型RXは、RAV4、ハリアー、ヴェンザと同じGA-Kプラットフォームを使う。パワートレーンもハイブリッドがメインになるだろう。トヨタのTNGAは、SUVのラインアップにもコスト競争力にも大きな力となっていることは明白だ。

トヨタ新型ハリアーから次期レクサスRXを予想する TNGA GA-Kプラットフォームのモデル比較 ハリアー、RAV4と比べたら?
トヨタの新世代技術基盤であるTNGAのエンジン横置き用でもっとも大きなプラットフォームがGA-Kプラットフォームだ。新型ハリ...
- 1/2
- 次へ
|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
水平対向と星型とロータリーエンジン特集

スバル新型レヴォーグの新1.8ℓ水平対向4気筒ターボCB18 vs マ...
- 2020/08/21
- 新車情報
スバルの1.8ℓリーンバーンターボ「CB18型」とはどんなエンジ...
- 2020/08/20
- 新車情報

1.8ℓ直噴リーンバーンターボ! 次期スバル・レヴォーグから始...
- 2020/05/15
- コラム・連載記事

内燃機関超基礎講座 | 星型エンジン、その複雑で精緻な構造
- 2020/12/29
- コラム・連載記事

内燃機関超基礎講座 | 直噴技術がロータリーエンジンを救う?...
- 2020/10/16
- コラム・連載記事

いま再びマツダの水素ロータリーエンジンへの期待「REは水素...
- 2020/08/24
- コラム・連載記事
ホンダエンジンの技術力は凄い|内燃機関超基礎講座特集

内燃機関超基礎講座 | V型5気筒という奇妙なエンジンの理由[...
- 2020/07/31
- コラム・連載記事

内燃機関超基礎講座 | ホンダが作った「本当のアトキンソンサ...
- 2020/08/13
- コラム・連載記事

内燃機関超基礎講座 | NA時代のタイプRが搭載していた2.0ℓエ...
- 2020/08/09
- コラム・連載記事

内燃機関超基礎講座 | ホンダ F1 エンジンのコンロッド 高い...
- 2020/07/05
- コラム・連載記事

内燃機関超基礎講座 | ホンダ初代NSXのエンジン[C30A/C32B...
- 2020/08/30
- コラム・連載記事

内燃機関超基礎講座 | ホンダのユニークな気筒休止システム[...
- 2020/08/12
- コラム・連載記事
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報

トヨタ ハリアー
プレミアム スタイルモーヴ
中古価格 225万円

トヨタ ハリアー
プレミアム
中古価格 249.9万円

トヨタ ハリアー
プレミアム
中古価格 179.8万円

トヨタ ハリアー
プレミアム
中古価格 275万円

トヨタ ハリアー
プレミアム
中古価格 280万円

トヨタ ハリアー
プレミアム メタル アンド レザーパッケージ
中古価格 330万円