メルセデスベンツは、「Ambition 2039」の一環として、これから20年以内にカーボンニュートラルな新車の導入を目指している。また最近の発表では、2030年までに、販売する自動車の半分以上に電気駆動システムを搭載することを発表した。
そこでブランドの電動化の先駆けとして登場するのがEQSとなる。EQSは、メルセデスのEVブランドであるEQからの初めて登場する高級サルーンだ。まさに「電気自動車のSクラス」で、新開発されたエグゼクティブクラスの電気自動車用のプラットフォームを採用している。メルセデス・ベンツは「テクノロジー、デザイン、機能性、接続性を融合させたEQSは、ドライバーと同乗者の両方を楽しませます。」としている。またリサイクル糸を使用したカーペットなどの省資源化素材を採用するなど、生産方法もカーボンニュートラルを意識したものだ。
サイズは、全長5216mm、全幅1926mm、全高1512mmとSクラス(通常ボディ)の全長5180mm、全幅1920mm、全高1505mmを凌ぐサイズ。後席の空間もしっかり確保されており、ほかのラグジュアリーセダンと比較しても遜色ないレベルだ。
それではスペックはどうだろうか。AMGモデルも含めて、これからいくつかのグレードが用意されると予想されるが、まず最初に市場に導入されるのは後輪駆動のEQS450+と4WDのEQS580となる。EQS450+は最高出力333ps、最大トルク568Nmを、EQS580は最高出力523ps、最大トルク855Nmを発揮する。EVらしい静かでスムーズな加速が魅力で、航続距離は780kmと発表されている。これでテスラのモデルS(ロングレンジ)の650kmを超えることになり、メルセデス・ベンツが本気で世界一のラグジュアリーEVを目指して開発したことが伺える。さらには760psを超えるモデルもスタンバイしているというので驚きだ。
またEQSは、急速充電ステーションで最大200kWで充電できる。さらに最大300km(WLTP)の電力がわずか15分で再充電されるので外出先での充電も便利だ。家庭や公共の充電ステーションでは、EQSはオンボード充電器を使用してACで最大22kWで便利に充電できるという。さらに日本では、EQSによる双方向充電、つまり両方向の充電も可能だという。また、場所に応じて自動的に起動できるインテリジェントな充電プログラムや、特にバッテリー節約充電などの機能がある。
これから電動化の流れが加速すると、高級EVも増えてくるがその第一歩としてこのEQSは世界のプレミアムカーブランドに衝撃を与えるだろう。日本への導入が楽しみな一台だ。