猛暑の渋滞走行はバッテリー上がりのリスク大

バッテリー上がりは冬場のトラブルと思われがちだが、夏も決して油断はできない。むしろ暑い夏のほうがバッテリーにとっては過酷な状況だ。

JAFの出動理由で常に最上位を占めるのがバッテリー上がりだ。お盆に限らず、一般道路でのトラブルでは通年トップとなっており、高速道路においても常に上位となっている。

バッテリーは高温にさらされると自己放電が促進されて性能が低下するうえ、夏はエアコンの多用でバッテリーへの負担も大きく増える。渋滞のノロノロ運転ではバッテリーも充電されづらく、さらに夏の暑さと渋滞中に発せられるエンジンの熱が加わってバッテリーが突然故障することも多い。

とくに日常的に短距離移動しかしないクルマは慢性的な低電圧状態になりやすく、その状態で帰省ラッシュの大渋滞に巻き込まれるとバッテリートラブルが起きやすい。

お盆に長距離移動の予定があるなら事前にバッテリーの状態を点検してもらい、必要に応じて補充電やバッテリー交換をしておくのが望ましい。

また、バッテリーの劣化や故障だけでなくバッテリー端子の緩みによる接触不良でエンジンがかからなくなるケースも珍しくない。出発前に端子の締め付け具合を確認しておくだけで、接触不良によるトラブルだけは確実に回避できる。

タイヤの空気圧不足

高速走行前の空気圧点検は確かにパンクトラブルに対して有効だが、それだけでは安心できない。パンクやバーストの回避には、日頃からのタイヤの状態確認が最重要だ。

バッテリーに次いで多いトラブルが、タイヤのパンクやバーストとなる。高速道路での出動理由ではタイヤのトラブルが通年でもっとも多く、その多くがタイヤの空気圧不足や劣化が原因だ。

タイヤの空気圧が不足している状態は耐荷重性能も低下しており、その状態で普段は乗らない乗員や重い荷物を載せると荷重に耐えられず、変形過大となってタイヤの破損につながりやすい。

さらに空気圧が不足したままのタイヤで高速走行をすると、タイヤの接地面が波状に変形する“スタンディングウェーブ現象”が起こりやすく、そのまま走行を続けるとタイヤが破裂(バースト)してしまう。

バーストしたタイヤはパンク修理剤では修復できないため、スペアタイヤが搭載されていない場合はロードサービスに頼るしかない。

加えて、慢性的に空気圧不足のままクルマを使用していると、経年劣化や紫外線による影響も相まってサイドウォールにひび割れが発生しやすくパンクやバーストの原因となりやすい。

日頃からの空気圧点検はもちろん、お盆に長距離移動の予定があるなら事前にタイヤの点検を行い、必要であれば交換しておきたい。

キーの閉じ込み&スマートキーの電池残量に注意

レジャー中は普段と異なるクルマの使い方をすることが多いため、インロックも起こりやすい。短時間であっても、車外に出るときは必ずスマートキーを持ち出すように徹底しよう。同乗者にスペアキーを預けておくこともインロック対策に有効だ。

バッテリーやパンクほどではないものの、キーの閉じ込みトラブルもお盆に毎年一定数発生している。

“インロック”や“インキー”とも呼ばれるキーの閉じ込みトラブルは、その原因の多くが人為的なミスだ。ただし、インロックとは無縁と思えるスマートキーであっても条件が整うとトラブルに遭遇する点には注意したい。

例えば、施錠状態でトランクリッドやリアハッチのみをスマートキーで開け、電波が届かない荷室内にキーを置いたまま閉めてしまうと、自動的に施錠状態に戻りキーを閉じ込めてしまう恐れがある。

また、カバン内に入れたままのキーが荷物のズレなどによりボタンが押され、ドアが勝手に施錠されてしまうトラブルもしばしば起こる。

電池残量のチェックも重要だ。スマートキーの電池が消耗した状態ではクルマとの通信ができなくなり、車内にキーがあったとしてもクルマ側でキーの存在を認識できず、施錠されてしまった事例がある。加えて、手元にスマートキーはあるが電池が切れてしまい解錠ができなくなることも起こりうる。

夏の暑さは電池の消耗も加速させるため、電池残量警告灯が点灯している場合は長距離移動前に新しい電池へ交換しておくことが望ましい。

高速道路での冷却水不足はオーバーヒートに直結

近年のクルマはオーバーヒートとはほぼ無縁だが、決してオーバーヒートが起こらないわけではない。エンジンがオーバーヒートを起こすと多大な修理費用がかかってしまう。

夏場は冷却水不足によるエンジンのオーバーヒートも高速道路の出動理由TOP10に食い込んでくる。

冷却水は減らないものと思われがちだが、漏れがなくとも冷却水の温度が上昇すると蒸気となって少しずつ減少していく。多少減少したところでエンジンの冷却性能に影響はないが、リザーバータンクが空になるまで減ると、冷却水配管内に空気が混入することで冷却性能が低下し、オーバーヒートのリスクが高まる。

とくにエンジン回転数が高くなる高速走行や、夏場の大渋滞では水温が上昇しやすいため冷却水不足はオーバーヒートに直結する。また、冷却水配管内に空気が混入した状態でエンジンを高回転まで回すとウォーターポンプの羽根を破損させる恐れもある。

夏の長距離移動前には、リザーバータンク内の冷却水量が規定範囲にあるかを点検し、不足しているようなら補充しよう。もし、極端な減少があれば冷却水漏れを疑いたい。